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慈雨2 ☆

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 柔らかな唇を離れてから、シャーロットの唇は彼の両頬、額、鼻先、そして両目蓋へと落とされる。

「…………」

 自分の汚れきった目蓋にシャーロットの唇が訪れた時、ギルバートはえも言われぬ快楽を感じる。そしてそれは、直接的に彼の下肢へと通じるのだった。

「……シャル、君がほしい」

「はい」

 ギルバートの両手がシャーロットの胸を優しく揉み、指先がスリスリと先端をこする。

「んっ……」

「ところで……。怖くて聞けなかったのだが、男たちに……。乱暴はされたのだろうか?」

 ポツリと落とすように言ってから、ギルバートはチュウッとシャーロットの首筋に吸い付いた。

 自らの不安を打ち消すような強い吸い付きに、シャーロットはジンと下腹部を熱くさせた。

 誰もが恐れる死神元帥が、自分の無事を思って『怖い』と思ってくれている。特別な人に特別扱いされる愉悦が、とろりとシャーロットの胸をとろかす。

「あっ……、だ、大丈夫です。わたし、ずっと気を失ったふりをしていたのです。意識があることを知らせなければ、相手も危害を加えることはないだろうし……、と思って」

「シャルは賢いな」

 褒められて頬にキスをされ、シャーロットは「えへへ」と緩んだ笑みを浮かべる。

「触られていないか?」

 ヌルリと耳の中に温かな舌が入り込み、乳首がキュウッとつままれる。

「あぁっ……ん、ちょっと……。ほんのちょっとだけ……」

 気持ちよさに流されてつい本当のことを口走ってしまったが、その瞬間ギルバートの目がギラリと光った。

「どこだ?」

 シャーロットの肌に吸い付いていた唇を離し、ギルバートは正面から妻を見据える。

「え……え、と。そんないやらしく触られたとかではなく……」

「消毒するから。どこだ?」

「胸をつつかれたり……。腰や太腿をなでられただけです」

「…………」

 とたん、ギルバートはスゥッと息を吸い込んで天井を仰いだ。

 片手で顔を覆い、唇は「殺してやる……」と動く。

 が、すぐに気を取り直すと、真面目この上ない顔でシャーロットを覗き込む。

「……他は? 本当にいやらしいことをされなかったか? コルセットの下を触られたり、脚を開いてその奥の」

「されていません!」

 ギルバートの頭の中で自分がどんな破廉恥なことになっているのか想像し、シャーロットは大きな声で遮った。

 浴室にシャーロットの声が響き、大きな声を出しすぎたと思ったシャーロットは顔を赤くする。

「……と、とにかく……。本当に貞操の危機のようなことにはなっていません。確かに旦那さま以外の男性に肌を晒したのは事実ですが、ギルさまに顔向けができないことにはなっていません」

「……良かった」

 ホ……と息をつき、ギルバートは改めて『消毒』を始めた。

「明日は屋敷を出なくていいから」

 そう言ってギルバートはシャーロットの首筋から肩、デコルテとあますことなく舐め、キスマークをつけてゆく。

「ん……っ、あ……、つよ……い」

 前歯で噛む強いキスマークに、シャーロットはビリビリと腰を震わせる。

 先日絶頂のさなかにギルバートに尻を叩かれたことがあったが、どうにも夫からある程度の痛みを受けると、シャーロットの体は過剰に反応してしまう。

 ふっくらとした胸も舐めて吸われ、先端もジンジンとするまで執拗にしゃぶられた。

「っあ……、ぁ……」

 湯のなかでシャーロットの花芯はそっと蜜を吐き、彼女の目は潤んでいた。

「シャル、縁に手をついてこちらにお尻を向けなさい」

「え……」

 さすがにそれはためらわれ、シャーロットは不安そうに夫を見る。

「消毒だ」

 しかしそう言われては逆らえず、彼がそう求めるのも自分がさらわれて心配させたのが原因と思ってしまう。

 おずおずとギルバートに背中を向け、シャーロットは顔を赤らめながら尻を突き出すポーズをとった。

 背後でジャブ……と水音がし、後ろからピッタリと抱きつくようにギルバートがうなじにキスをする。

「あ……」

 重力に従って釣り鐘状になった胸を、ギルバートはたぷたぷと揉みしだく。

 シャーロットの顔が見えていないからか、ギルバートはそっと本音を漏らした。
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