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吸血鬼
第24話「らしくない自分」
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「そうかな?私じゃあんま分からないんだけど」
そう言って月を見上げる
この世界の法則とか知らないけど、夜は普通に月が出るし星も見える
前の世界と同じだ
「嬢ちゃん、あんま考えても仕方ないぜ」
「何が?」
「前と違う所を探したところで変わっている自分が目立つだけだ、意味なんかありゃしない」
私の考えてた事がバレてら
そんな顔に出てるのかなぁ
「どんだけ嘆いたって今は変わらん、なら残ってるものだけでも残すようにすりゃいい…勿体無いぜ、それを消すのは」
そうだなぁ…人間の心だけが残されてる
あとは記憶か
前の世界でも病気か何かでそんなものがあったな、性同一性障害だったかな?
心と体が一致しない病気
今の私もそれに近いのかもね
心は人間のまま、でも体は吸血鬼だ
そのズレが私を苛む
「…なるほどね、それが原因なのかもな」
ん?どういう事?
「嬢ちゃんが前言ってた自分が自分でなくなる感覚。それって心が体に引っ張られてるんじゃないかね」
なるほど、確かにそう言えるかも
「だが、俺はそれならやる様はあると思うぜ?心が体に引っ張られてるとするならその逆もまたあるって事だ」
つまり心が体を引っ張る?
人間になろうとするって事なのかな
「現実的に見たら無理だけどな?まあここは異世界だ、そんな出鱈目があっても驚かん」
ふむふむ
「まあなんにせよ、人間を捨てるなんて勿体無い事するなよ。人が人間らしさを失ったらそれは獣と変わりない」
…
「後はそのひでぇ顔をなんとかしとけ、女の涙なんて見たいものじゃない」
そう言ってカノンは自分が被っていた
帽子を雑に私に被せる
おっさん臭い…
「そう言うなよ、カッコいい男には帽子がよく似合うもんだ。嬢ちゃんも帽子が似合う様に頑張れ」
チャオ、と捨て台詞を残して
カノンは何処かに行った
もしかして、私励まされてたのかな?
一度落ち着かせる為に深呼吸をする
外の冷たい空気が体の中に流れていくのを感じる
うん、落ち着いた
今日も空は綺麗だ
夜空はそんな私を励ます様に輝いていた
そう言って月を見上げる
この世界の法則とか知らないけど、夜は普通に月が出るし星も見える
前の世界と同じだ
「嬢ちゃん、あんま考えても仕方ないぜ」
「何が?」
「前と違う所を探したところで変わっている自分が目立つだけだ、意味なんかありゃしない」
私の考えてた事がバレてら
そんな顔に出てるのかなぁ
「どんだけ嘆いたって今は変わらん、なら残ってるものだけでも残すようにすりゃいい…勿体無いぜ、それを消すのは」
そうだなぁ…人間の心だけが残されてる
あとは記憶か
前の世界でも病気か何かでそんなものがあったな、性同一性障害だったかな?
心と体が一致しない病気
今の私もそれに近いのかもね
心は人間のまま、でも体は吸血鬼だ
そのズレが私を苛む
「…なるほどね、それが原因なのかもな」
ん?どういう事?
「嬢ちゃんが前言ってた自分が自分でなくなる感覚。それって心が体に引っ張られてるんじゃないかね」
なるほど、確かにそう言えるかも
「だが、俺はそれならやる様はあると思うぜ?心が体に引っ張られてるとするならその逆もまたあるって事だ」
つまり心が体を引っ張る?
人間になろうとするって事なのかな
「現実的に見たら無理だけどな?まあここは異世界だ、そんな出鱈目があっても驚かん」
ふむふむ
「まあなんにせよ、人間を捨てるなんて勿体無い事するなよ。人が人間らしさを失ったらそれは獣と変わりない」
…
「後はそのひでぇ顔をなんとかしとけ、女の涙なんて見たいものじゃない」
そう言ってカノンは自分が被っていた
帽子を雑に私に被せる
おっさん臭い…
「そう言うなよ、カッコいい男には帽子がよく似合うもんだ。嬢ちゃんも帽子が似合う様に頑張れ」
チャオ、と捨て台詞を残して
カノンは何処かに行った
もしかして、私励まされてたのかな?
一度落ち着かせる為に深呼吸をする
外の冷たい空気が体の中に流れていくのを感じる
うん、落ち着いた
今日も空は綺麗だ
夜空はそんな私を励ます様に輝いていた
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