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第十九部・マティアスと麻衣 編

やっと抱けた…… ☆

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 思考が甘く痺れているなか、体内で佑の肉棒がビクビクと動いている感触だけは理解した。

 何か考えようとしたが、頭の中はねっとりとした白い霧に支配されている。

 すべてを放棄した香澄は、ズルズルとその場にくずおれてしまった。



**



「…………っはぁ、はっ、――はぁっ、はぁっ」

 息を乱した佑は少しの間、呼吸を整える。

 そして脱力した香澄を支え、肉茎を引き抜いた。

「やっと抱けた……」

 誰にともなく呟いた佑は、ぐったりとした香澄のうなじの匂いを嗅ぐ。

 彼女がいつもつけているネクタリンの香りが、体臭と汗と相まってこの上なく甘美な香りになっている。

 佑は噛み付き痕がついているうなじにもう一度キスし、きつく吸い上げる。

「…………はぁ……」

 匂いを堪能しながらキスし続けたあとには、くっきりと所有の証がついていた。

 佑は満足げに目を細め、自分の印を確認するように舐める。

 双子、マティアスがこの家に来てから、ずっと禁欲生活を続けてきた。

 ホテルでメイド姿の香澄を抱いたとは言え、毎日のように気兼ねなく愛し合ってきた身としては、この二週間は拷問に近かった。

 香澄は、誰に対しても愛想がいい。

 麻衣と仲がいいのは仕方ないが、双子、マティアスにもニコニコしているのを見ると、落ち着かない気持ちになる。

 我ながら狭量だと思っても、どうしようもない。

 付き合ってラブラブな状態が続くのは、三か月とも一年とも言われ、その実態は曖昧だ。

 香澄は自分と暮らす事に慣れてきているが、佑はいまだ彼女を全力で愛したくて堪らず、日々自分をセーブしている。

 そんな自分が、この二週間さらに我慢していたのを、もっと褒めてほしいぐらいだ。

 溜め息をついた佑は、ぐったりとした香澄を支え、靴を脱がせてストッキングとパンティも脱がす。

 さらに上半身も脱がし、完全に裸にした香澄を抱き上げ、靴を脱いで階段を上がった。

 寝室に入ってベッドに香澄を横たえたあと、自分も服を脱ぐと彼女の上に馬乗りになる。

 そして彼女の髪を手で梳き、丁寧に撫でつけた。

 絶頂してまだ赤面している顔を見ただけで、また屹立がムクムクと硬くなった。

「エロすぎる……」

 佑は呟き、溜め息をつく。

 すんなりした眉毛も、伏せられた睫毛の長さも、小作りな鼻、ぷっくりとした唇も、すべて「食べてほしい」と言わんばかりだ。

 彼は香澄の乳房に触れ、柔らかく弾力のあるそれをポヨポヨと弄ぶ。

 その間も屹立は硬くなり、血管を浮かび上がらせて反り返る。

「…………駄目だ……」

 香澄が目覚めるまで待とうと思ったが、どうしても耐えきれなかった。

 佑は罪悪感を抱きながら香澄の脚を抱え、蜜と白濁で濡れそぼった場所に亀頭をあてがい、ズブズブと埋めていった。



**



「ん……っ、んぅ、――――ん、…………ん、んン……」

 少しの苦しさを感じ、香澄は目を開ける。

 その途端、ヌルッと膣壁を擦られて体を震わせた。

「ひぁあっ! あっ、ア……っ!」

 驚いた事で、より意識がクリアになった。

 目を開けると、仰向けになった自分の上に佑が覆い被さり、ヌップヌップと音を立てて腰を前後させている。

「たす……っ、ン、やぁ……っ、たす、く、さん……っ!?」

 状況が分からず質問しようとしても、全身を満たす愉悦に負けてしまって甘い声しか出せない。

 佑は香澄の頭を撫で、キスをしてきた。

「んっ、…………ん、む……、ん、ン……」

 唇をついばまれ、舌が口内を蹂躙してくる。

 佑はいまだ現状を把握していない香澄の舌を捉え、擦りつけては舐め、絡めて、吸う。

「ふ、ぁ……、…………あ……」

 酸素を求めて大きく口を開くと、前歯の裏側を舌先でくすぐられた。

「ふぅっ、ン、――――んっ、んンっ」

 そうされると自然と腰が浮き、反らしてしまう。

 上も下もずっぷりと繋がって犯され、両手もシーツに縫い止められて何一つ抵抗できない。
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