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第三章 才能無しの魔法使い
32 悪くはなかったよ
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無双無双無双無双無双無双。
手も足も出ないとはまさにこの事。マーリの放つスキル【ファイアショット】は威力こそ低いものの、的確にリザードマンの魔力核を撃ち抜いていった。
五体目を灰に変え、六体目に再び【ファイアショット】を放ったマーリ。しかし、その攻撃は当たる直前、リザードマンが回避した。
「すみません!!抑えつけられませんでした!」
クレアのスキルが破られたのだ。自分達を縛っていた、大地の縄を引き千切り、リザードマン達は自由の身となる。
リザードマンはジリジリと少しづつ後退していた。先程まで敵意まるだしでこちらを睨んでいた瞳には、僅かだが恐れが見え始めている。この変化はかなり大きなアドバンテージとなる。
「十分だクレア。数を減らせた上に、アイツ達はすっかりこっちにビビってやがる」
「でもルル姉、ここからどうするの?警戒度も上がってるし、多分クレアのスキルは読まれるんじゃ……」
「一、二体ならアタシの【ブリューナク】でなんとかなる。残りはオマエの仕事だタクト」
なんて無茶振り。僕はどれだけ高く見積もられているのだろう。
視線をリザードマン達に戻す。リザードマン達は恐怖こそしているものの、戦意を失った訳じゃなさそうだ。まだまだこちらに挑む気でいる。
僕はマーリに尋ねた。
「マーリ。スキルは後何発くらい撃てそう?」
「不思議な感じだ。撃とうと思えば何発でもいける。しかし私の【ファイアショット】では目視で避けられてしまうぞ」
「そこは……僕がなんとかする。クレアももう一度スキルの準備をしておいて」
「…わかりました」
クレアはスキルが主な戦闘方法となる。確かに強力なスキルだが、リザードマンの様に瞬発力に優れる魔物が相手だと少々分が悪い。初撃の様にリザードマンが油断してくれているなら話は別だが、どうやらそれは望めないみたいだしね。
「ところでマーリ。出来る出来ないで答えてほしい質問があるのだけれど」
「なんだ?」
「君は【観察の勇者】なんだよね。じゃあ、魔物を観察する事でその魔物の次の行動も読み取れたりとか出来たりするのかな?」
「出来る」
マーリは力強く即答した。その反応に僕も笑顔で頷き返す。今のやり取りでマーリは察してくれた様だ。
クレアのスキルが避けられてしまうならば避けられなくしてしまえばいいだけの事。マーリが次の行動が読めるならば、クレアにその位置を伝えて、予めそこにクレアのスキルを発動させるのだ。
だが、マーリがリザードマンの行動を予測出来る様になるには、観察する時間がいる。なら僕の仕事は時間稼ぎって訳だ。
輝石を握って意識を集中させる。
勇者像を頭に思い浮かべる。
今の僕に必要なのは、あのリザードマン達と渡りあえる速さだ。
速さを、僕に、くれ。
その瞬間、輝石が今まで以上に光を放つ。そして、まるで意識が切り替わった様な感覚に襲われる。けれどそれは決して不快なものなんかじゃない。僕は今、【可能性の勇者】から、人類最古の勇者が一人━━━━【素早さの勇者】へとなったのだ。
ハイスキル【勇者招来】。
僕のありとあらゆる可能性を実現させる、僕の代名詞と呼ぶべきハイスキル。そのハイスキルは今、二千年以上の時を超え、僕に勇者の性能を付与させていた。
フッ、と短い息を吐くと同時に突撃。一瞬にしてリザードマン達の前に踊り出る。
自分達以上の速度をもって突っ込んできた人間に対し、リザードマン達は驚きで硬直する。だがそれも長くは続かない。すぐさま意識を切り替えて、僕に鋭い鉤爪を振り下ろしてきた。
それらを全て紙一重で躱していく。別に格好をつけている訳じゃないんだ。確かに今の僕は【素早さの勇者】と同等の性能を得てはいる。けれどそれは素早さが上がるだけで動体視力は上昇していない。
結局、避けるのに一生懸命なのだ。
割りとスレスレを通り過ぎていく鉤爪にヒヤリと冷たい汗を背中に感じながら、振り下ろしの隙を逃さず蹴りを腹部に叩き込む。これで正面の一体は飛ばした。
けれどリザードマン達は他にもいる。先程マーリが五体程、灰に変えてくれたとは言え、まだ後十五体は健在なのだ。そいつらの敵意を僕は一身に受けている。
そんな状態に怖がらない僕じゃないのは当たり前なんだけれど、今は圧倒的な速さをもって無理矢理にでも足を動かす。
背中を片手剣で斬りつける。これは勿論、鱗によって弾かれた。次は脇腹を斬りつける。これは腕で防がれる。今度は脚部を斬りつける。胴体を。頭部を。尾部を。何度も、何度も僕はリザードマン相手に一人で立ち回ってみせる。
しかし、それは唐突に終わる。気がつけば僕はリザードマン達に囲まれていたのだ。全てのリザードマンの視線は中央の僕へと注がれている。ジリジリと包囲網を狭めていき、グッと足に力が込められたのがわかった。
「「「シャアアアア!!」」」
リザードマン達は一斉に僕に向かって飛びかかってくる。流石にこれは対象出来ない━━━━!そう思って目を瞑ったその時、
「もう十分だ!タクト、よくやった!」
「【慈愛の名の元に】!!」
僕の足元から、無数にも思える縄が出現した。それらは今にも僕も襲わんとしていたリザードマン達を縛り上げてみせる。ビタッ!と空中で不格好に動きを止められるリザードマン達。しかしその中の一体は、なんとクレアのスキルを偶然にも避けていた。
僕に全速力で近づき、その鉤爪を振り上げる。
「【ブリューナク】」
しかし、そこから先は行動に移すことが出来なかった。光と見間違える程の速度で飛来する槍がリザードマンの頭部を吹き飛ばしていたのだ。
バチャっと僕の顔に鮮血が降り注ぐ。しかし魔力核は別の位置にあったのか。頭部を吹き飛ばされたリザードマンは修復を始めようとしていた。
頭部が吹き飛んで残された胴体。首のあったその位置にキラリと光る黒色の岩石の様な核を僕は見つけた。それに片手剣を振り下ろす。今度こそリザードマンは絶命した。
◆◆◆
クレアのスキルで縛ったリザードマン達は、ルル姉とマーリのスキルにより全滅させられた。依頼を達成した僕達はマジナルの街へと帰還中だ。
「それにしても焦らされたものだ。まさかリザードマンと闘う事になるとはな」
「でも良かっただろ?実戦経験は積めたし、魔法……とは少し違うがスキルも使えたしよ」
無傷だけど、疲労困憊といった様子のマーリにルル姉は笑いながら肩を叩く。マーリのその表情に浮かぶのは、疲労は勿論だが、それ以上に達成感に満ちていた。
「まぁ……悪くはなかったな」
マーリは照れくさそうに明後日の方向を向いてモノクルの位置を調整する。頬が少し赤いのは気のせいじゃないだろう。まぁそれを指摘するほど僕は嫌な人間じゃない。
朝にマジナルの街に到着して、もう夕方に差し掛かろうとしていた。茜色に染まる空を仰ぎつつ、僕達は四人並んで街へと帰還した。
手も足も出ないとはまさにこの事。マーリの放つスキル【ファイアショット】は威力こそ低いものの、的確にリザードマンの魔力核を撃ち抜いていった。
五体目を灰に変え、六体目に再び【ファイアショット】を放ったマーリ。しかし、その攻撃は当たる直前、リザードマンが回避した。
「すみません!!抑えつけられませんでした!」
クレアのスキルが破られたのだ。自分達を縛っていた、大地の縄を引き千切り、リザードマン達は自由の身となる。
リザードマンはジリジリと少しづつ後退していた。先程まで敵意まるだしでこちらを睨んでいた瞳には、僅かだが恐れが見え始めている。この変化はかなり大きなアドバンテージとなる。
「十分だクレア。数を減らせた上に、アイツ達はすっかりこっちにビビってやがる」
「でもルル姉、ここからどうするの?警戒度も上がってるし、多分クレアのスキルは読まれるんじゃ……」
「一、二体ならアタシの【ブリューナク】でなんとかなる。残りはオマエの仕事だタクト」
なんて無茶振り。僕はどれだけ高く見積もられているのだろう。
視線をリザードマン達に戻す。リザードマン達は恐怖こそしているものの、戦意を失った訳じゃなさそうだ。まだまだこちらに挑む気でいる。
僕はマーリに尋ねた。
「マーリ。スキルは後何発くらい撃てそう?」
「不思議な感じだ。撃とうと思えば何発でもいける。しかし私の【ファイアショット】では目視で避けられてしまうぞ」
「そこは……僕がなんとかする。クレアももう一度スキルの準備をしておいて」
「…わかりました」
クレアはスキルが主な戦闘方法となる。確かに強力なスキルだが、リザードマンの様に瞬発力に優れる魔物が相手だと少々分が悪い。初撃の様にリザードマンが油断してくれているなら話は別だが、どうやらそれは望めないみたいだしね。
「ところでマーリ。出来る出来ないで答えてほしい質問があるのだけれど」
「なんだ?」
「君は【観察の勇者】なんだよね。じゃあ、魔物を観察する事でその魔物の次の行動も読み取れたりとか出来たりするのかな?」
「出来る」
マーリは力強く即答した。その反応に僕も笑顔で頷き返す。今のやり取りでマーリは察してくれた様だ。
クレアのスキルが避けられてしまうならば避けられなくしてしまえばいいだけの事。マーリが次の行動が読めるならば、クレアにその位置を伝えて、予めそこにクレアのスキルを発動させるのだ。
だが、マーリがリザードマンの行動を予測出来る様になるには、観察する時間がいる。なら僕の仕事は時間稼ぎって訳だ。
輝石を握って意識を集中させる。
勇者像を頭に思い浮かべる。
今の僕に必要なのは、あのリザードマン達と渡りあえる速さだ。
速さを、僕に、くれ。
その瞬間、輝石が今まで以上に光を放つ。そして、まるで意識が切り替わった様な感覚に襲われる。けれどそれは決して不快なものなんかじゃない。僕は今、【可能性の勇者】から、人類最古の勇者が一人━━━━【素早さの勇者】へとなったのだ。
ハイスキル【勇者招来】。
僕のありとあらゆる可能性を実現させる、僕の代名詞と呼ぶべきハイスキル。そのハイスキルは今、二千年以上の時を超え、僕に勇者の性能を付与させていた。
フッ、と短い息を吐くと同時に突撃。一瞬にしてリザードマン達の前に踊り出る。
自分達以上の速度をもって突っ込んできた人間に対し、リザードマン達は驚きで硬直する。だがそれも長くは続かない。すぐさま意識を切り替えて、僕に鋭い鉤爪を振り下ろしてきた。
それらを全て紙一重で躱していく。別に格好をつけている訳じゃないんだ。確かに今の僕は【素早さの勇者】と同等の性能を得てはいる。けれどそれは素早さが上がるだけで動体視力は上昇していない。
結局、避けるのに一生懸命なのだ。
割りとスレスレを通り過ぎていく鉤爪にヒヤリと冷たい汗を背中に感じながら、振り下ろしの隙を逃さず蹴りを腹部に叩き込む。これで正面の一体は飛ばした。
けれどリザードマン達は他にもいる。先程マーリが五体程、灰に変えてくれたとは言え、まだ後十五体は健在なのだ。そいつらの敵意を僕は一身に受けている。
そんな状態に怖がらない僕じゃないのは当たり前なんだけれど、今は圧倒的な速さをもって無理矢理にでも足を動かす。
背中を片手剣で斬りつける。これは勿論、鱗によって弾かれた。次は脇腹を斬りつける。これは腕で防がれる。今度は脚部を斬りつける。胴体を。頭部を。尾部を。何度も、何度も僕はリザードマン相手に一人で立ち回ってみせる。
しかし、それは唐突に終わる。気がつけば僕はリザードマン達に囲まれていたのだ。全てのリザードマンの視線は中央の僕へと注がれている。ジリジリと包囲網を狭めていき、グッと足に力が込められたのがわかった。
「「「シャアアアア!!」」」
リザードマン達は一斉に僕に向かって飛びかかってくる。流石にこれは対象出来ない━━━━!そう思って目を瞑ったその時、
「もう十分だ!タクト、よくやった!」
「【慈愛の名の元に】!!」
僕の足元から、無数にも思える縄が出現した。それらは今にも僕も襲わんとしていたリザードマン達を縛り上げてみせる。ビタッ!と空中で不格好に動きを止められるリザードマン達。しかしその中の一体は、なんとクレアのスキルを偶然にも避けていた。
僕に全速力で近づき、その鉤爪を振り上げる。
「【ブリューナク】」
しかし、そこから先は行動に移すことが出来なかった。光と見間違える程の速度で飛来する槍がリザードマンの頭部を吹き飛ばしていたのだ。
バチャっと僕の顔に鮮血が降り注ぐ。しかし魔力核は別の位置にあったのか。頭部を吹き飛ばされたリザードマンは修復を始めようとしていた。
頭部が吹き飛んで残された胴体。首のあったその位置にキラリと光る黒色の岩石の様な核を僕は見つけた。それに片手剣を振り下ろす。今度こそリザードマンは絶命した。
◆◆◆
クレアのスキルで縛ったリザードマン達は、ルル姉とマーリのスキルにより全滅させられた。依頼を達成した僕達はマジナルの街へと帰還中だ。
「それにしても焦らされたものだ。まさかリザードマンと闘う事になるとはな」
「でも良かっただろ?実戦経験は積めたし、魔法……とは少し違うがスキルも使えたしよ」
無傷だけど、疲労困憊といった様子のマーリにルル姉は笑いながら肩を叩く。マーリのその表情に浮かぶのは、疲労は勿論だが、それ以上に達成感に満ちていた。
「まぁ……悪くはなかったな」
マーリは照れくさそうに明後日の方向を向いてモノクルの位置を調整する。頬が少し赤いのは気のせいじゃないだろう。まぁそれを指摘するほど僕は嫌な人間じゃない。
朝にマジナルの街に到着して、もう夕方に差し掛かろうとしていた。茜色に染まる空を仰ぎつつ、僕達は四人並んで街へと帰還した。
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