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叔父視点

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はぁ……これで何とかなったな。
早めに弟夫婦にエリーナの養女を打診すれば良かったな……そしたらエリーナにバツをつけなくて済んだのにな。学園卒業後でいいかと悠長にしすぎたな。

妻のルビアとは学園で出会ったんだ、同じ魔法学科で成績を競いあってたが、2年生の時に俺から告白したら承諾をもらって舞い上がったんだ。
休みの日や学園終わりにお茶したり買い物したりと、デートして愛を深めていたんだが、俺のことを好きな女子生徒が、嫉妬をして男達にルビアを襲わせたんだ……。

その時の怪我が原因で、ルビアは子供ができにくくなってしまったんだ……。
落ち込んだルビアは別れようと何度も言ってきたが、俺は拒否したんだ。
「たとえ、子供ができなくても構わない、子供作るために結婚するんじゃないからな。」

それを聞いたルビアは泣き崩れたが、しばらく経てば前みたいに明るく優しいルビアに戻ったんだ。
心のキズはあるだろうけど、俺が溺愛してやるからなと決意したんだ。

俺の両親の反対にはあったが、俺の駆け落ち宣言と弟エドワードの後押しがあって認められて、結婚式を挙げたんだ。
結婚式後からは堂々とイチャイチャし、溺愛しまくったな。

結婚式前に俺は隠れて病院に行ったら、産まれつき子種が少ないって言われたんだ。あれ母さんは知らんのか?
まぁ聞いた時はショックだったけど、ルビアと弟にだけは正直に話したんだ。

「母さんには内緒にしていてくれ、産まれつきのことだから、父さんが知ったら母さんを追い出すかもしれないしな。」

「兄さんの言う通りだな、父さんは男尊女卑な考えだからな……。義姉上のことを大事にしてあげなよ。」

「え?毎日イチャイチャしてるから恥ずかしいわ。」

「今さらだろ、ルビアは可愛すぎるからな。」

「もう恥ずかしすぎる。」

ルビアが寝てから、エドワードに内緒でお願いしたんだ。

「エドワードが結婚して、子供が出来たら辺境伯に連れて来てくれないか?しばらく預かって、後継げるかみたいんだ。」
「どっちみち辺境伯にしても、エドワードが継ぐハーヴィー伯爵領でも魔獣や魔物が出るだろ?エドワードは小ウサギぐらいしか狩れないけどな。」
「養子縁組は学園卒業後でいいからさ、辺境伯領の騎士団の誰かと結婚させたらいいだろしな、小さい頃からだと、初恋もあるだろうし上手く行かなかったら学園で婚約者見つけたらいいしな。」

「分かったよ、確かに俺はウサギぐらいしか狩れないしな、女の子がいたら姪になるし、その姪が子供産んでも血縁は続くしな。」

その時は軽く考える程度だったんだ。

エドワードもオリビア嬢と結婚し、嫡男のエリックが産まれ、エリック出産後の5年後長女エリーナが産まれて、エリックもエリーナも5歳から我が辺境伯領に来て鍛えさせた。
剣や魔法だけじゃなく、マナーなども身につけさせた。

兄のエリックもエドワードそっくりで、ウサギぐらいしか狩れなかったな。
あまりにもそっくりすぎて笑いすぎたわ。
妹のエリーナは好奇心旺盛すぎて、お転婆娘になりすぎてたな。

気づいたらいなくなってて、木に登って騎士団が探してるのを上から見下ろしてたな。
エリックと産まれてくる性別を間違えたんじゃないかっていうほど男勝りで勝ち気になりすぎて淑女マナーには苦労したな。

そんなエリーナだったが、ランドールと出会ったが進展はなかったな。
傍から見れば両想いなのにな、周りが焦れてたしな。
まぁ、エリーナが学園生活するために離れたら、ランドールも自覚するだろうと楽観視してたら、エリーナが学園卒業前にやってきて、学園卒業したら婚約して結婚する話になって、内心慌ててたわ。

ランドールも蒼白だったしな、急だけどエドワードの所に転移で行き、養女の話と跡継ぎの話を進めた。
婚約、結婚はするだろうけど、相手の婚約者は素行不良だし、バツがつくけど辺境伯領では気にならないしな。

エドワードと夫人にも納得して貰えたしな、これで一安心だな。


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