1,288 / 1,544
第二十部・同窓会 編
……疲れちゃった ☆
しおりを挟む
「香澄……っ、香澄……っ」
佑は熱の籠もった声で婚約者の名前を呼び、腰を振りたくる。
ハァッハァッという激しい息づかいと、腰と臀部がぶつかり合う音が寝室に響く。
その音が一際大きくなったあと、香澄の膣内で大きくなった肉棒がビクッビクッと脈打ち始めた。
「っあぁ……っ」
佑が絶頂を知らせる声を漏らし、そのあとも何度か腰を叩きつけてくる。
ぐったりとした香澄は膣内で勢いよく白濁が出されているのを感じ、支配される悦びにうっとりと目を閉じた。
「……香澄……。愛してるよ……」
佑は繋がったまま、背後から香澄を抱き締めて囁く。
香澄は激しい絶頂に晒されて何も言えなかったが、小さく頷いて歓喜の涙を零した。
そのまま無言で抱き締められ、二人で熱が鎮静していくのを待つ。
密着した状態で、佑は香澄の肌の感触を楽しみ、汗で濡れた首筋にキスをしては、やわやわと乳房を揉む。
乳首に触られてくすぐったく、香澄は目を閉じたまま微笑んだ。
昂ぶりが鎮静していくのと同時に、気持ちも冷静になっていく。
(そうだ。……私、佑さんに少しずつ嫌われないといけないんだ)
香澄は自分をしっかり抱き締めている佑の腕を撫で、苦く笑う。
そして佑を傷付ける言葉を心の中で選び、「それは駄目」と打ち消してはまた探す。
(こんな優しい人に、酷い事を言えない……)
考えるだけで涙が浮かんでしまう。
けれど佑にバレないように、決して呼吸を乱さなかった。
(でも……)
気持ちを切り替え、香澄は一度心の中を無にし、すべての感情を凍てつかせる。
佑の額に、あの赤いポインタが当てられている姿を脳裏に思い浮かべる。
いくら佑でも、額を打ち抜かれればお終いだ。
だから、気持ちを冷静にさせて呟いた。
「……疲れちゃった」
「ごめん」
佑は苦笑いし、香澄の口筋にチュッと口づける。
「効いてない」と思った香澄は、唇を歪めたあと、もう少し強い口調で言ってみた。
「私がダウンしてもまだ続けるんだもん。今まで黙ってたけど、そういう自分本位な事をされると疲れちゃう」
自分本位と言われ、さすがにくるものがあったのか、佑は一瞬固まった。
やがて彼は静かに息を吐き、「ごめん」ともう一度抱き締めてきた。
「自分の事しか考えていなかったよな。いつも無理させてごめん」
素直に謝る佑の言葉を聞いて、胸の奥がズキリと痛む。
香澄は唇を噛み、決して涙を零さないように薄暗い空間の向こうを凝視した。
「……別に、いつもの事だからいいけど」
可愛くない事を言ったあと、眉間に皺を寄せて目を閉じた。
「次から気を付けるよ」
佑はポンポンと香澄の頭を撫で、また首筋や肩に唇を押しつける。
(……違うのに。もっと、色んな事を忘れるほど愛してほしいのに)
好きな人を傷つけて疲弊した香澄は、結合を解いたあと寝返りを打ち、佑に抱きついた。
佑に抱きついたあと、厚い胸板に顔を押しつけて息を吐く。
彼は何も言わずに香澄を抱き締め、トントンと背中を叩いてあやしてくれていた。
**
札幌でマティアスが麻衣の両親に挨拶をした週末、香澄は佑の同窓会に同行した。
佑に抱かれたのは金曜日の夜だ。
土曜の朝は笑顔がぎこちなくなってしまったが、佑はいつものように接してくれた。
「準備できたか?」
「あ、はい」
何を着るか迷っていたが、ニットとスカートのコーディネートにする事にした。
トップスはベージュに細かなラメの入ったニットで、細いベルトでウエストマークする。
スカートは少し攻めてレオパード柄にし、少しゴツめのチャンキーヒールのショートブーツを履いた。
その上に黒いボアのコートを羽織り、髪の毛は少し後れ毛を出して緩く纏める。
玄関の姿見で最終チェックをしていると、佑が頬にキスをして「可愛いよ」と褒めてくれた。
佑はスーツを着ると思っていたが、思っていたよりずっとカジュアルな格好だった。
黒いタートルネックニットにジーンズを合わせ、グレーのチェスターコートを羽織っている。
佑は熱の籠もった声で婚約者の名前を呼び、腰を振りたくる。
ハァッハァッという激しい息づかいと、腰と臀部がぶつかり合う音が寝室に響く。
その音が一際大きくなったあと、香澄の膣内で大きくなった肉棒がビクッビクッと脈打ち始めた。
「っあぁ……っ」
佑が絶頂を知らせる声を漏らし、そのあとも何度か腰を叩きつけてくる。
ぐったりとした香澄は膣内で勢いよく白濁が出されているのを感じ、支配される悦びにうっとりと目を閉じた。
「……香澄……。愛してるよ……」
佑は繋がったまま、背後から香澄を抱き締めて囁く。
香澄は激しい絶頂に晒されて何も言えなかったが、小さく頷いて歓喜の涙を零した。
そのまま無言で抱き締められ、二人で熱が鎮静していくのを待つ。
密着した状態で、佑は香澄の肌の感触を楽しみ、汗で濡れた首筋にキスをしては、やわやわと乳房を揉む。
乳首に触られてくすぐったく、香澄は目を閉じたまま微笑んだ。
昂ぶりが鎮静していくのと同時に、気持ちも冷静になっていく。
(そうだ。……私、佑さんに少しずつ嫌われないといけないんだ)
香澄は自分をしっかり抱き締めている佑の腕を撫で、苦く笑う。
そして佑を傷付ける言葉を心の中で選び、「それは駄目」と打ち消してはまた探す。
(こんな優しい人に、酷い事を言えない……)
考えるだけで涙が浮かんでしまう。
けれど佑にバレないように、決して呼吸を乱さなかった。
(でも……)
気持ちを切り替え、香澄は一度心の中を無にし、すべての感情を凍てつかせる。
佑の額に、あの赤いポインタが当てられている姿を脳裏に思い浮かべる。
いくら佑でも、額を打ち抜かれればお終いだ。
だから、気持ちを冷静にさせて呟いた。
「……疲れちゃった」
「ごめん」
佑は苦笑いし、香澄の口筋にチュッと口づける。
「効いてない」と思った香澄は、唇を歪めたあと、もう少し強い口調で言ってみた。
「私がダウンしてもまだ続けるんだもん。今まで黙ってたけど、そういう自分本位な事をされると疲れちゃう」
自分本位と言われ、さすがにくるものがあったのか、佑は一瞬固まった。
やがて彼は静かに息を吐き、「ごめん」ともう一度抱き締めてきた。
「自分の事しか考えていなかったよな。いつも無理させてごめん」
素直に謝る佑の言葉を聞いて、胸の奥がズキリと痛む。
香澄は唇を噛み、決して涙を零さないように薄暗い空間の向こうを凝視した。
「……別に、いつもの事だからいいけど」
可愛くない事を言ったあと、眉間に皺を寄せて目を閉じた。
「次から気を付けるよ」
佑はポンポンと香澄の頭を撫で、また首筋や肩に唇を押しつける。
(……違うのに。もっと、色んな事を忘れるほど愛してほしいのに)
好きな人を傷つけて疲弊した香澄は、結合を解いたあと寝返りを打ち、佑に抱きついた。
佑に抱きついたあと、厚い胸板に顔を押しつけて息を吐く。
彼は何も言わずに香澄を抱き締め、トントンと背中を叩いてあやしてくれていた。
**
札幌でマティアスが麻衣の両親に挨拶をした週末、香澄は佑の同窓会に同行した。
佑に抱かれたのは金曜日の夜だ。
土曜の朝は笑顔がぎこちなくなってしまったが、佑はいつものように接してくれた。
「準備できたか?」
「あ、はい」
何を着るか迷っていたが、ニットとスカートのコーディネートにする事にした。
トップスはベージュに細かなラメの入ったニットで、細いベルトでウエストマークする。
スカートは少し攻めてレオパード柄にし、少しゴツめのチャンキーヒールのショートブーツを履いた。
その上に黒いボアのコートを羽織り、髪の毛は少し後れ毛を出して緩く纏める。
玄関の姿見で最終チェックをしていると、佑が頬にキスをして「可愛いよ」と褒めてくれた。
佑はスーツを着ると思っていたが、思っていたよりずっとカジュアルな格好だった。
黒いタートルネックニットにジーンズを合わせ、グレーのチェスターコートを羽織っている。
12
お気に入りに追加
2,509
あなたにおすすめの小説
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜
湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」
30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。
一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。
「ねぇ。酔っちゃったの………
………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」
一夜のアバンチュールの筈だった。
運命とは時に残酷で甘い………
羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。
覗いて行きませんか?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・R18の話には※をつけます。
・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。
・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
若妻シリーズ
笹椰かな
恋愛
とある事情により中年男性・飛龍(ひりゅう)の妻となった18歳の愛実(めぐみ)。
気の進まない結婚だったが、優しく接してくれる夫に愛実の気持ちは傾いていく。これはそんな二人の夜(または昼)の営みの話。
乳首責め/クリ責め/潮吹き
※表紙の作成/かんたん表紙メーカー様
※使用画像/SplitShire様
【R18】鬼上司は今日も私に甘くない
白波瀬 綾音
恋愛
見た目も中身も怖くて、仕事にストイックなハイスペ上司、高濱暁人(35)の右腕として働く私、鈴木梨沙(28)。接待で終電を逃した日から秘密の関係が始まる───。
逆ハーレムのチームで刺激的な日々を過ごすオフィスラブストーリー
法人営業部メンバー
鈴木梨沙:28歳
高濱暁人:35歳、法人営業部部長
相良くん:25歳、唯一の年下くん
久野さん:29歳、一個上の優しい先輩
藍沢さん:31歳、チーフ
武田さん:36歳、課長
加藤さん:30歳、法人営業部事務
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる