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プロローグ

転移

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「むむんんん…んぐっ…ごぼっ!」
 余りの痛みに私は腐臭のする爛れた緑の肉棒を吐き出すと悲鳴を上げた。

 何時間も繰り返された乱暴な突きで痛んだ膣奥がまた少し裂けたみたいだった。連続でぶちまけられた精液が滲みて痛む上、人外のペニスで擦り立てられ自分のものとも思えないような悲鳴を再び上げてしまう。

「ギギギ…ギャギャギャ!」
 私を取り囲んだ緑の汚らしい小鬼達が耳障りのする声であざ笑った。

「ジャガジギャギャギョポイヤ!(俺たちのちんぽはそんなにいいか?)」
 言葉そのものは分からないのに何故か意味と侮蔑の意志だけは伝わって来た。

「お!お願いもうやめて!…だ、だめになっちゃう!」
 今まで全て無視されて来た懇願だったけどにされる恐怖を感じてダメ元で私は叫ぶ。
 でも返答は右の頬に感じた激しい痛みだった。
 衝撃で一瞬頭が真っ白になる。
「ベガズズギャググフ…ドドグイ!(使い捨ての人間風情が!…もう一発!)」
 私の意志も伝わっていたみたいだったけどなんの助けにもならなかった。
 そしてすごい勢いで腹を蹴り飛ばされた私はゴロゴロと転がされてしまう。

 視界内で直前まで私を犯していた小鬼が精液と血で塗れたグロテスクなアレを立てたまんま固まっていた。それから腹を蹴り飛ばしたもっと大きな化け物を情けなさそうに見上げたのには少し笑えたけどすぐにそれどころじゃなくなった。
 酷い吐き気が込み上げて来てそれまでに何回も飲まされた胃の中の精液と小便を地面にぶちまけてしまったから。

 凄い量だった…時間から計算すると40匹分を超えている筈だ。

 ズタズタにされたアソコの痛みと吐き気で気を失いそうになったけど自分が吐き出した汚物で窒息するのは嫌だったので何とか起き上がろうとした。

 数体の化け物がニヤつきながら近付いて来る。

 少し前まで私は日本の高校の教室で授業を受けていたのに…

 ダメだ。
 それは今考えても仕方ない。

 それよりどうしよう?
 呼び掛けようか?
 もう耐えられない…

 私はこんな羽目になる元凶の事を思い返した。

「えーと、つまりですね。あなたの後世の転生体の一人が色々仕出かしたわけです」
 その事務員風の女性は窓口で振込の仕方を説明するように私に話し掛けた。そこは何処でも無い空間に浮かんだ机一つの事務所に見えた。
「…よく、分かりません」
「まあ、それは当然ですね。でも、一応説明はしなければなりませんので一通り話させて下さい」
「私、教室でケータイに小説入れてて…」
「異世界転移って言えば分かり易いでしょうか?」
「…それ私の小説のネタだけど」
「あなたにはその暴走した転生体の業のバランスを取るために別世界に転移をして…」
「…本当に何話してるの?」
 昼の教室から急にそんな場所に連れて来られて混乱した私は噛み合わない会話を続けてしまう。
 イラつきを感じる。
「もっと分か…」
「だから!これから異世界転移をして罪を償って貰うんです!あなたには!」
 どうやら向こうも表情を変えないだけでイライラしていたらしい。

 彼女は大声を上げると私を睨み付けた。
 その眼は人間のものに良く似ていたけどそこから放たれる冷酷さや威圧感はとてもそうとは思えなかった。

 私はその目に怯えてしまい黙り込んだ。
 でも罪を償うって?

「そこは地獄では有りませんがあなたに取っては辛い世界になる筈です…そう設定します」
「…」
「先ずは見た目ですね。骨格もそれ程悪く無いですし…今肉体に補正を掛けました」
「ほ、補正?」
 本当に何が起こっているのか理解出来なかった。

「美形にしたと言う事です…心配しなくてもその世界の美的基準はあなたの元の世界とほぼ同じ…つまり自分から見ても美人さんですよ」
 鏡が見当たらないので確認出来ない。
 …ただ違和感を感じて下をチラッと見るとあり得ないレベルで胸が膨らんでいた。私は警戒する様に手を胸元で組んでいたけど触れるお腹も随分とスッキリとしていた。
 膨らんだり凹んだりする動きは感じられなかった。気が付いたらそうなっていたのだ。鏡があったらもしかしたら感想は違っていたかも知れないけど全く嬉しくなかった。
 薄気味悪い違和感だけが私の身体がこうでなかった唯一の証拠だった。

「…その変化はあなたに地獄を味わって貰う為に必須ですので」
 え?…違う意味で嫌な感じがして来た。
「ど、どういうことですか?」
「あなたは女性愛者に取って種族を越えて魅力的な存在になったと言う事です。純粋な人間たちの間では歴史に残るレベル…神話的な、って言って良いくらいの美少女ですよ…国同士が奪い合うほどの」
「やめて…」
「それから不死。幾ら傷付いても自殺しようとしても必ず生き残ります。まあ死ねないだけなんですが」
「だから」
「それじゃ可哀想なので治癒の権能も付けましょう。せっかくの美しさが馬鹿な行動で失われては勿体ないですからね。あなたが興奮して分泌する体液は治癒と浄化の力を持ちます…この力はバレない様に気を付けましょう。無理でしょうか?でも、何故だかはお判りだと思いますが」
「待って!分かって来たから!…絶対にダメ!お願いです!」
「…諦めて下さい。これにあなたの意志は関係ない、もう決められた事ですから」
「…いや!帰る」

 私は闇雲に駆け出した。
 彼女は呼び止めすらしなかった。

 そしてその理由は直ぐに分かった。

 闇の中に突っ込んで行っても直ぐに元の場所に戻って来てしまうのだ。
 そして何度も繰り返す内に私の心は絶望で塗り変えられて行く…

 最後に闇の中で泣き崩れる私は気を失い、そして目を覚ましやっぱり闇の中なのに絶望してうろつき回り最後に彼女の元に戻った。
 何故後世の自分とか言う訳の分からないものの為に罪を償わなければならないのか全く分からなかったけど状況のおかしさに私の心は耐えられ無くなっていた。

「う…ぐす…」
 込み上げる涙に嗚咽が止まらず私はただ机の脇に突っ立ったままになっていた。

 その姿に眉一つ動かさず彼女は業務の続きを再開する様に説明を再開した。
「最後に一つだけ設定を選択出来る様にします」
「…何を選べって言うの」
 どうせ碌な選択肢じゃないだろうと言う私の不満をたっぷり含んだ言葉のニュアンスはアッサリ無視される。

「感度ですね」
 …ぞっとした。
 本当に碌でも無かった。

「普通でいいです!」
 この存在は女性の形をしているのに全くデリカシーが感じられ無かった。思わず机を叩きながら叫んだ私を怪訝そうに見た彼女はアッサリとうなづく。
「発狂しない為の救済措置なのですがまあいいでしょう。転移してからでもこの点については設定を変更出来ますので私に呼び掛けて下さい」

 多分その世界で繰り返し酷い事をされるのだ。それでそんな奴らに感じてしまうなら逆に発狂してしまうだろう。

 …いや、でも救済措置って言う事は本当に普通じゃ耐えられないくらいなのだろうか?

 そう思い悩む内に世界が溶け始めた。
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