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栽培3

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貴族の令嬢ばかり狙う誘拐はもう10件もおきてる。
本当はもっとあるかもだけど、隠してるかもしれないわ。
拐われた子の家族は娘を取り返すために大金を払うし、帰ってきても『誘拐された女』の行く末は幸せじゃないわ。男ばかりが犯人探しをしているのが悪いのよ。同じ女なら絶対許せないもの。


バンッ
「休暇の間、警察ここで働かせてくださいっ!」
「無理だ」

即答……


今、私は警察のトップ…以前に会食で抹殺リストに登録した男…警察のトップと話をしている。普通なら会うにはアポイントメントがいる、けれどっ!!そこはミリオン侯爵令嬢、容疑者を捕まえた女!『思い出した事がある。』と言えば会えるはずっ!!
そう思って実行したら、本当に会えたのよね。
そして今この状況。机をおもいっきり叩いて手が痛いわ…。

「ハッキリ言います。今の捜査を続けても何の意味もありません。もうご存知だとは思いますが、スパイがいます。それを調べたいのです。」
「出来ない。それは法律に反する。」

法律…ですって……。

「その法律は人の命より重いのかしら。」

3日前、拐われた子の1人が自害してしまったのよ!だから私は暴挙にでたの。

「警官でないとしても、事務員として雇って貰うくらいの事は出来るはずよ。捜査に立ち入らない場所での経理とかね。頭は悪くない方よ。」
「…この申し出が既に愚かなんだがね。」
「そう、なら私はお望み通り、囮になりましょうか?護衛くらいまくのは簡単よ。」

子供の頃の私が、どこで生きていた女だと思ってるの。

「…何が言いたい」
「ミリオン侯爵の娘だからって、いくらなんでも護衛が多すぎよ。セドリック様と同レベル…いえ、それ以上の扱いをされてるなんておかしいわ。」

セドリックといる時は合計しても8~10人、王太子様と一緒なのだから…と思っていたけれど、私だけの時に5~7人ついた時は驚いたわ。

「護衛がそこまで多くなくても、私が危険になった時は襲った者を殺せばいい。けどそれはしたくないのでしょう。私を使って生け捕りにしたいのよ。」
「無理だとしか言えない。」
「なら私はそのうち、物凄く高価な服をきてコチに行くわ。1人でね。どうなるのか、簡単に想像出来る事よ。」
「護衛がいる。」
「私が毒草オタクだと言うのを忘れていました。毒を盛るのもお手のもの。無味無臭、人が死なないギリギリの物を入れて差し上げるわ。」
「飯を食わなければすむ。」
「だったら私も、今日から水一滴も飲まないわ。護衛に変わりはいても、対象者は1人しかいないの。」

私は絶対引かないわ。
1人死ねば、それに連鎖する子が出てくるはずだもの。
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