104 / 138
毒を愛する者より2
しおりを挟む
…私を狙う価値があるかしら?
『愛するエリザベス』
私は意外とモテるの?
…それはない。断言出来る。悲しい現実よ。
毒を好きな男が、毒草オタク女を好きになった。勝負して勝って殺したい。すごい変態に好かれてしまったものだわ。
コンコン
「お嬢様、夕飯です。」
「はーい、すぐに行くわ。」
手紙が挟んであった図鑑をノートの下に隠して、急いで1階へむかった。
「セドリック様、この部屋に護衛を増やす必要はないのでは…?」
「もしもの時の為だ。」
「そうですね。」
…皆の態度がおかしいのが解ったわ。私が狙われてるのを知ってるからよね。
犯人からすれば、まわりだけが動いて獲物がそれを知らないのが不服だった。
変態毒オタクと毒草オタク令嬢、直接対決がお望みなのであれば、受けてたつわ。
『私を狙ってる』
予想通りじゃない。そして私の望み通りだわ。
変態はたぶん私に会いに来るか、既にどこかで会ってる。
愛するエリザベスだもの。
何処に重点を置くか考えないと、自分で状況把握が出来ていない。セドリックを狙う犯人の人物像ばかり考えていたけど、また変わってくるはずだしね。
「…ズ…リズ……エリザベス」
「…ん?」
セドリックに呼ばれてるのに、全然気がつかなかったわ。現時点で私は何も気が付いていないと思わせないと。
「何でしょうか?」
「当分、休日は外出禁止だ。」
へ?
「嫌よっ!!」
そんなの犯人を追いかけられないじゃない!!
「……」
「…何よ、その目は。」
「何か企んでそうだからだ。」
「セドリック様は外出しますよね?では私も一緒に…」
「エミリオについていてもらう。数日見ていたが、度胸もあるし優秀だ。」
「……」
エミリオ…、たしかに彼は優秀だわ。
フリナで片手を失って、それでもあの明るい性格で毒好き。
尊敬に値するとは思っていたわ。けれど、ここへ来てライバルになるなんて!!
外出禁止…なんとかしないとね。
夕飯をおえて部屋で寛いでいると、曇った顔をしたルネが入ってきた。
「お嬢様。お手紙が届いております。」
「手紙、こんな時間に?」
「…はい。」
手渡された手紙に私の名と差出人が書かれている。
「これ、お父様からだと思う?」
「いいえ。けれど筆跡が似ているので悪戯では無いかもしれないと思い、お持ちしました。」
手紙を透かしても全く何も見えない。封筒はたいして上質な紙じゃないわ。という事は光を遮るくらいの何かが入ってる…って事ね。
「…ルネ、よく手を洗ってから、お水を持ってきてくれる?」
「はい。」
ルネがいない間に、手袋をつけてピンセットとペーパーナイフを用意した。
「お嬢様、お持ちしました。」
「ありがとう。ルネは外に出ていて。」
「ですが……」
「大丈夫、ただの手紙だもの。」
「…はい。部屋のすぐ外に控えておりますので、何かあればすぐにお呼びください。」
「ありがとう。」
ペーパーナイフで封をあけると、出てきたのは薄い紙に包まれた何か。包みをピンセットで開いてみると、赤い花弁が1枚。
「当たりね。」
水をかけると大量に煙が出てきた。
「これを挑戦状だと受けとるわ。」
入っていたのは、フリナの花弁。
私がどこにあるか探してた花。
それを所持する『毒を愛する者』からの。
『愛するエリザベス』
私は意外とモテるの?
…それはない。断言出来る。悲しい現実よ。
毒を好きな男が、毒草オタク女を好きになった。勝負して勝って殺したい。すごい変態に好かれてしまったものだわ。
コンコン
「お嬢様、夕飯です。」
「はーい、すぐに行くわ。」
手紙が挟んであった図鑑をノートの下に隠して、急いで1階へむかった。
「セドリック様、この部屋に護衛を増やす必要はないのでは…?」
「もしもの時の為だ。」
「そうですね。」
…皆の態度がおかしいのが解ったわ。私が狙われてるのを知ってるからよね。
犯人からすれば、まわりだけが動いて獲物がそれを知らないのが不服だった。
変態毒オタクと毒草オタク令嬢、直接対決がお望みなのであれば、受けてたつわ。
『私を狙ってる』
予想通りじゃない。そして私の望み通りだわ。
変態はたぶん私に会いに来るか、既にどこかで会ってる。
愛するエリザベスだもの。
何処に重点を置くか考えないと、自分で状況把握が出来ていない。セドリックを狙う犯人の人物像ばかり考えていたけど、また変わってくるはずだしね。
「…ズ…リズ……エリザベス」
「…ん?」
セドリックに呼ばれてるのに、全然気がつかなかったわ。現時点で私は何も気が付いていないと思わせないと。
「何でしょうか?」
「当分、休日は外出禁止だ。」
へ?
「嫌よっ!!」
そんなの犯人を追いかけられないじゃない!!
「……」
「…何よ、その目は。」
「何か企んでそうだからだ。」
「セドリック様は外出しますよね?では私も一緒に…」
「エミリオについていてもらう。数日見ていたが、度胸もあるし優秀だ。」
「……」
エミリオ…、たしかに彼は優秀だわ。
フリナで片手を失って、それでもあの明るい性格で毒好き。
尊敬に値するとは思っていたわ。けれど、ここへ来てライバルになるなんて!!
外出禁止…なんとかしないとね。
夕飯をおえて部屋で寛いでいると、曇った顔をしたルネが入ってきた。
「お嬢様。お手紙が届いております。」
「手紙、こんな時間に?」
「…はい。」
手渡された手紙に私の名と差出人が書かれている。
「これ、お父様からだと思う?」
「いいえ。けれど筆跡が似ているので悪戯では無いかもしれないと思い、お持ちしました。」
手紙を透かしても全く何も見えない。封筒はたいして上質な紙じゃないわ。という事は光を遮るくらいの何かが入ってる…って事ね。
「…ルネ、よく手を洗ってから、お水を持ってきてくれる?」
「はい。」
ルネがいない間に、手袋をつけてピンセットとペーパーナイフを用意した。
「お嬢様、お持ちしました。」
「ありがとう。ルネは外に出ていて。」
「ですが……」
「大丈夫、ただの手紙だもの。」
「…はい。部屋のすぐ外に控えておりますので、何かあればすぐにお呼びください。」
「ありがとう。」
ペーパーナイフで封をあけると、出てきたのは薄い紙に包まれた何か。包みをピンセットで開いてみると、赤い花弁が1枚。
「当たりね。」
水をかけると大量に煙が出てきた。
「これを挑戦状だと受けとるわ。」
入っていたのは、フリナの花弁。
私がどこにあるか探してた花。
それを所持する『毒を愛する者』からの。
0
お気に入りに追加
343
あなたにおすすめの小説
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
舞台装置は壊れました。
ひづき
恋愛
公爵令嬢は予定通り婚約者から破棄を言い渡された。
婚約者の隣に平民上がりの聖女がいることも予定通り。
『お前は未来の国王と王妃を舞台に押し上げるための装置に過ぎん。それをゆめゆめ忘れるな』
全てはセイレーンの父と王妃の書いた台本の筋書き通り───
※一部過激な単語や設定があるため、R15(保険)とさせて頂きます
2020/10/30
お気に入り登録者数50超え、ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))
2020/11/08
舞台装置は壊れました。の続編に当たる『不確定要素は壊れました。』を公開したので、そちらも宜しくお願いします。
【完結】「幼馴染を敬愛する婚約者様、そんなに幼馴染を優先したいならお好きにどうぞ。ただし私との婚約を解消してからにして下さいね」
まほりろ
恋愛
婚約者のベン様は幼馴染で公爵令嬢のアリッサ様に呼び出されるとアリッサ様の元に行ってしまう。
お茶会や誕生日パーティや婚約記念日や学園のパーティや王家主催のパーティでも、それは変わらない。
いくらアリッサ様がもうすぐ隣国の公爵家に嫁ぐ身で、心身が不安定な状態だといってもやりすぎだわ。
そんなある日ベン様から、
「俺はアリッサについて隣国に行く!
お前は親が決めた婚約者だから仕方ないから結婚してやる!
結婚後は侯爵家のことはお前が一人で切り盛りしろ!
年に一回帰国して子作りはしてやるからありがたく思え!」
と言われました。
今まで色々と我慢してきましたがこの言葉が決定打となり、この瞬間私はベン様との婚約解消を決意したのです。
ベン様は好きなだけ幼馴染のアリッサ様の側にいてください、ただし私の婚約を解消したあとでですが。
ベン様も地味な私の顔を見なくてスッキリするでしょう。
なのに婚約解消した翌日ベン様が迫ってきて……。
私に婚約解消されたから、侯爵家の後継ぎから外された?
卒業後に実家から勘当される?
アリッサ様に「平民になった幼馴染がいるなんて他人に知られたくないの。二度と会いに来ないで!」と言われた?
私と再度婚約して侯爵家の後継者の座に戻りたい?
そんなこと今さら言われても知りません!
※他サイトにも投稿しています。
※百合っぽく見えますが百合要素はありません。
※加筆修正しました。2024年7月11日
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
2022年5月4日、小説家になろうで日間総合6位まで上がった作品です。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる