上 下
29 / 45

湖の夜2 ☆

しおりを挟む
「ヴォ……ヴォルフ様……っ、やぁ……っ、ダメ、そこぉ……っ」
「君の『駄目』はいつも嫌がっていない」

 敏感な場所に熱い吐息が掛かったかと思うと、ヌルリと温かな舌に花弁が舐め上げられる。

「んぅっ……、っふぅ」

 こうなったら徹底的に声を殺そうと思い、アンバーは岩に頬をつけ唇をわななかせた。プクリと勃ち上がった乳首が岩に押しつけられ、それだけで感じる自分が恨めしい。
 ヴォルフの尖らされた舌はヌポヌポと蜜口を擦り、指がまだ柔らかい突起を刺激する。

「んあぁうっ、んっ、んぅーっ」

 子供がむずがるような声を出し、アンバーは思わず腰を揺すった。何とか快楽から逃れようとしての行動だったが、それは男を奮い立たせる行為にしかならない。
 既に潤沢な蜜を湛えた場所は、ジュルジュルと淫らな音をたてて啜られる。興奮によりすぐまるまると膨らんだ肉真珠も、さやの上からいたぶられアンバーの口から嬌声を上げさせた。

「ダメぇ……っ、ダメっ、外で達くなんてやなの……っ、やぁ、や……っ」

 言葉では必死に嫌がるも、アンバーの声はどんどん高く甘くなってゆく。

「あぁあっ――っん、ぁ……!」

 だが肉真珠を直接撫で上げられ、長い舌に執拗な愛撫をされとうとう達してしまう。
 体が燃え上がるほど熱くなり、直後忘れていた岩の冷たさを肌が思い出す。心臓がドキドキと鳴り、涙が岩の上に伝い落ちていった。
 ズルリと体が岩肌を滑り、滑らかな岩に肌が擦れる。鋭敏になった乳首で感じながら、アンバーはその場に崩れ落ちていた。

「ん……は、はぁ……は、……ぁ」

 体が水に浸っている冷たさなど忘れ、懸命に呼吸を整える。けれどそんな事は知らぬと言わんばかりに、ヴォルフの指がヌプリと秘部に挿し入れられた。

「いやぁあんっ!」

 体がビクッと跳ね、アンバーは立ち膝で岩に縋り付いた。頬を押しつけ、悩ましげに腰を振る。

「ほら、こんなに熱く蕩けさせておいて『嫌』じゃないだろう?」

 泥濘を掻き回し、すぐに二本に増えた指はジュプジュプとアンバーを探り出す。背後からなのでいつもと感覚が少し違うが、覚えのいいヴォルフはすぐにアンバーの感じる場所を探り当てた。

「あっ……、そこ、そこぉ……っ、やぁ、や……なのぉっ」

 指の腹で優しく擦られ続けると、ジワジワと快楽が満ちてアンバーはすぐおかしくなってしまう。好きな人の前では理想の淑女でありたいと思うのに、こうやって体に触れられると自分が訳の分からない動物になった気持ちだ。

「そうか、『嫌』ならもっと触ろう」

 クク、と喉で低く笑い、ヴォルフはアンバーの肩にきつく吸い付いた。赤い跡がつくほど吸ってから、「酷い事をしてすまない」と謝るように舐める。
 強弱をつけて一番感じる場所を攻め立てられ、絶えずジュプジュプと淫らな音が聞こえた。露出した肩や二の腕、首の裏を吸われ、アンバーは陥落寸前だ。

「ま、待って……っ、待ってぇ……! も、ダメ……っ、ぁ、あぁあっ」

 岩に縋り付き、キュウッと背中を丸めてまたアンバーが絶頂を極めた。

「あぁ、達ったんだな。ナカがキツく締まった後、俺の指をしゃぶりながらピクピクしてるぞ」

 耳元でいやらしい事を囁かれても、ヴォルフだから感じてしまう。
 涙目になりただ荒い息を整えるしかできないアンバーは、彼が指を引き抜いただけでも鋭敏に快楽を拾い上げた。

「ぁんっ」
「まったく……アンバーは可愛すぎて罪作りだ……」

 背後で溜め息交じりの声がし、ちゅぱちゅぱとヴォルフが自分の指をしゃぶる音が聞こえる。

「やぁ……、そんなの、舐めないで……っ」

 もう既にこの場から逃げ出す余力もない。ただ弱々しい哀願をする事が、アンバーにできるすべての事だった。

「じゃあ、君の体を直接味わわせてくれるか?」
「ひぅっ」

 また耳元で囁かれ、今度は耳そのものをねっとりと舐められた。小さな耳の孔まで舌が這い、ぐちゅりと淫靡な音がする。

「あ……あぁああ、あぁ、あああぁあ、ぁああ」

 今まで耳を直接舐められた事はなく、アンバーは初めて感じる耳の快楽に我を失った。指先すら動かず体が硬直して、だらしなく開いた口からタラタラと涎が零れる。体が痙攣し、――あろう事か耳だけで達してしまった。

「……は、イイ場所を見つけてしまったな」

 月光で光る秘部に、トラウザーズを寛げ現れた屹立が押し当てられる。けれどすぐ挿入はされず、ヴォルフは何度もニュルニュルとアンバーの秘部を擦り焦らした。

「や……やぁっ、そんな……っ、意地悪しな……っでぇっ」

 先ほどまでは逃げようと腰を振っていたが、今度は挿入してほしいがために下肢をくねらせる。淫らなダンスを愉悦の籠もった目で見守った後、ヴォルフはアンバーの首の裏にきつく吸い付いた。

「んぁっ、あぁうっ!」

 同時にズプンと灼熱が侵入し、アンバーは手足を突っ張らせた。

「……狼は己のつがいと交尾をする際、こうして首筋に噛みつくそうだ」

 まだ首の裏がジンジンと熱く、それなのにヴォルフは弱点である耳元で低く囁いてくる。大きく野太いモノがアンバーの隘路をみちみちと押し開き、奥へ奥へと進んできた。

「あ……、あぁう……、ン、おっきぃ……っ」

 知らずとアンバーはずっと涙を流していた。『気持ちいい』が続きすぎて、少しも理性が戻ってこない。ここが外である事も、実家の側である事も忘れ、ただ一匹の雌に回帰していた。

「アンバー、たっぷり感じろ。……そして孕め」
「あぁ……っ」

 耳元で背徳的な事を囁かれ、ズグンと下腹が疼いた。
 心の底にあった僅かな理性が「いけない」と警告を促すも、アンバーの媚肉はちゅぶりとヴォルフに吸い付いた。

「……ふふ、体は正直だな。君の気持ちもちゃんと確認した。……動くぞ」
「やぁあ……だめぇ、ぁ……っ、あぁっ」

 抵抗にもならない抵抗を口にしたが、ヴォルフがゆるゆると腰を動かし始めると、すぐにアンバーの思考から『言葉』が消えた。

「あぁ、あぁう……ん、ぁ、あぁ、あ、……あぁ」

 すっかり体に馴染んだカタチが、柔らかな膣壁を擦り、鰓の張った部分で蜜を掻き出し、とんでもなく気持ちいい。
 気がつけばアンバーは両手で岩に縋り、ヴォルフの律動に合わせて自ら腰を動かしていた。たわわに実った両胸がユラユラと揺れ、時折先端が冷えた岩に触れて快楽を拾う。

「あぁ……君のナカはやっぱり温かくてキツくて気持ちいい。ほら、こうしていると怖かった事もすべて忘れるだろう?」

 ヴォルフの言葉に、自分が先ほどまで身を置いていた環境を思い出しかける。けれどスルッと太腿をすべった手が深部に入り込み、指先でピチュピチュと肉真珠を叩いてくれば、全部頭から消し飛んでしまった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

お母様が国王陛下に見染められて再婚することになったら、美麗だけど残念な義兄の王太子殿下に婚姻を迫られました!

奏音 美都
恋愛
 まだ夜の冷気が残る早朝、焼かれたパンを店に並べていると、いつもは慌ただしく動き回っている母さんが、私の後ろに立っていた。 「エリー、実は……国王陛下に見染められて、婚姻を交わすことになったんだけど、貴女も王宮に入ってくれるかしら?」  国王陛下に見染められて……って。国王陛下が母さんを好きになって、求婚したってこと!? え、で……私も王宮にって、王室の一員になれってこと!?  国王陛下に挨拶に伺うと、そこには美しい顔立ちの王太子殿下がいた。 「エリー、どうか僕と結婚してくれ! 君こそ、僕の妻に相応しい!」  え……私、貴方の妹になるんですけど?  どこから突っ込んでいいのか分かんない。

処理中です...