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第二十一部・フェルナンド 編

どれぐらい自分でしてる? ☆

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 佑は愛しげに香澄を見つめ、前髪を掻き上げると大切そうに額にキスをしてきた。

 乳房を揉まれ、彼の掌を伝って温もりを感じた香澄は、ホッと安堵の溜め息をつく。

 佑は香澄の頬や首筋、耳に優しいキスをし、柔らかな乳房をゆっくり揉む。

 とても大切に扱われているのを感じた香澄は、徐々に女のスイッチを入れ、体の奥に堪る疼きに意識を集中させた。

 そのあとゆっくりと目を閉じ、しばらくしてから目蓋を開き、自分に覆い被さっている佑を見る。

 ロサンゼルスのホテルと今と、仰向けになって佑が覆い被さっている体勢は同じ。

 けれど今自分を愛しているのは、御劔佑だ。

 ありとあらゆるツテを使い、どんなに窮地に陥っても、必ず助けてくれた自分の愛しい婚約者。

 ――大丈夫だよ。

 香澄はまだ心の奥で震えている自分に微笑みかけたあと、腕を伸ばして佑の頭を抱き寄せた。

 佑は香澄の乳房にキスをし、その白い柔肉を舐め、乳輪に沿ってねっとりと舌を動かす。

「あ……っ」

 甘い声を漏らした香澄は、顔をあおのけ腰を揺らす。

「もっと声を出して。香澄が気持ちよくなっているのを知りたい」

 顔を上げた佑は甘やかに微笑み、チュバッと音を立てて香澄の乳首を吸い立てた。

「ふ……っ、ぅ、……うぅ……っ」

 香澄は呼吸を乱し、顔を真っ赤にして自分の胸元を見る。

 世界で一番美しい人が、自分の乳首をいやらしく舐め、挑発するように上目遣いで見てくる。

(……私のもの……)

 そう思うと胸一杯に幸福感がこみ上げ、嬉しくなった香澄は両手で彼の髪をサラサラと撫でた。

 佑は彼女の乳房を愛撫しながら、片手でくびれたウエストから張り出た臀部へのラインを辿り、むっちりとした太腿を撫でてくる。

 彼は香澄の太腿をすべすべと撫でたあと、彼女の脚を広げさせた。

 羞恥を覚えながらも脚を開くと、佑の手が内腿に這い、下着のクロッチに触れてきた。

「ん……っ」

 布越しに柔肉をヌチヌチと捏ねられた香澄は、甘い声を出してしまいそうになるのを必死に堪える。

(すぐに嬌声を上げたら、感じやすい淫乱な女って思われそう)

 今さらながら不安に思って我慢したのだが、思いとは裏腹に彼女の体はとても素直だった。

 佑が指を動かすたびにクチュクチュと粘ついた音が立ち、香澄は真っ赤になる。

(~~~~っ、恥ずかしい……っ)

 香澄はとっさに佑の手を押さえようとしたが、逆にその手をたやすく掴まれてしまった。

「自分で触ってみる?」

 妖艶に笑った佑は、香澄の手を秘部に導く。

「や……」

「大丈夫。一緒に触ってあげるから」

 そう言った佑は、彼女の下着をクルクルと巻いて脱がしてしまった。

 生まれたままの姿になった香澄は、両手で胸元を覆い不安げに彼を見るしかできない。

「どれぐらい自分でしてる?」

 そう尋ねた佑は、香澄の手を握ると秘唇に触れさせた。

(……すっごい濡れてる……)

 思いの外たっぷり濡れている事に驚いた香澄は、自分がほんの少しの愛撫でしとどに秘部を濡らした事に、この上ない羞恥を覚えた。

「……も、黙秘権を行使します」

 香澄は真っ赤になり、むぅ、と彼を睨む。

 もともと彼女は、あまり性欲が強くないほうだった。

 健二に誘われても断り続け、挙げ句の果てに無理矢理……だったので、本当に興味を持っていなかったし、そうされて余計に避けるようになってしまった。

 なのに佑と付き合ってから沢山気持ちいい事を教えられ、アブノーマルな事まで知ってしまった。

 だからなのか急に性欲が強くなったように思えたし、一人で留守番する時は佑の事を想ってムラムラしてしまう。

 自慰してみる事はあるが、肉芽を触れて軽く達したあと、満足してそれ以上の行為は必要としなかった。

 女性誌では自慰をセルフプレジャーとお洒落な表記をし、快感を得る事は恥ずかしくないとポジティブに書いている。

『自分の体を知るのに大切な行為』『リラックスするため』と聞くと前向きになれるものの、自慰するために時間を設け、さらに道具を使って本格的な快楽を得るとなると怖じ気づいてしまう。

 だから香澄の自慰レベルは低く、佑が期待している程度ではない。

「ふぅん? 自分でするの、恥ずかしい?」

 佑は微笑みながら、香澄の指を肉芽に導く。

 そして自分も手を重ね、一緒にコリコリとそこを揺さぶっていった。

「ん……っ、……ぅ、うぅ……」

 佑にさせられているとはいえ、彼の前で自分の性器に触れるなんて、恥ずかしくて堪らない。
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