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危険な花3

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「リズは何故パーティーに出たくないんだ?侯爵も断り続けていたし。」
「公式のものは18才以下は必ずというものでもないでしょう。」
「リズはそれにあてはまらない。」

やっぱり同年代の王子が2人もいれば、家柄的にもっと前から招かれてるよね…。

「小さい頃は体が弱かったもので。」
「野山を駆け回って、迷子になる程なのにか?」
「……」

そんな情報、覚えなくていいわよ。

「リズは踊れるか?」
「踊る?」
「…1曲は絶対に踊れるようにしておいた方がいい。」
「何故?」
「この前は父上に呼ばれて、その後はリズが体調不良だったから踊る事はなかったが、次は始めに必ずダンスをさせられるはずだ。」
「…嘘……ですよね?」
「本当だ。」

何となくは憶えているけれど、曲によって違うわ。何を踊らされるの?

「セドリック王太子殿下。貴方の力でどうにかねりませんか…。」
「ならないな。それから、今回は侯爵は来ない事になってる。どうしても抜けられない仕事があるそうだ。」

逃げ場がないわ。

「エリザベス様、練習しましょう。」
「…その日、足を挫いたとでも言うわ。」
「そんな嘘で、セドリック様を顔に泥を塗るような真似は許されません。」

…ラッドさん、本当に厄介な男だわ。

「練習すると言っても、練習できる場所なんてないわ。」
「この学校にはございますよ。」
「……はぁ、踊る曲だけ教えてください。」
「ええ、セドリック様はダンスがとても上手ですので、ご安心下さい。」

言われた通りにするしかないわ。レッスンしてくれる相手もいないもの。


次の日から、猛特訓…。

「いてっ」
「あ…ごめんなさい。」

おもいっきりセドリックの足を踏んでしまったわ…。

「それでもミリオン侯爵の娘なのか…」
「……」

言われても仕方がない。想像を遥かにこえて踊れないもの。
先生に言われた通りしてるはずなのに…。

このままではお父様に恥をかかせてしまうわ!!それは駄目よ。死ぬ気で覚えなきゃ!

初日、2日目は全然駄目だったけど、3日目の今日は少し上達した…と思う。昔習ってたのを体が思い出してきたっていうのもあるし、運動神経は悪くない方だしね。

「ねぇ、私は少し踊れるようになって……」
「まだまだだな。…ん?どうした?」
「…いえ、何でもございません。」

今まで必死で気がつかなかったけど、とても顔が近いっ!全体的に近いっ!!恥ずかしすぎよ。

「エリザベス様!俯かないでくださいっ!」
「はいっ!!」

先生、とても怖いのよね。

「クク…」
「何を笑っているのよ。」

……色々あって忘れていたけど、セドリックって『お花を買った子』をまだ探してるのかしら。最近何も言わないし、探してる様子も無いんだよね。
ここまで顔が近いと、不安がいっぱいだわ。
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