46 / 54
人と妖精
38話「冒険のテンプレ」
しおりを挟む
あれからしばらくして、カノンが来て私にカードを渡してきた
「ほれ、身分証だ。これがあればこの国で動けるだろ…まあ色々めんどくさかったが」
そういうカノンの表情は何処か苛立ちげだった
色々と無理をしたのだろうか
まあ私は魔物だしね、相当の無理を通したのはわかる
リサさんにはお礼を言っておこう
「嬢ちゃんはあれだ、ギルドにでも行ってきな」
「なんで?」
「なんでって…嬢ちゃん、リサとか一部には知られてるが、基本的に俺はお尋ね者だぜ?」
あ、そうか
また捕まるかもしれないのか
しかし
「なんでギルド?」
「流石にお前一人にしておくとな…ギルドにムカつく奴がいるからそいつに任せた」
嫌そうな顔をしてるところからすると、本当に嫌いみたいだ
「んー、まあすこし寄り道してもいいよね。ありがとカノン」
ロキは任せとけ、みたいな事言ってたし少しくらい大丈夫だろう
異世界のありがちなパターンを体験したくないかと言われれば違うし
やれる事ならやってみたいのが心情です
カノンなりの気遣いなのかな?
少し重かったから、有難い
素直に感謝しておこう
そんな気持ちでお礼を言えばカノンは鼻で笑って私の頭をわしゃわしゃと乱暴に撫で付け、こちらを見ないまま手を振って出て行った
さて、なら私もこの城を出てギルドとやらに行ってみよう
身分証もあるならこの城から出るのもすんなりいけるはずだ
________________________________________
さて、前に来たことのある通りまで来たんだけど何処にあるんだろうか
ギルドっていうくらいなら目立つ建物なんじゃないかと思うんだけど?
うーん、あんま人に話しかけるのって苦手なんだけど。聞くしかないか
人が何を考えてるかって考えると正直怖すぎて話しかける気すら起こらなくなるんだけどね
適当に目の前を通るオバちゃんに声を掛ける
「あ、あの、すいません」
「ああ?なんだい?」
横に広いそのオバちゃんは足を止めてこちらを向く
んー、なんだろう
近所に住む噂好きのオバちゃんって感じ
イメージは大阪
「ギルドを探してるんですけど、ちょっとわからなくて…」
「ああ、ギルド?それならそこの突き当たりを右に行ったところに目立つ建物があるから。それで分かるよ」
「あ、はい。ありがとうございます」
「ギルドねぇ…あんた若そうだし、無茶しないようにね!それじゃ!」
少し引き気味の私の肩をバシバシ叩いて人の波の中に入って行ったオバちゃん
…ふう、緊張した
何も知らない人に話しかけるのって肩に力入るよね
言われた通りにいってみると、確かにデカく描かれた文字の看板が特徴的な建物があった
鎧とか剣とか、そう言ったものを装備した人たちも建物の周りにいるし間違いなさそうだ
その光景は間違いなく私がゲームや漫画の世界で見たそれと同じで
そんな世界の中にいるのだと改めて感じ、少し嬉しかったり興奮したりする
そんな人たちを横切り、私はギルドの扉を開けた
ギィ…と木の軋む音がした
「ほれ、身分証だ。これがあればこの国で動けるだろ…まあ色々めんどくさかったが」
そういうカノンの表情は何処か苛立ちげだった
色々と無理をしたのだろうか
まあ私は魔物だしね、相当の無理を通したのはわかる
リサさんにはお礼を言っておこう
「嬢ちゃんはあれだ、ギルドにでも行ってきな」
「なんで?」
「なんでって…嬢ちゃん、リサとか一部には知られてるが、基本的に俺はお尋ね者だぜ?」
あ、そうか
また捕まるかもしれないのか
しかし
「なんでギルド?」
「流石にお前一人にしておくとな…ギルドにムカつく奴がいるからそいつに任せた」
嫌そうな顔をしてるところからすると、本当に嫌いみたいだ
「んー、まあすこし寄り道してもいいよね。ありがとカノン」
ロキは任せとけ、みたいな事言ってたし少しくらい大丈夫だろう
異世界のありがちなパターンを体験したくないかと言われれば違うし
やれる事ならやってみたいのが心情です
カノンなりの気遣いなのかな?
少し重かったから、有難い
素直に感謝しておこう
そんな気持ちでお礼を言えばカノンは鼻で笑って私の頭をわしゃわしゃと乱暴に撫で付け、こちらを見ないまま手を振って出て行った
さて、なら私もこの城を出てギルドとやらに行ってみよう
身分証もあるならこの城から出るのもすんなりいけるはずだ
________________________________________
さて、前に来たことのある通りまで来たんだけど何処にあるんだろうか
ギルドっていうくらいなら目立つ建物なんじゃないかと思うんだけど?
うーん、あんま人に話しかけるのって苦手なんだけど。聞くしかないか
人が何を考えてるかって考えると正直怖すぎて話しかける気すら起こらなくなるんだけどね
適当に目の前を通るオバちゃんに声を掛ける
「あ、あの、すいません」
「ああ?なんだい?」
横に広いそのオバちゃんは足を止めてこちらを向く
んー、なんだろう
近所に住む噂好きのオバちゃんって感じ
イメージは大阪
「ギルドを探してるんですけど、ちょっとわからなくて…」
「ああ、ギルド?それならそこの突き当たりを右に行ったところに目立つ建物があるから。それで分かるよ」
「あ、はい。ありがとうございます」
「ギルドねぇ…あんた若そうだし、無茶しないようにね!それじゃ!」
少し引き気味の私の肩をバシバシ叩いて人の波の中に入って行ったオバちゃん
…ふう、緊張した
何も知らない人に話しかけるのって肩に力入るよね
言われた通りにいってみると、確かにデカく描かれた文字の看板が特徴的な建物があった
鎧とか剣とか、そう言ったものを装備した人たちも建物の周りにいるし間違いなさそうだ
その光景は間違いなく私がゲームや漫画の世界で見たそれと同じで
そんな世界の中にいるのだと改めて感じ、少し嬉しかったり興奮したりする
そんな人たちを横切り、私はギルドの扉を開けた
ギィ…と木の軋む音がした
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
【完結】魔王になった私を助けようと勇者になって来てくれた君の記憶を取り戻すため、勇者の使命を魔王の身体で果たすことになってしまったのだが
夜炎伯空
ファンタジー
大好きだった君と永遠に逢えなくなった世界に絶望し、私は自ら命を絶ってしまった。
その後、異世界の魔王に転生してしまった私は、自らの意思とは関係なく人々を苦しめ続けていた――
きっと、この悪夢は自ら命を絶ってしまった私への罰……
そう思っていたのに、君は勇者となって傷だらけになりながらも、私のところへ来てくれた――
魔王となってしまった私が、エンシェントドラゴン、ユニコーン、オーガの擬人化した幻獣達と共に、女神に託された勇者の使命を代わりに果たしていくという奇想天外な異世界ファンタジー。
異世界で始める吸血鬼の魔族ライフ~チート勇者共を撲滅せよ~
よっしー
ファンタジー
ごく普通の高校生だった主人公はある日謎の老人から異世界へ飛ばされる。
しかし、他に異世界に飛ばされた人間はほぼ全員がチート級の力を持った勇者になったにも関わらず、なぜか彼だけは人間の敵である【吸血鬼】として生まれ変わっていた。
その世界で彼が見たのは経験値や武器のために殺される仲間達、そして自分を殺そうと襲い掛かってくる転生勇者。
同じ魔族が人間によって殺されていく中で彼は吸血鬼として、6大魔王の一人としてある決意をする。
魔族らしく、吸血鬼らしく、勇者共を滅ぼしてやる──
これは勇者達の撲滅と一族の復興を誓ったある魔族の日常と戦いを書いた物語。
※主人公は人間から見れば多分相当クズです。人間相手には全く容赦ありません。
※中盤以降から段々シリアス展開にしていく予定です。
※なろうの方でも更新中
転生して吸血鬼になったけれども毎日のんびり生活しています
Ray
ファンタジー
神様の手違いで死んでしまった日本人の卯月 桜。その償いにと異世界に転生する。毎日のんびり(?)な生活を送る。
*何でも許せる広い心を持つ人向け
*誤字、脱字が多いかも…
*暗いところは読む方によってですが、とことん暗いと思います
*時々別シリーズの人達が出てきます
吸血鬼が異世界転生したら普通に馴染んだ
弾圧される民
ファンタジー
かつて一国を恐怖に陥れた伝説の吸血鬼、ラグザ・アルマードは、山奥の古城に身を潜め静かな隠居生活をしていた。世のすべてに飽いた彼は新たなる刺激を求め、無駄に従順な妹と共に異世界へと向かうのだった。
転生吸血鬼はチートでスローライフを送りたい!
月雨さくら
ファンタジー
神様の手違いで死んでしまった卯月春風は、RPG風の異世界に転生することになった!
「こうなったら、『自由気ままにスローライフをおくる!』という夢を叶えてやる!」と意気込む春風だったが…
魔王になっちゃった!?
チート能力のせいで騎士団に!?
団長に溺愛されてる!?
なかなかスローライフにたどりつけない春風が、スローライフをおくるために頑張るお話。
奴隷吸血鬼の世界旅行〜転生したら最底辺奴隷スタートだったので見返して金に物言わせまくってやる〜
しゃる
ファンタジー
「それさえも、私からしたらどうでもよかった」
自分が陰口を言わている事さえ、気にかけてくれている家族にさえ興味が無く、無関心な少女が、偶然が必然かトラックに轢かれる。
少女はただ周りに居合わせた人間が事故現場を面白がり、写真を撮るばかりの現世にも大して興味を示せないまま、異世界へと転生する。
「私、もしかして檻の中なの⋯⋯?」
異世界転生した先はまさかの檻の中、「奴隷」でしかも「吸血鬼」だと言うことに気付いた少女。
奴隷時代を過ごした彼女は、自分を助けてくれた天使に、エルノアと名付けらた。
金さえあれば人身売買すら容易く出来てしまう異世界で、「私もお金さえあれば自由に生きられる」、そう思った彼女は世界へと旅立っていく。
ヴァンパイア リインカネーション〜吸血鬼に転生したので自由に過ごしたい〜
代永 並木
ファンタジー
今までの人生を後悔しながら死んだ少年は転生を機会を与えられ『人間以外』を条件に転生をする
転生したのは話に聞いた通り異世界で自分の姿は吸血鬼の少女であった
吸血鬼は最高クラスの種族で現在不老不死とされているらしくチート級の力を持っていたが転生後に彼が決めた生き方は……吸血鬼の長い寿命を使って自由に過ごす事だったがそれを許さないかのように次々と事件や問題が降りかかる
異世界転移の特典はとんでも無いチートの能力だった。俺はこの能力を極力抑えて使わないと、魔王認定されかねん!
アノマロカリス
ファンタジー
天空 光(てんくう ひかる)は16歳の時に事故に遭いそうな小学生の女の子を救って生涯に幕を閉じた。
死んでから神様の元に行くと、弟が管理する世界に転生しないかと持ち掛けられた。
漫画やゲーム好きで、現実世界でも魔法が使えないかと勉強をして行ったら…偏った知識が天才的になっていたという少年だった。
そして光は異世界を管理する神の弟にあって特典であるギフトを授けられた。
「彼に見合った能力なら、この能力が相応しいだろう。」
そう思って与えられた能力を確認する為にステータスを表示すると、その表示された数値を見て光は吹き出した。
この世界ではこのステータスが普通なのか…んな訳ねぇよな?
そう思って転移先に降り立った場所は…災害級や天災級が徘徊する危険な大森林だった。
光の目の前に突然ベヒーモスが現れ、光はファイアボールを放ったが…
そのファイアボールが桁違いの威力で、ベヒーモスを消滅させてから大森林を塵に変えた。
「異世界の神様は俺に魔王討伐を依頼していたが、このままだと俺が魔王扱いされかねない!」
それから光は力を抑えて行動する事になる。
光のジョブは勇者という訳では無い。
だからどんなジョブを入手するかまだ予定はないのだが…このままだと魔王とか破壊神に成りかねない。
果たして光は転移先の異世界で生活をしていけるのだろうか?
3月17日〜20日の4日連続でHOTランキング1位になりました。
皆さん、応援ありがとうございました.°(ಗдಗ。)°.
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる