上 下
1,397 / 1,550
第二十一部・フェルナンド 編

「する……」 ☆

しおりを挟む
「ン……、ぅん……、もぉ……、もぉぉ……っ」

 顔を真っ赤にさせてうなった香澄は、「知らない!」と怒って、思い切って佑の屹立を口に含んだ。

「んぅ、うぅ、むー、ん、ちゅ、……ぅ、む」

 香澄は与えられる気持ちよさを誤魔化すため、懸命に屹立をしゃぶる。

 唾液をまぶし、チュバッと音を立てて吸い上げ、舌を出してレロレロと雁首や亀頭を舐め回す。

 香澄はもう、自分がロサンゼルスのホテルで同じモノに怯えていた事など忘れていた。

 胸にあるのは、いつも佑と愛し合っている時と同じ気持ち。

 ――私が気持ち良くなったのと同じくらい、佑さんを気持ち良くしてあげたい。

 香澄は口いっぱいに大きな亀頭を頬張り、懸命に顔を前後させる。

 すると佑の腰がピクッと動き、彼が腰を動かしたがっているのを察した。

(もっと気持ち良くなって)

 香澄は佑の太腿をサワサワと撫でてから、思い切って喉奥まで亀頭を迎え入れ、口腔全体で屹立を吸い上げた。

 しとどに濡れた秘唇が、佑の熱い吐息を掛けられピクリと震える。

 香澄に攻められて佑も本気を出そうと思ったらしく、秘唇を舐めつつ指で肉芽を転がし始めた。

「っんンんっ!!」

 あえて放置されていた陰核を包皮越しにコリュコリュと捏ねられ、香澄の体の最奥に強すぎ悦楽が刻み込まれる。

 その途端、香澄は目を白黒させ佑の屹立をジュッと吸った。

 佑は唾液をたっぷり纏わせた舌でネロネロと秘唇を舐め、その淫液を指先にまぶして膨らんでさやから顔を出した陰核を直接撫でてくる。

「んンーっ!! んぅうう……っ!! っあぁあああ……っ!」

 香澄はもう攻める気力を失い、口からプハッと屹立を吐き出したあと、堪えきれず大きな声を上げる。

 ビクビクと下肢を小刻みに震わせ、腰を前後に動かして逃げようとするがやはり叶わない。

 さらに佑は愛蜜を塗りつけた指で、香澄の小さな窄まりを撫でてきた。

「そこだめぇっ!」

 羞恥の孔に触れられ、香澄は全身からドッと冷や汗を掻く。

 だがジュルルッと音を立てて陰唇を吸われ、香澄は腰を弓なりに反らして官能を貪る。

(だめ、だめだめだめだめ……っ、達く、達っちゃう……っ、だめ、だめ)

「達く」に頭を支配された香澄は、必死に絶頂しないよう呼吸を整える。

 だが細やかに陰核を撫でられ続け、あっという間に快楽の臨界点を超えてしまった。

「っっ~~~~っ!! ぁああああぁ……っ!!」

 香澄は哀れっぽい啼き声を上げ、佑の太腿に顔を押しつけて絶頂する。

 その間も佑の指は動き続け、小さな後孔に愛蜜がヌルヌルと塗り込まれた。

「だめぇええぇ……っ!」

 頭の中を真っ白にさせた香澄は獣のように吠え、激しく体を震わせたあとにガクリと脱力してしまった。

 ピクピクと震える香澄の口端からは涎が垂れ、薄く開いた目からも涙が流れていた。

 佑は香澄の体をベッドの上に横たえ、頭を撫でてくる。

「大丈夫か?」

「……ん……」

 頷く事すらできない香澄は、喉の奥から声を絞りだして返事をする。

 佑は香澄を見て優しく笑い、彼女の体を仰向けにするとキスしてきた。

「ん……、む……」

 ちゅ、ちゅ、と軽いキスをされたあと、香澄は力の入らない目で彼を見る。

「できるか? やめておく?」

 愛しそうに目を細めて訪ねてくる佑は、香澄がどう答えても受け入れる顔をしていた。

(あんなに興奮してくれてたのに)

 チラリと下を見ると、佑の下腹部には興奮しきった証がそそり立っている。

 一区切りついた今も、佑には気持ち良くなってほしいと思っているし、自分ばかり達して不甲斐ないとすら思っていた。

 だから香澄は「する……」と小さな声で訴えた。

「無理しなくていいんだぞ?」

 佑はそう言って、また香澄の頭を撫でるとちゅっとキスをする。
しおりを挟む
感想 556

あなたにおすすめの小説

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

上司は初恋の幼馴染です~社内での秘め事は控えめに~

けもこ
恋愛
高辻綾香はホテルグループの秘書課で働いている。先輩の退職に伴って、その後の仕事を引き継ぎ、専務秘書となったが、その専務は自分の幼馴染だった。 秘めた思いを抱えながら、オフィスで毎日ドキドキしながら過ごしていると、彼がアメリカ時代に一緒に暮らしていたという女性が現れ、心中は穏やかではない。 グイグイと距離を縮めようとする幼馴染に自分の思いをどうしていいかわからない日々。 初恋こじらせオフィスラブ

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~

椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」 私を脅して、別れを決断させた彼の両親。 彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。 私とは住む世界が違った…… 別れを命じられ、私の恋が終わった。 叶わない身分差の恋だったはずが―― ※R-15くらいなので※マークはありません。 ※視点切り替えあり。 ※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~

雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」 夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。 そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。 全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載

ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。 だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。 車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。 あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。

『逃れられない淫らな三角関係』番外編 ヘルプラインを活用せよ!

臣桜
恋愛
『逃れられない淫らな三角関係』の番外編です。 やりとりのある特定の読者さまに向けた番外編(小冊子)です。 他にも色々あるのですが、差し障りのなさそうなものなので公開します。 (他の番外編は、リアルブランド名とかを出してしまっている配慮していないものなので、ここに載せるかは検討中)

処理中です...