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雨のなか辿り着いた屋敷
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あまりの気疲れにヴォルフの温もりに包まれ少しウトウトした後、いつの間にか馬車は屋敷に着いたようだった。
「降りるぞ」と声を掛けられ、アンバーは口の端から零れかけた涎を拭う。同時に、この状況下において居眠りをした自分の図太さに呆れた。
(思ったより……心地良かったのよね)
恥ずかしいと思いつつも、ヴォルフの温もりに安堵し、いい匂いに包まれ気持ちが安らいでいたのは確かだ。
毛皮が貼り付けられた靴で馬車から降りようとすると、広い空間を利用してヴォルフが先に外に出た。
「ほら」
すぐに手が差し出され、一瞬迷った後に彼の手を握る。途端、グイッと引っ張られて軽々と抱き上げられた。
「きゃっ……」
「いちいち悲鳴を上げなくてもいい」
ハンスが雨傘を差し、ヴォルフはアンバーを抱えたまま悠々と玄関まで歩んでゆく。
屋敷の外観は暗くてよく分からなかったが、時折空を走る稲妻に浮き上がったシルエットから、とても大きな城だと分かる。
背後を見れば広大な空間が続いているので、きっと庭園があるのだろう。
雨傘に収まりきらなかったヴォルフの肩が濡れ、アンバーのつま先も少し雨に濡れる。雫を滴らせながらヴォルフは城に入り、「いま帰った」と主の帰還を告げた。
「お帰りなさいませ」
玄関ホールにはメイドや従僕が整列し、二人を出迎えた。
主が見知らぬ女を連れて帰ったというのに、その顔には何の動揺もない。よほど訓練の行き届いた者たちなのだろうか。
「シシィ、お前の主となるアンバーだ。もう湯の準備はしてあるな?」
「はいっ、旦那様!」
シシィと呼ばれた赤毛に青い目の少女は、アンバーよりも幾分年下に見える。メイドのお仕着せを着た彼女は、アンバーと目が合うとにっこりと微笑んでみせた。
「アンバー、お前の部屋に連れて行く」
「……は、はい」
初めてヴォルフに名前で呼ばれ、心臓がトクッと鳴った。
それよりも自分が訪れる事を知っていたかのような屋敷の者たちの振る舞い、おまけに自分の部屋まであるのが不思議でならない。
ヴォルフはアンバーを抱えたまま悠々と階段を上がり、その後をシシィが着いてくる。
やがて最上階と思われる四階まで上がると、西側の棟に向かいその一室に入った。
「……素敵なお部屋」
自分が買われたという事すら忘れ、アンバーは思わず呟いていた。
アンバーの部屋にと用意された部屋は、腰板から上は小花柄の壁紙が貼られていた。淡いモスグリーンのそれは、見る者に安らぎを与えてくれる。
一際目を引く天蓋ベッドは、イエローベージュに金糸で模様が入ったカーテンと共布だ。大人が二人寝てもまだ余白がありそうな寝台に、思わず胸がドキッとする。
ゴブラン織りのソファセットの脚は優美な脚線を描き、ウォールナット材のテーブルは磨き上げられて鏡のように光っていた。
左右を見れば続き部屋があり、片方は巨大な姿見があるところから衣装部屋かもしれない。もう片方の部屋は蝋燭が無数に灯されたスタンドシャンデリアがあり、薄闇に湯気が見え隠れしている。十中八九、バスルームだろう。
「立てるか?」
そこでやっとヴォルフはアンバーを下ろしてくれた。
シシィがすぐに動いてアンバーから毛皮のマントを外し、その下の肌も露わな格好に「まぁ」と瞠目する。
「あっ、あの……っ! これは……っ」
火の灯った暖炉で部屋が温まっているので、に寒さはそれほど感じない。けれど人前で下着姿を晒して平気な神経を持ち合わせていなかった。
両手で胸元を覆うと、アンバーはパッとしゃがみ込む。
「さぁ! 旦那様! レディのお着替えやバスタイムに同席するなど、無粋の極みでございますよ?」
そこでシシィが明るい声を出し、ヴォルフの背に両手を当てグイグイと押し出した。
「あ……ちょ、シシィ」
「準備ができあがりましたらお呼び致しますから、旦那様も濡れたお体を温めてください」
パタンッとドアが閉まる音がし、おそるおそる顔を上げればシシィが目の前にしゃがみ込んだ。
「奥様、私はシシィと申します。十八歳です。旦那様にご恩があり、このお屋敷で働かせて頂いております。奥様の事は事前に旦那様よりお聞きしております」
「……て、丁寧にどうもありがとう」
思わず呟くとシシィはニコッと笑みを深める。
「シシィめはこれから奥様の忠実な僕となります。前提として旦那様に雇われておりますので、お話しできない事も多々あるかと思います。ですがこれから奥様がこのお城で不自由されないよう、一生懸命尽くしますのでどうぞ宜しくお願い致します」
小さくて温かな手がアンバーの手を握り、空色の目が親愛を込めて見つめてくる。
ヴォルフの温もりはどこか緊張してしまうけれど、同性のシシィに手を握られると勇気づけられた気がした。
「……ありがとう、シシィ。……じゃあ、さっそくだけど私温まりたいわ」
「はい、奥様」
シシィに支えられ立ち上がり、アンバーは湯気が漏れ出ているバスルームに向かった。
バラの香が練り込まれた蝋燭は、火が揺らぐだけでうっとりとする香気が漂っている。
「お召し物を失礼致します」
シシィは手早くアンバーのコルセットの紐を外し、ヴェールやドロワーズ、ストッキングなども取ってしまう。
なみなみとお湯の入ったバスタブには、バラの花びらがたっぷりと浮いていた。
まだ寒気が残っている気がする体をゆっくり浸からせると、唇から吐息が漏れる。
「ゆっくりと浸かって、お疲れを流してください」
シシィは腕まくりをし、粉石鹸のガラス瓶を開くとそれでもって丁寧にアンバーの髪を洗ってゆく。
天蓋のヴェールがかかったバスタブからは、嵌め殺しになった窓より空が見える。しかし星は見えず、どんよりとした暗い色が見えるのみだ。
「……ねぇ、シシィ。ここはどこなの?」
「申し上げられません。旦那様のお口からお聞きくださいませ」
やんわりと言われ、質問が悪かったのだと理解する。
「あなたの旦那様は、どういう方? 怖い方かしら?」
爵位や何を生業としている人物かはきっと教えてくれないだろうけれど、人となりなら教えてもらえるのでは、と挑んでみる。
「そうでございますね……。旦那様はあの目つきでまず人に恐れられます」
「……やっぱり」
思わず頷けば、シシィがクスクスと笑う。
「奥様も恐ろしかったですよね? 旦那様はあまり愛想の良い方ではございませんから。あの薄い色の目も相まって、人から距離を取られ誤解される事が多いです」
「本当はいい人なの?」
「ええ。不器用でぶっきらぼうですが、お気持ちのまっすぐな方です。私たち使用人一同、みな旦那様を好いております。先代の旦那様ご夫婦は亡くなられて、あのお若さで大変なお仕事をこなしていらっしゃいます。何かと人に頼る事なく、お一人で進まれました。なのでどこで人に笑顔を向けたり、優しくすればいいのか分からない所もあるのかと思います」
「そうなのね……」
シシィの説明を受け、安堵する自分がいた。
昔から人を見たままで判断してはいけないと両親から教わったが、やはりヴォルフは威圧感がある。断定的な言い方も、アンバーを「お前」と呼ぶのもどこか粗暴なのかと思わせた。
「シシィの話を聞いて多少安心したわ。ありがとう。……でも私の体を捧げなければいけないのは、……変わらないのよね?」
切っても切り離せない問題を口にしたが、シシィは案の定それには答えなかった。
はぁ……と溜め息をつけば、水面の赤い花弁が震える。
「シシィ、私の事を『奥様』と呼ぶのはやめてくれないかしら? 私、まだヴォルフ様と結婚した訳ではないし……」
言葉通りだし、自分自身があの男に気を許した訳でもない。だから女主人を表す呼称がどこか鬱陶しかった。
しかしシシィはきっぱりと拒絶する。
「いいえ。奥様は奥様です。城の者たちも、皆そうお呼び致します。初めは慣れないかもしれませんが、どうぞこうお呼びする事を受け入れてくださいませ」
アンバーより若いが、このメイドはしっかりしているようだ。半ば諦めて息をつくと、話題を変える事にする。
「ねぇ、シシィ。今度は私の話を聞いてくれる?」
「はい、奥様」
シシィが今後自分の側にいるのなら、自分の事を知ってほしいと思った。
なのでアンバーはゆっくりと語り出す。
自分がどこに住み、育ったのか。どうしてこのような事になったのか……知っている限りのすべてを。
「降りるぞ」と声を掛けられ、アンバーは口の端から零れかけた涎を拭う。同時に、この状況下において居眠りをした自分の図太さに呆れた。
(思ったより……心地良かったのよね)
恥ずかしいと思いつつも、ヴォルフの温もりに安堵し、いい匂いに包まれ気持ちが安らいでいたのは確かだ。
毛皮が貼り付けられた靴で馬車から降りようとすると、広い空間を利用してヴォルフが先に外に出た。
「ほら」
すぐに手が差し出され、一瞬迷った後に彼の手を握る。途端、グイッと引っ張られて軽々と抱き上げられた。
「きゃっ……」
「いちいち悲鳴を上げなくてもいい」
ハンスが雨傘を差し、ヴォルフはアンバーを抱えたまま悠々と玄関まで歩んでゆく。
屋敷の外観は暗くてよく分からなかったが、時折空を走る稲妻に浮き上がったシルエットから、とても大きな城だと分かる。
背後を見れば広大な空間が続いているので、きっと庭園があるのだろう。
雨傘に収まりきらなかったヴォルフの肩が濡れ、アンバーのつま先も少し雨に濡れる。雫を滴らせながらヴォルフは城に入り、「いま帰った」と主の帰還を告げた。
「お帰りなさいませ」
玄関ホールにはメイドや従僕が整列し、二人を出迎えた。
主が見知らぬ女を連れて帰ったというのに、その顔には何の動揺もない。よほど訓練の行き届いた者たちなのだろうか。
「シシィ、お前の主となるアンバーだ。もう湯の準備はしてあるな?」
「はいっ、旦那様!」
シシィと呼ばれた赤毛に青い目の少女は、アンバーよりも幾分年下に見える。メイドのお仕着せを着た彼女は、アンバーと目が合うとにっこりと微笑んでみせた。
「アンバー、お前の部屋に連れて行く」
「……は、はい」
初めてヴォルフに名前で呼ばれ、心臓がトクッと鳴った。
それよりも自分が訪れる事を知っていたかのような屋敷の者たちの振る舞い、おまけに自分の部屋まであるのが不思議でならない。
ヴォルフはアンバーを抱えたまま悠々と階段を上がり、その後をシシィが着いてくる。
やがて最上階と思われる四階まで上がると、西側の棟に向かいその一室に入った。
「……素敵なお部屋」
自分が買われたという事すら忘れ、アンバーは思わず呟いていた。
アンバーの部屋にと用意された部屋は、腰板から上は小花柄の壁紙が貼られていた。淡いモスグリーンのそれは、見る者に安らぎを与えてくれる。
一際目を引く天蓋ベッドは、イエローベージュに金糸で模様が入ったカーテンと共布だ。大人が二人寝てもまだ余白がありそうな寝台に、思わず胸がドキッとする。
ゴブラン織りのソファセットの脚は優美な脚線を描き、ウォールナット材のテーブルは磨き上げられて鏡のように光っていた。
左右を見れば続き部屋があり、片方は巨大な姿見があるところから衣装部屋かもしれない。もう片方の部屋は蝋燭が無数に灯されたスタンドシャンデリアがあり、薄闇に湯気が見え隠れしている。十中八九、バスルームだろう。
「立てるか?」
そこでやっとヴォルフはアンバーを下ろしてくれた。
シシィがすぐに動いてアンバーから毛皮のマントを外し、その下の肌も露わな格好に「まぁ」と瞠目する。
「あっ、あの……っ! これは……っ」
火の灯った暖炉で部屋が温まっているので、に寒さはそれほど感じない。けれど人前で下着姿を晒して平気な神経を持ち合わせていなかった。
両手で胸元を覆うと、アンバーはパッとしゃがみ込む。
「さぁ! 旦那様! レディのお着替えやバスタイムに同席するなど、無粋の極みでございますよ?」
そこでシシィが明るい声を出し、ヴォルフの背に両手を当てグイグイと押し出した。
「あ……ちょ、シシィ」
「準備ができあがりましたらお呼び致しますから、旦那様も濡れたお体を温めてください」
パタンッとドアが閉まる音がし、おそるおそる顔を上げればシシィが目の前にしゃがみ込んだ。
「奥様、私はシシィと申します。十八歳です。旦那様にご恩があり、このお屋敷で働かせて頂いております。奥様の事は事前に旦那様よりお聞きしております」
「……て、丁寧にどうもありがとう」
思わず呟くとシシィはニコッと笑みを深める。
「シシィめはこれから奥様の忠実な僕となります。前提として旦那様に雇われておりますので、お話しできない事も多々あるかと思います。ですがこれから奥様がこのお城で不自由されないよう、一生懸命尽くしますのでどうぞ宜しくお願い致します」
小さくて温かな手がアンバーの手を握り、空色の目が親愛を込めて見つめてくる。
ヴォルフの温もりはどこか緊張してしまうけれど、同性のシシィに手を握られると勇気づけられた気がした。
「……ありがとう、シシィ。……じゃあ、さっそくだけど私温まりたいわ」
「はい、奥様」
シシィに支えられ立ち上がり、アンバーは湯気が漏れ出ているバスルームに向かった。
バラの香が練り込まれた蝋燭は、火が揺らぐだけでうっとりとする香気が漂っている。
「お召し物を失礼致します」
シシィは手早くアンバーのコルセットの紐を外し、ヴェールやドロワーズ、ストッキングなども取ってしまう。
なみなみとお湯の入ったバスタブには、バラの花びらがたっぷりと浮いていた。
まだ寒気が残っている気がする体をゆっくり浸からせると、唇から吐息が漏れる。
「ゆっくりと浸かって、お疲れを流してください」
シシィは腕まくりをし、粉石鹸のガラス瓶を開くとそれでもって丁寧にアンバーの髪を洗ってゆく。
天蓋のヴェールがかかったバスタブからは、嵌め殺しになった窓より空が見える。しかし星は見えず、どんよりとした暗い色が見えるのみだ。
「……ねぇ、シシィ。ここはどこなの?」
「申し上げられません。旦那様のお口からお聞きくださいませ」
やんわりと言われ、質問が悪かったのだと理解する。
「あなたの旦那様は、どういう方? 怖い方かしら?」
爵位や何を生業としている人物かはきっと教えてくれないだろうけれど、人となりなら教えてもらえるのでは、と挑んでみる。
「そうでございますね……。旦那様はあの目つきでまず人に恐れられます」
「……やっぱり」
思わず頷けば、シシィがクスクスと笑う。
「奥様も恐ろしかったですよね? 旦那様はあまり愛想の良い方ではございませんから。あの薄い色の目も相まって、人から距離を取られ誤解される事が多いです」
「本当はいい人なの?」
「ええ。不器用でぶっきらぼうですが、お気持ちのまっすぐな方です。私たち使用人一同、みな旦那様を好いております。先代の旦那様ご夫婦は亡くなられて、あのお若さで大変なお仕事をこなしていらっしゃいます。何かと人に頼る事なく、お一人で進まれました。なのでどこで人に笑顔を向けたり、優しくすればいいのか分からない所もあるのかと思います」
「そうなのね……」
シシィの説明を受け、安堵する自分がいた。
昔から人を見たままで判断してはいけないと両親から教わったが、やはりヴォルフは威圧感がある。断定的な言い方も、アンバーを「お前」と呼ぶのもどこか粗暴なのかと思わせた。
「シシィの話を聞いて多少安心したわ。ありがとう。……でも私の体を捧げなければいけないのは、……変わらないのよね?」
切っても切り離せない問題を口にしたが、シシィは案の定それには答えなかった。
はぁ……と溜め息をつけば、水面の赤い花弁が震える。
「シシィ、私の事を『奥様』と呼ぶのはやめてくれないかしら? 私、まだヴォルフ様と結婚した訳ではないし……」
言葉通りだし、自分自身があの男に気を許した訳でもない。だから女主人を表す呼称がどこか鬱陶しかった。
しかしシシィはきっぱりと拒絶する。
「いいえ。奥様は奥様です。城の者たちも、皆そうお呼び致します。初めは慣れないかもしれませんが、どうぞこうお呼びする事を受け入れてくださいませ」
アンバーより若いが、このメイドはしっかりしているようだ。半ば諦めて息をつくと、話題を変える事にする。
「ねぇ、シシィ。今度は私の話を聞いてくれる?」
「はい、奥様」
シシィが今後自分の側にいるのなら、自分の事を知ってほしいと思った。
なのでアンバーはゆっくりと語り出す。
自分がどこに住み、育ったのか。どうしてこのような事になったのか……知っている限りのすべてを。
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