1,386 / 1,548
第二十一部・フェルナンド 編
左手の意味 ☆
しおりを挟む
「どうしてほしい?」
佑が香澄の顔を覗き込み、望みを尋ねる。
香澄は一瞬考え、浮かんだ希望に頬を染めた。
けれど震える声で、きちんと自分の意志を伝えた。
「……抱いて、ほしい。あんな、……あんなのじゃなくて、ちゃんと佑さんにいつもみたいに、『愛してるよ』って、『可愛い』って言われて、抱かれたい……っ」
はしたない事を言っているのは分かっているし、セックスして解決するなんて短慮だ。
だが今はどうしても、大好きな人に抱いてもらって「無事な所にいる」と理解し、圧倒的な熱に晒されて、愛する人で身も心も一杯になりたかった。
「分かった。たっぷり、とろけるぐらい愛してあげる」
佑は切なく微笑み、香澄の唇をついばみ、丁寧にキスをしながら香澄の尻たぶを揉んだ。
「……ベッドでしよう。今は洗い流すだけ」
「うん」
「脚、開いて」
佑に抱きついたまま、香澄は脚を少し開く。
「触るよ。怖かったら言って」
「ん」
佑は香澄のお尻の割れ目に指を滑らせ、まだローションで濡れている場所をなぞる。
「怖い?」
「……だい、……じょぶ」
少しドキドキしているのが、佑に愛される事への高揚感なのか恐怖なのか、今は分からない。
「……ローションとかゴムを用意してたのは、……私のため?」
小さな声で尋ねると、「うん」と佑が肯定する。
「レイプされるっていうのに、濡れる訳がないと思った。あいつを騙すために完璧に変装していたし、香澄は恐怖でそれどころじゃない。まず俺だと気付かないと思った。無理に入れて傷つけたくなかったし、誘拐されていたからピルは飲んでいないから生でするのは避けたかった。……だから、あいつに気づかれないよう、趣向の一種だと思わせるために色々用意した」
「……ありがとう」
佑は香澄の秘唇を指で何度も撫でていて、まるでその感触に慣れさせているようだった。
「……途中で胸に手を当てたのは何だったの?」
あの時は動転していたけれど、今なら安心して振り返る事ができる。
「あまりに香澄が混乱して怯えて、可哀想だったから……。『俺の左手を見て』って伝えようと思った」
言われて、香澄は佑の左手を見る。
ペアリングは嵌まっていないが、今まで何度も見た、左手の薬指にあるほくろがあった。
「あぁ……」
やっと彼の行動の意味を知り、香澄は溜め息交じりに笑う。
「そっ…………か。…………そっかぁ……」
佑は安心して笑みを見せた香澄にキスをし、尋ねてくる。
「表面は洗ったけど、少し指を入れても大丈夫? 中にもローションが残ってるはずだから」
「うん……」
香澄は佑にしがみつき、目を閉じる。
佑は何度か花弁を撫でたあと、小さな蜜口にツプリと指を入れてきた。
「ん……っン……」
指が入った瞬間、香澄は体を緊張させる。
「大丈夫だよ。俺はここにいる」
佑の声を聞き、香澄は恥ずかしさを堪えて彼を見た。
薄茶色の目の中には、緑、黄緑、黄色など様々な色が入っている。
彼特有のヘーゼルの目を見つめ、いま自分の蜜壷を愛撫しているのは佑なのだと言い聞かせた。
指がヌプッヌプッと前後する感触を得て、香澄は切なさとこみ上げる不安に歯を食いしばる。
歯を食いしばっていたからか、佑は香澄の唇に指を這わせ、口を開けさせた。
「咥えて。怖かったら指を噛んでいいから」
「ん、ん……ぷ」
口の中に佑の指が入り、歯を食いしばれない。
歯を浮かせて彼の指を咥えようとしたが、蜜壷を探られて体に力が入ってしまう。
佑の指を噛んでしまいそうなほど口に力が入り、結果的に顎がガクガクと震わせた。
「無理しなくていいよ。噛んでいい」
むしろ、彼は噛んでほしいと思っていた。
自分が香澄に与えた恐怖を思えば、指の一本ぐらい食い千切られてもいい。
愛する女にレイプの恐怖を植え付けた罪を、自分は何らかの形で償わなければいけない。
香澄が誰かを傷付ける事を望まないのは分かっている。
彼女は今、たっぷりと甘やかされたいと望んでいるのも理解している。
だが佑は、誰かにボコボコに殴ってほしいほどの罪悪感を抱いていた。
佑が香澄の顔を覗き込み、望みを尋ねる。
香澄は一瞬考え、浮かんだ希望に頬を染めた。
けれど震える声で、きちんと自分の意志を伝えた。
「……抱いて、ほしい。あんな、……あんなのじゃなくて、ちゃんと佑さんにいつもみたいに、『愛してるよ』って、『可愛い』って言われて、抱かれたい……っ」
はしたない事を言っているのは分かっているし、セックスして解決するなんて短慮だ。
だが今はどうしても、大好きな人に抱いてもらって「無事な所にいる」と理解し、圧倒的な熱に晒されて、愛する人で身も心も一杯になりたかった。
「分かった。たっぷり、とろけるぐらい愛してあげる」
佑は切なく微笑み、香澄の唇をついばみ、丁寧にキスをしながら香澄の尻たぶを揉んだ。
「……ベッドでしよう。今は洗い流すだけ」
「うん」
「脚、開いて」
佑に抱きついたまま、香澄は脚を少し開く。
「触るよ。怖かったら言って」
「ん」
佑は香澄のお尻の割れ目に指を滑らせ、まだローションで濡れている場所をなぞる。
「怖い?」
「……だい、……じょぶ」
少しドキドキしているのが、佑に愛される事への高揚感なのか恐怖なのか、今は分からない。
「……ローションとかゴムを用意してたのは、……私のため?」
小さな声で尋ねると、「うん」と佑が肯定する。
「レイプされるっていうのに、濡れる訳がないと思った。あいつを騙すために完璧に変装していたし、香澄は恐怖でそれどころじゃない。まず俺だと気付かないと思った。無理に入れて傷つけたくなかったし、誘拐されていたからピルは飲んでいないから生でするのは避けたかった。……だから、あいつに気づかれないよう、趣向の一種だと思わせるために色々用意した」
「……ありがとう」
佑は香澄の秘唇を指で何度も撫でていて、まるでその感触に慣れさせているようだった。
「……途中で胸に手を当てたのは何だったの?」
あの時は動転していたけれど、今なら安心して振り返る事ができる。
「あまりに香澄が混乱して怯えて、可哀想だったから……。『俺の左手を見て』って伝えようと思った」
言われて、香澄は佑の左手を見る。
ペアリングは嵌まっていないが、今まで何度も見た、左手の薬指にあるほくろがあった。
「あぁ……」
やっと彼の行動の意味を知り、香澄は溜め息交じりに笑う。
「そっ…………か。…………そっかぁ……」
佑は安心して笑みを見せた香澄にキスをし、尋ねてくる。
「表面は洗ったけど、少し指を入れても大丈夫? 中にもローションが残ってるはずだから」
「うん……」
香澄は佑にしがみつき、目を閉じる。
佑は何度か花弁を撫でたあと、小さな蜜口にツプリと指を入れてきた。
「ん……っン……」
指が入った瞬間、香澄は体を緊張させる。
「大丈夫だよ。俺はここにいる」
佑の声を聞き、香澄は恥ずかしさを堪えて彼を見た。
薄茶色の目の中には、緑、黄緑、黄色など様々な色が入っている。
彼特有のヘーゼルの目を見つめ、いま自分の蜜壷を愛撫しているのは佑なのだと言い聞かせた。
指がヌプッヌプッと前後する感触を得て、香澄は切なさとこみ上げる不安に歯を食いしばる。
歯を食いしばっていたからか、佑は香澄の唇に指を這わせ、口を開けさせた。
「咥えて。怖かったら指を噛んでいいから」
「ん、ん……ぷ」
口の中に佑の指が入り、歯を食いしばれない。
歯を浮かせて彼の指を咥えようとしたが、蜜壷を探られて体に力が入ってしまう。
佑の指を噛んでしまいそうなほど口に力が入り、結果的に顎がガクガクと震わせた。
「無理しなくていいよ。噛んでいい」
むしろ、彼は噛んでほしいと思っていた。
自分が香澄に与えた恐怖を思えば、指の一本ぐらい食い千切られてもいい。
愛する女にレイプの恐怖を植え付けた罪を、自分は何らかの形で償わなければいけない。
香澄が誰かを傷付ける事を望まないのは分かっている。
彼女は今、たっぷりと甘やかされたいと望んでいるのも理解している。
だが佑は、誰かにボコボコに殴ってほしいほどの罪悪感を抱いていた。
22
お気に入りに追加
2,544
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
『逃れられない淫らな三角関係』番外編 ヘルプラインを活用せよ!
臣桜
恋愛
『逃れられない淫らな三角関係』の番外編です。
やりとりのある特定の読者さまに向けた番外編(小冊子)です。
他にも色々あるのですが、差し障りのなさそうなものなので公開します。
(他の番外編は、リアルブランド名とかを出してしまっている配慮していないものなので、ここに載せるかは検討中)
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ナイトプールで熱い夜
狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…?
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる