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実験室3
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「ルーシー様。本当の事を言ったまでです。それとも、貴女の恋人になった方は、人にどんな態度をとってもいいという事?貴女のお父様にとって大切なのはミリオン侯爵の娘かジョーンズ伯爵のご子息様、どちらかしら。ねぇ?スタン。」
「っ!?」
「あら、真っ青ね。貴方達が振りかざす、くだらない身分というのはそういう物なのでしょう?」
「そんな事ないわ!」
ルーシー様も必死ね。
「貴族に生まれた、ただそれだけ。私達はまだ、責任をもって見合った仕事をしている訳でもない。偉くも何ともないのよ。」
「私達はお友達なのよ。身分なんて関係ないわ。」
「では何故リリー様は薬を受け取れなかったのですか?手が荒れるかもしれないと薬を渡せば『受けとるな』と言っていたわ。貴族の女性は見た目も大事、それを貴女は重々承知でしょう。」
「……っ」
「愛だの恋だの言ったって、損得で考える男もいるのを知っておいた方がいいわよ。ルーシー様。では皆さん、ご退室を。」
「…リズ、悪かった。もう来ないから、このまま部屋は使ってくれ。」
「私に構わないでください。…これをリリー様に。」
渡せなかったぬり薬をセドリックに渡して、私は掃除を始めた。
フラスコも、テストチューブも、シャーレも、ビーカーも、全て割れてしまったわ。
これを集めるのが何れだけ大変か…。お金もかかってしまうし…。
オタクを披露する…
あの人達には何も通じない…。そうじゃなくて、どうでもいいのよ。私は『婚約者』という物体でしかないんだわ。
冷やかしに来て、揚げ句の果てに毒草を折られて、物を壊されて……。
この学校の空気は吐きそうよ。
・・・・
「エリザベスはどうだった?ラッド。」
「少し変わった趣味を持つ子ではありますが、私の見たところ婚約者レース独壇場ですね。」
「そうだね、頭のいい子だよ。狙って人を怒らせる事も出来るしね。それだけ人を観察してる。何より正義感が強い。身分ばかり気にしてる頭のよくない連中は相手にもしてもらえないよ。」
「ロビン様も性格が悪いですね。あの4人の粗捜しをさせつつ、確実にエリザベス様を婚約者にする方向へ進めるんですから…。」
「いい子だから信じてると思うよ。俺が弟の心配をしてるお兄様だって。」
「そこは本当でしょう?」
「そうだよ、だからこそエリザベスが婚約者になってもらわないと。そこまでが俺の完成形だよ。」
「セドリック様は『兄が王太子になるべきだ』と仰ってますよ。」
「ん~、それは駄目だね。俺の可愛い弟は、悪どい事が出来ない。政治には人たらしのずる賢い裏方が必要で、それが俺の役目だよ。」
「何故エリザベス様に目星をつけていたのですか?」
「面白いから。殺人未遂犯を全力で追いかけたり、迷路で迷ったり、何より弟を怒らせたり笑わせたり出来るのは今のところエリザベスだけでしょ。」
「なるほど。」
「っ!?」
「あら、真っ青ね。貴方達が振りかざす、くだらない身分というのはそういう物なのでしょう?」
「そんな事ないわ!」
ルーシー様も必死ね。
「貴族に生まれた、ただそれだけ。私達はまだ、責任をもって見合った仕事をしている訳でもない。偉くも何ともないのよ。」
「私達はお友達なのよ。身分なんて関係ないわ。」
「では何故リリー様は薬を受け取れなかったのですか?手が荒れるかもしれないと薬を渡せば『受けとるな』と言っていたわ。貴族の女性は見た目も大事、それを貴女は重々承知でしょう。」
「……っ」
「愛だの恋だの言ったって、損得で考える男もいるのを知っておいた方がいいわよ。ルーシー様。では皆さん、ご退室を。」
「…リズ、悪かった。もう来ないから、このまま部屋は使ってくれ。」
「私に構わないでください。…これをリリー様に。」
渡せなかったぬり薬をセドリックに渡して、私は掃除を始めた。
フラスコも、テストチューブも、シャーレも、ビーカーも、全て割れてしまったわ。
これを集めるのが何れだけ大変か…。お金もかかってしまうし…。
オタクを披露する…
あの人達には何も通じない…。そうじゃなくて、どうでもいいのよ。私は『婚約者』という物体でしかないんだわ。
冷やかしに来て、揚げ句の果てに毒草を折られて、物を壊されて……。
この学校の空気は吐きそうよ。
・・・・
「エリザベスはどうだった?ラッド。」
「少し変わった趣味を持つ子ではありますが、私の見たところ婚約者レース独壇場ですね。」
「そうだね、頭のいい子だよ。狙って人を怒らせる事も出来るしね。それだけ人を観察してる。何より正義感が強い。身分ばかり気にしてる頭のよくない連中は相手にもしてもらえないよ。」
「ロビン様も性格が悪いですね。あの4人の粗捜しをさせつつ、確実にエリザベス様を婚約者にする方向へ進めるんですから…。」
「いい子だから信じてると思うよ。俺が弟の心配をしてるお兄様だって。」
「そこは本当でしょう?」
「そうだよ、だからこそエリザベスが婚約者になってもらわないと。そこまでが俺の完成形だよ。」
「セドリック様は『兄が王太子になるべきだ』と仰ってますよ。」
「ん~、それは駄目だね。俺の可愛い弟は、悪どい事が出来ない。政治には人たらしのずる賢い裏方が必要で、それが俺の役目だよ。」
「何故エリザベス様に目星をつけていたのですか?」
「面白いから。殺人未遂犯を全力で追いかけたり、迷路で迷ったり、何より弟を怒らせたり笑わせたり出来るのは今のところエリザベスだけでしょ。」
「なるほど。」
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