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婚約も結び終えたので、あとは別邸の用意をしたりしますわ。

領地までは1日半くらいかかりますが、馬車で行きましたわ。
別邸を建てる場所を見てから、土を均しましたわ。
柱となる木を探して来たり、家の外観を土魔法で作りましたわ、何度も焼いたり冷やしたりしたので強度はバッチリですわね。

テーブルやベッドは作りましたわ、ソファーや布団は座り心地や寝心地を確かめたりしながら買いましたわ。
ハリオット様と私は別室ですわ、初夜だけはハリオット様と同じ部屋で寝ますが、初夜は1回なので終われば、
すぐ自室に戻りますわ。

あとは3日に1回の割合でハリオット様を訪ねて閨をしますわ……避妊魔法を使いますし、朝までは一緒にいませんけどね。
ハリオット様が求めて来るかもしれないですけど、仕事を理由に拒みますわ。

ハリオット様にも魔獣や魔物狩りなどで発散して貰うように頼もうかしら。
逃げ出す可能性が高いでしょうけども。


王都の屋敷と別邸の往復をしていたら、ハリオット様から手紙が来てましたわ。
デートの誘いですかね……便箋にはキツイ匂いをつけたみたいですわね、女の子なら誰でも喜ぶと思ったのかしらね。

近くの森林公園に行くことにしましたわ。
散策ですが会話も弾みませんでしたわ、ハリオット様はモテ自慢ばかり話されますわ。
婚約前のことですから構いませんが、女の子の話しかしないのかと思いましたわ。

伯爵領に小さい魔獣や魔物が出るので、狩ったりする話を振りましたが、ハリオット様は顔を引き攣らせていましたわ。
「魔物狩りも伯爵領の仕事ですわ」と言うと、ますます蒼白になってましたわ。

「魔獣や魔物狩りはエリーナに任せるから、俺は書類仕事をする。」と言われたのですわ。

「私の側近や執事と頼みますわね、印を押すのは私がしますから。」と言うと、またもや引きつってましたわ。
お金関係の書類もありますから、ちょろまかそうと考えたのかしらね。
信用問題にも関わりますからね、側近や執事達に注意するように言いますわ。

可もなく不可もなくな感じで、デートが終わりましたわ。
ハリオット様を家まで送ってから、私は急いで帰りましたわ。

お父様とお母様に相談しましたわ。

「まだはっきりと理由は分かりませんが、ハリオット様は書類仕事をしたい、魔獣や魔物狩りは私にと言われましたわ。」

「え?書類仕事をしたい?魔獣や魔物狩りはしたくないのか。」

「伯爵領では魔獣や魔物狩りも仕事のうちですわ。と言うと引き攣られてましたわ。」

「ハリオット様は軟弱そうに見えるわね、エリーナ1人で大丈夫かしら?」

いろいろ話しましたが、様子見になりましたわ。

無事に新居となる別邸も完成したので、エドリアン侯爵家を案内しましたわ。
別邸を見ながら侯爵夫人が驚くことを話始めましたわ。
「私もこの家に住みたいからよろしくね。」

するとみんなポカーンと口を開けましたわ。

「ここはハリオットとエリーナ嬢の家なんだから、お前は住めるわけないだろ」と侯爵様が慌てて言いましたわ。
「父さんの言う通りだから、母さんも侯爵家に帰ってくれ。」とハリオット様も言いましたわ。

微妙な感じで別邸の案内が終わりましたわ。
侯爵様とお父様が話し合いをするらしいので、庭に案内して侯爵夫人とハリオット様と私とお母様でお茶会をしましたわ。

侯爵夫人からの質問攻めを回避していたら、お父様達の話し合いが終わったらしく侯爵家の方は帰られましたわ。

「侯爵家に支援金を渡すけども、爵位継承を早めるように助言してきたぞ」とお父様が言いましたわ。
「なんでも嫡男のラリオット様は優秀らしくてな、母親の思惑?にはのらずにきたらしいし、ラリオット様も結婚間近らしく侯爵当主を継承して、離れに夫人を連れて行くらしいぞ。」

「そうなんですか……ラリオット様も大変ですわね。ラリオット様の奥様はどんな感じな人なんでしょうね。」

「侯爵が言うには、強いし口達者らしくて夫人とハリオット様を黙らせてるらしいぞ。」

「まぁそうなんですの、会えるの楽しみですわね。これで侯爵家の評判も持ち直せたらいいですわね。」

新居も案内したし、結婚式当日を待つだけですわね。


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