双子の冒険者

「くっそぉー!!」
(また俺の負けかよ)

「まぁっ!このお姉さまに勝てる訳ないじゃないの」

姉だからって威張りやがって・・・
ちくしょー、見てろよ吹雪!
絶対お前より凄い魔法使いになってやるからな!

「ほら、ボサッとしてないで帰るわよ焔」

「わってるよ!」
(イテテテテテ...うわ...足が縺れた...)

「全く仕方ないわね・・・」

「わぁ!何すんだ!」

「仕方ないからこのお姉様がね♪」

だからっておぶってくれなくても・・・もう11なんだぞ。

「焔、風邪でも引いたかしら」

「ひいてねぇーよ」

「今日は大人しいからね、お姉様に甘える年頃なのかしら?」

「んなんじゃねーし・・・バカ姉貴」

俺たちは、この流星村に住む双子の兄弟だ。

でもって、父ちゃんは武器屋で母ちゃんが道具屋をやっている。

地元ではちょっと有名な家族で幸せな家庭を築いている。

まあ、俺より早く生まれた吹雪は俺の姉で何時も姉面して弟扱いする事がお困り事なんだ。

「ねぇ?焔、本当に防衛騎士団に志願するの?」

防衛騎士団とは村を守る組織で、勇者がほとんど絶滅したこの世界では、村を守るために必要とされているのだ。

「ああ!俺のスゲー力でこの村を守ってやる!」

「言うわね!口だけで言うけど、そんな甘くは無いのよ?」

「うっせー!吹雪が出来るなら俺にだって」

吹雪は9の時に入団して、今では副団長として活躍している。

俺と年が同じなのに、コイツは先をあっさり行きやがる。

素直に姉を認めてたいが、俺の男心もあって、それに今更って感じだ。

吹雪はスゲー奴だよ。
そんな姉を俺は嫉妬しながらも愛している。
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,459 位 / 193,459件 ファンタジー 44,443 位 / 44,443件

あなたにおすすめの小説

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

美しい姉と痩せこけた妹

サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――

番を辞めますさようなら

京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら… 愛されなかった番 すれ違いエンド ざまぁ ゆるゆる設定

拝啓、私を追い出した皆様 いかがお過ごしですか?私はとても幸せです。

香木あかり
恋愛
拝啓、懐かしのお父様、お母様、妹のアニー 私を追い出してから、一年が経ちましたね。いかがお過ごしでしょうか。私は元気です。 治癒の能力を持つローザは、家業に全く役に立たないという理由で家族に疎まれていた。妹アニーの占いで、ローザを追い出せば家業が上手くいくという結果が出たため、家族に家から追い出されてしまう。 隣国で暮らし始めたローザは、実家の商売敵であるフランツの病気を治癒し、それがきっかけで結婚する。フランツに溺愛されながら幸せに暮らすローザは、実家にある手紙を送るのだった。 ※複数サイトにて掲載中です

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~

山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」 母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。 愛人宅に住み屋敷に帰らない父。 生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。 私には母の言葉が理解出来なかった。

それぞれのその後

京佳
恋愛
婚約者の裏切りから始まるそれぞれのその後のお話し。 ざまぁ ゆるゆる設定

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。

あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?

水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが… 私が平民だとどこで知ったのですか?

処理中です...