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第二十部・同窓会 編

熱いのいきますよ ☆

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きつく佑の舌を吸って絶頂した彼女を、佑は褒めるように頭を撫でた。

(褒め…………られ、て……る……)

 ホワホワとした心地のなか、香澄は嬉しさのあまり、また涙を零した。

「んン……っ、ぁ、……あ、……出すよ……っ」

 唇を離した佑は、ぐぅっと屹立を大きくさせ低くうなる。

 彼はブルッと体を震わせ、食い縛った歯の間から荒々しい呼気を漏らす。

「ぁ……っ、あ、…………あ、……たす、……く、さん…………」

 香澄は目を閉じて吐息を震わせ、彼を抱き締めるとその匂いを吸う。

 膣内では佑の分身が跳ね、ドクドクと白濁を吐き出しているのが分かる。

 気持ち良く、けれどとても疲れていて、頭の中が真っ白になっている。

 佑は残滓をすべて出そうとして数度腰を叩きつけ、出し切ったあとに「あぁ……」と艶冶な声を漏らした。

 彼はふぅ、ふぅ……と呼吸を繰り返したあと、欲の抜けきっていない目で香澄を見つめ、唇を舐める。

「……もう一回、……したい」

「……だめ……」

 甘えるような声で「もう一回」をねだられたが、香澄は首を横に振りノーを示す。

「…………どうしても?」

 佑は上目遣いに香澄を見て、軽く腰を揺らす。

 少し柔らかくなったがまだ芯のある屹立は、香澄の膣内で擦られて太さを増した。

「うー…………、……死んじゃう…………」

 そう答えると、佑はフハッと力が抜けたように笑った。

「香澄が死んじゃったら困るな。……我慢するよ」

 佑は香澄にチュッとキスをし、繋がりを解いて抱き締めてきた。

 しばらく二人は黙って抱き合い、汗と体液のいやらしい匂い、そして互いの香水のラストノートが混じった空気を吸う。

「……あー……。気持ち良かった……」

 やがて佑はそう言い、香澄の額にキスをしてから愛しそうに見つめてくる。

 疲れ切った香澄は眠たくなり、目元をトロトロさせていた。

(あ……、メイク落としてない……)

 けれどそう思い出すと、ぐぐぐ……と起き上がろうとする。

「どうした?」

「……顔、……落とす……」

「分かった。分かったから……。力入らないんだろ? 無理しなくていいから」

 佑はクスクス笑ってベッドから下り、下着を穿いて洗面所に向かった。

 間もなくし彼は、クレンジングと蒸しタオルを持って戻ってきた。

「香澄、仰向けになって。はい、ごろん」

「ん……」

 ぐったりとした香澄は、起きようとして横臥した体勢から仰向けになる。そうしていると、まるでアザラシかオットセイにでもなった気がした。

 風邪を引いてはいけないと思ったのか、佑は香澄の体に布団を被せてくれる。

「熱いのいきますよ」

 佑は何とも言えない声のかけ方をし、香澄の顔に蒸しタオルを載せた。

「んー……」

 こうしてクレンジング前に蒸しタオルを使うと、毛穴が開いてメイクが落ちやすいので、時間がある時はそうしている。

 佑は香澄の手順を見ていて、彼女のやり方を学んだみたいだ。

「気持ちいい?」

「うん……」

 タオル越しにむふー……と息をつくと、佑が頭を撫でてくる。

 十分蒸された頃、佑が蒸しタオルを取った。

 それからアイメイク用のクレンジング剤を綿棒に出すと、「目を閉じて」と言い、ちょいちょいと香澄のマスカラを落としていく。

「んふ……。〝世界の御劔〟がメイクを落としてくれるなんて、贅沢」

「そうか? 楽しいからやってるだけだけど」

 香澄は目を閉じたまま、佑が綿棒で丁寧に自分のマスカラを落としている様子を想像する。

「男の人ってプラモデルとか、細かいの弄るの好きな人いるよね。佑さんもそういう感じ? 部屋にミニカー? あるでしょ」

 アドラーや兄たちがクラウザー社で働いている上、佑も車好きではあるので、彼のミニカーコレクションがガラスケースに収まって飾られている部屋がある。

「うーん……プラモデルはそれほどかな。車は家族の影響と、自分の趣味もかねて、あとは時計の部品を見るのが好きだな」

「そっか。佑さんは特撮やアメコミヒーロー、好きじゃないの?」

 男性が好きそうなジャンルを出してみたが、佑の反応は思ったほどではない。

「子供の頃は好きだったかな。でも小さい頃から色々勉強していたから、娯楽より知識欲を満たすほうが好きだったかもしれない」

「そっか」

 アンネは佑を日本で育てると決めていたが、グローバルに活躍できるための土台を築くのを惜しまなかった。

 それに、彼自身の負けず嫌いも加わっていったのだろう。

 佑は香澄のマスカラを丁寧に落としたあと、スパチュラでクレンジングバームを取り、両手を合わせて温め、乳化させる。
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