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第十九部・マティアスと麻衣 編

感じてるって教えてほしいんだ ☆

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「ん……っ、ん!」

 そのうちマティアスの指が、つぬぅ……とゆっくり進入してきた。

(待って! 待って! 入ってくる……っ!)

 膣内に何かが入る事に慣れていない麻衣は、マティアスの指の長さと太さにおののく。

(嘘っ……。男の人の指ってこんなに太くて長いの!?)

 指の腹でお腹の内側を撫でられただけで、ゾクゾクッと震えが走って切ない声が漏れる。

「ふぅ……っ、ン……」

 麻衣は知らずと彼を抱き締め、無意識に膣肉でその指を締め付けた。

 ちゅ、ちゅぷ、とリップ音が続き、膣内ではマティアスの指が優しく前後する。

「ふ……っ、はぁ、――は、……ぁ」

 麻衣はキスの合間に切ない吐息をつき、羞恥のあまり、睨むような目でマティアスを見つめた。

「痛いか?」

「変……っ、な、――感じ」

 変な顔を見せたくないのに、赤面して泣きそうな表情になってしまい、実に情けない。

「多分、気持ちいいんだと思うから、目を閉じてリラックスして受け入れてみてくれ」

「で、でも……っ」

「しぃ」

 マティアスは何か言いかけた麻衣の目元を片手で覆い、彼女に静かにするよう促す。

 そしてさらに蜜壷を探ってきた。
 柔らかな粘膜が優しく擦られ、そのたびに今まで得た事のない愉悦が襲ってきた。

「ぅ……っ、あ、あぁ……っ、ん、んーっ」

(やだっ、変な声出る……っ)

 両手でとっさに自分の口を塞ごうとすると、マティアスが制してきた。

「マイ。口を押さえたら駄目だ」

「っ……、だ、だって……。変な声出て、恥ずかしい……っ」

 羞恥の極みにいるが、マティアスによって目元を押さえられているので、視線が合わないのが救いだ。

「俺に可愛い声を聞かせてくれ。マイが感じてるって教えてほしいんだ」

「でもでもだって」を続けそうになったが、次の言葉を聞いて考えが変わった。

「こうやって、好きな女性を愛撫するのは初めてだ。ちゃんと上手にできているか、教えてほしいんだ」

(そ……っ、……か)

 心の中で麻衣は深く納得する。

 けれどすぐ素直になるのは恥ずかしく、言葉で彼の気持ちを確認しようとした。

「……慣れてるんじゃないの? ふ、風俗……行ったって」

 十年も前だと言っていたのでスルーしたが、一応気にしている。

 今は自分だけを好きと言ってくれているし、その気持ちも疑わない。

 けれどセックスの経験については、過去にプロの白人美女を抱いたと聞いて「私が初めてじゃないんだ」という面倒くさい思考になっている。

 勿論、理屈では慣れていて上手いほうが、女性への負担が少なくて済むのは分かっている。

 分かっていても、彼に巧みに愛撫されると、彼の経験についてグチグチ言いたくなる。

「十年も前だと言っただろう。もうほとんど忘れてる。……もしかして、妬いてくれてるのか?」

 相変わらず目元を手で覆われて何も見えないが、マティアスが嬉しそうに笑ったのが分かった。

「っば、ばかっ」

 思わずペチンッとマティアスの胸板を叩くと、彼はクスクス笑う。

「マイを悲しませたり嫉妬させたくないから、嘘は言わない。今は本当に完全なシングルだ。……だが嫉妬されると嬉しいな。すまない」

「……もぉ……」

 唇を尖らせた麻衣の額に、マティアスが口づけてくる。

 そして止まっていた彼の指が、また蠢き始めた。

「ん……っ、ぁ、は……っ」

 狭い膣肉の中でマティアスの指が前後し、柔らかな壁を指の腹でグッ……と押してくる。

 マティアスの指が体内で動いていると思うだけで、この上ない悦楽が全身に伝わっていく。

「気持ちいいか?」

「た……、た……ぶん……っ」

「じゃあ、こっちは?」

 そう言ってマティアスはプクンと膨らんだ肉芽を、親指でゆっくり潰してきた。

 そしてコリコリと左右に揺さぶり、指の腹で転がしてくる。
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