19 / 26
運命の日
しおりを挟む
リリス様も帰国されたと噂になり、帰国報告と王太子妃教育の開始を発表する場に呼ばれました。
私は腹を括るしかありませんね……、エランはうすうす勘づいているかもしれませんが、何も言わない所を見ると私の好きなようにさせてくれるみたいですね。
大広間に貴族家当主夫妻と次期当主が集まり、両陛下や王太子様、宰相がくるのを待ちます。
ヒソヒソと囁かれてますが、私は気にしないことにしました。
「リリス嬢も帰国したし、王太子妃の宣言があるのかしら?」
「どうでしょうね……アリス様もお気の毒さまですわね。」
数分後、両陛下や王太子様がやってきました。
「皆の者、待たせたな。さて今日集まってもらったのは、知ってる者もいるかもしれないが、リリス嬢が王太子妃教育を受けるための条件をクリアしたから、近く王太子妃教育を開始することに決定した。」
それを聞いた人達はザワザワしました。
「まさか、あのリリス嬢が留学生活を終えたのか?逃げ出すと思ってたのにな。」
「アリス様はどうなるのでしょうかね?」
「静粛に!!」
「リリス嬢の王太子妃教育についてだが、アリス嬢にも講師としてお願いしたい。」
私は顔が引き攣りましたわ……私にリリス様の王太子妃教育をしろとは私を蔑ろにしてるのでしょうか?
「アリス様、私も王太子妃になりたいのでいろいろ教えてください。一緒に王太子様を支えましょうね。」
「そうだな、アリスもこれまで王太子妃教育を受けてきたんだし、無駄にならずに済むから良かったじゃないか。」
どこまでも私を馬鹿になさるんですね……もういいですわ。
「あーははははは。」
「何がそんなにおかしいんだ?」
「はぁ……つくづく王太子様やリリス様には呆れましたわ。そんなに私を馬鹿にしたいのですか?リリス様は王太子妃教育をするのは構いませんが、どうして私が教えないといけないのでしょうか?我が国は一夫一妻でしょうに、リリス様が王太子妃になればよろしいじゃありませんか。」
「そうだが、アリス嬢は王太子妃教育を終了してるし、国家機密を知ってるから王太子妃になるしかないのだ。」
「リリス様は王太子妃教育をうけて、王太子妃になる覚悟はありますか?」
「もちろんあります。」
「なら、私が消えれば問題ありませんね、リリス様も覚悟して王太子妃教育頑張ってくださいね。何があっても頑張ってくださいね。」
そう言ってから私は胸元から小瓶を取り出し、飲み干しました。
「……ごふっ……私は…いなく……なります……っ……。」
視界が狭くなり真っ白になっていきます……。
「いやああぁぁぁぁぁぁ……。」
「アリス姉っ……どうして……。」
エランとアリスの母が駆け寄り、息を引き取ったアリスを抱きしめました。
「どうしてアリス姉が死ななければならないんだ!!リリス嬢が王太子妃になりたいとか言わなければ良かったんだ!!」
「アリス姉を犠牲にしたんだからちゃんと王太子妃になれよ!!」
「そ、そんな……どうして……。」
「これから、リリス嬢やら王太子妃になって苦労しても、我が家は支援しないし、王家にはつかないからな!!アリス姉も連れて帰りたいし葬儀があるからもう失礼させてもらう。」
大広間は静まり返り、呆然状態です。
「あー、今日はこれで解散とする。また追って知らせる。」
私は腹を括るしかありませんね……、エランはうすうす勘づいているかもしれませんが、何も言わない所を見ると私の好きなようにさせてくれるみたいですね。
大広間に貴族家当主夫妻と次期当主が集まり、両陛下や王太子様、宰相がくるのを待ちます。
ヒソヒソと囁かれてますが、私は気にしないことにしました。
「リリス嬢も帰国したし、王太子妃の宣言があるのかしら?」
「どうでしょうね……アリス様もお気の毒さまですわね。」
数分後、両陛下や王太子様がやってきました。
「皆の者、待たせたな。さて今日集まってもらったのは、知ってる者もいるかもしれないが、リリス嬢が王太子妃教育を受けるための条件をクリアしたから、近く王太子妃教育を開始することに決定した。」
それを聞いた人達はザワザワしました。
「まさか、あのリリス嬢が留学生活を終えたのか?逃げ出すと思ってたのにな。」
「アリス様はどうなるのでしょうかね?」
「静粛に!!」
「リリス嬢の王太子妃教育についてだが、アリス嬢にも講師としてお願いしたい。」
私は顔が引き攣りましたわ……私にリリス様の王太子妃教育をしろとは私を蔑ろにしてるのでしょうか?
「アリス様、私も王太子妃になりたいのでいろいろ教えてください。一緒に王太子様を支えましょうね。」
「そうだな、アリスもこれまで王太子妃教育を受けてきたんだし、無駄にならずに済むから良かったじゃないか。」
どこまでも私を馬鹿になさるんですね……もういいですわ。
「あーははははは。」
「何がそんなにおかしいんだ?」
「はぁ……つくづく王太子様やリリス様には呆れましたわ。そんなに私を馬鹿にしたいのですか?リリス様は王太子妃教育をするのは構いませんが、どうして私が教えないといけないのでしょうか?我が国は一夫一妻でしょうに、リリス様が王太子妃になればよろしいじゃありませんか。」
「そうだが、アリス嬢は王太子妃教育を終了してるし、国家機密を知ってるから王太子妃になるしかないのだ。」
「リリス様は王太子妃教育をうけて、王太子妃になる覚悟はありますか?」
「もちろんあります。」
「なら、私が消えれば問題ありませんね、リリス様も覚悟して王太子妃教育頑張ってくださいね。何があっても頑張ってくださいね。」
そう言ってから私は胸元から小瓶を取り出し、飲み干しました。
「……ごふっ……私は…いなく……なります……っ……。」
視界が狭くなり真っ白になっていきます……。
「いやああぁぁぁぁぁぁ……。」
「アリス姉っ……どうして……。」
エランとアリスの母が駆け寄り、息を引き取ったアリスを抱きしめました。
「どうしてアリス姉が死ななければならないんだ!!リリス嬢が王太子妃になりたいとか言わなければ良かったんだ!!」
「アリス姉を犠牲にしたんだからちゃんと王太子妃になれよ!!」
「そ、そんな……どうして……。」
「これから、リリス嬢やら王太子妃になって苦労しても、我が家は支援しないし、王家にはつかないからな!!アリス姉も連れて帰りたいし葬儀があるからもう失礼させてもらう。」
大広間は静まり返り、呆然状態です。
「あー、今日はこれで解散とする。また追って知らせる。」
88
お気に入りに追加
857
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
どうぞ、(誰にも真似できない)その愛を貫いてくださいませ(笑)
mios
恋愛
公爵令嬢の婚約者を捨て、男爵令嬢と大恋愛の末に結婚した第一王子。公爵家の後ろ盾がなくなって、王太子の地位を降ろされた第一王子。
念願の子に恵まれて、産まれた直後に齎された幼い王子様の訃報。
国中が悲しみに包まれた時、侯爵家に一報が。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
婚約を破棄したいと言うのなら、私は愛することをやめます
天宮有
恋愛
婚約者のザオードは「婚約を破棄したい」と言うと、私マリーがどんなことでもすると考えている。
家族も命令に従えとしか言わないから、私は愛することをやめて自由に生きることにした。
【完結】あなたは知らなくていいのです
楽歩
恋愛
無知は不幸なのか、全てを知っていたら幸せなのか
セレナ・ホフマン伯爵令嬢は3人いた王太子の婚約者候補の一人だった。しかし王太子が選んだのは、ミレーナ・アヴリル伯爵令嬢。婚約者候補ではなくなったセレナは、王太子の従弟である公爵令息の婚約者になる。誰にも関心を持たないこの令息はある日階段から落ち…
え?転生者?私を非難している者たちに『ざまぁ』をする?この目がキラキラの人はいったい…
でも、婚約者様。ふふ、少し『ざまぁ』とやらが、甘いのではなくて?きっと私の方が上手ですわ。
知らないからー幸せか、不幸かーそれは、セレナ・ホフマン伯爵令嬢のみぞ知る
※誤字脱字、勉強不足、名前間違いなどなど、どうか温かい目でm(_ _"m)
幼馴染がそんなに良いなら、婚約解消いたしましょうか?
ルイス
恋愛
「アーチェ、君は明るいのは良いんだけれど、お淑やかさが足りないと思うんだ。貴族令嬢であれば、もっと気品を持ってだね。例えば、ニーナのような……」
「はあ……なるほどね」
伯爵令嬢のアーチェと伯爵令息のウォーレスは幼馴染であり婚約関係でもあった。
彼らにはもう一人、ニーナという幼馴染が居た。
アーチェはウォーレスが性格面でニーナと比べ過ぎることに辟易し、婚約解消を申し出る。
ウォーレスも納得し、婚約解消は無事に成立したはずだったが……。
ウォーレスはニーナのことを大切にしながらも、アーチェのことも忘れられないと言って来る始末だった……。
もう、愛はいりませんから
さくたろう
恋愛
ローザリア王国公爵令嬢ルクレティア・フォルセティに、ある日突然、未来の記憶が蘇った。
王子リーヴァイの愛する人を殺害しようとした罪により投獄され、兄に差し出された毒を煽り死んだ記憶だ。それが未来の出来事だと確信したルクレティアは、そんな未来に怯えるが、その記憶のおかしさに気がつき、謎を探ることにする。そうしてやがて、ある人のひたむきな愛を知ることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる