1,074 / 1,550
第十七部・クリスマスパーティー 編
さっきのじゃ足りないんだろう? ☆
しおりを挟む
あとは常駐している警備員が見回りをし、施錠されているかチェックする事になっている。
二人はそのまま社長専用のエレベーターに乗り込み、地下駐車場までまっすぐ向かう。
「アロイスさんとクラウスさん、もう待ちくたびれて拗ねているかもしれませんね」
「あー……。確かに。面倒だな。香澄はあいつらに何をプレゼントしたんだ?」
呼び方が切り替わり、香澄は胸の奥をうずっとさせる。
「んー、秘密です。最初に本人に知ってもらいたいので」
双子たちを優先すると、佑が途端にいじけだす。
彼は溜め息をついてゴンドラの壁に寄りかかり、ねちっこい目で見てくる。
「……社長にもちゃんとプレゼントがありますので、拗ねないでください」
「それは分かってるけど」
体を起こした佑は、壁ドンして両腕の中に香澄を閉じ込めてくる。
「え……えっ?」
香澄は驚いて佑を見上げる。
「どうせ今日も家に帰ってイチャイチャできないし、キスぐらい、いいだろ」
彼の言う事も一理あると思い、香澄は「キスぐらいなら」と目を閉じた。
顎に手をかけられ、顔を上向かされたと思うと佑の唇が重なった。
ちゅっ……とついばまれたあとに舌でねろりと唇を舐められ、思わず吐息が漏れる。
ついばんでは舐め、ついばんでは舐め、を繰り返され、佑の舌がほしくておずおずと舌を差しだした時、ヌルリと彼の舌が絡んできた。
「ん……っ、ン、…………ぅ、ふ……」
静かなエレベーターのゴンドラの中で、クチュクチュと水音が響く。
力強い舌で口内をまさぐられ、「もっとほしい」と下腹部の疼きを覚えた時、電子音が鳴ってゴンドラが地下駐車場についた。
佑が顔を離し、香澄は自分が物欲しそうな顔をしているような気がして、とっさに顔を逸らす。
「っ…………」
佑は顔を赤くした香澄の頭をポンポンと撫で、「どうぞ」とレディファーストで香澄を先に下ろす。
ICカードをリーダーに読ませたゲートの向こうには、もうすでに小金井が待機していた。
呉代も車の外に立っていて、「お疲れ様です」と二人に会釈をする。
香澄を先に後部座席に乗らせた佑は、小金井に何か囁いたあと、自分も乗り込んだ。
車のドアが閉まり、全員がシートベルトを締めて車が発進して間もなく、前と後ろを区切る仕切りがせり上がってきた。
「えっ? ……え?」
困惑する香澄が佑を見ると、彼は悪い笑みを浮かべて香澄を抱き寄せてきた。
「さっきのじゃ足りないんだろう?」
耳元で囁かれ、図星を突かれてまた顔が赤くなる。
「でも……」
仕切りの向こうを気にしても、佑はやはり悪い顔をしたまま小さく首を横に振る。
「静かにしていれば大丈夫だ」
確かにキスなら声も漏れないし、バレないかもしれない。
と思ったが、仕切りが上がった段階で二人には後ろで何をしているかバレバレだ。
(うー……)
抗議の籠もった目で佑を見つめていると、彼は愉しそうに笑ってチュッとキスをしてきた。
(音! 立てたら駄目!)
口をパクパクさせて訴えるものの、すぐに抱き込まれて唇を奪われてしまった。
「ん……っ、ん、む……」
先ほどと同じように温かい舌で唇のあわいを舐められると、すぐにゾクゾクとした愉悦が体の奥に熾火を作る。
体をしっかり抱く力強い腕も、頬に当たる佑の鼻先も、鼻腔に入り込む彼の香りも、何もかも香澄の意識を奪う。
「は……っ、は、――――ン」
気が付けば香澄は切ない吐息を漏らし、夢中になって佑の舌を求めていた。
佑は香澄のコートのボタンを外し、膝の間から内腿をさする。
(え!?)
下肢まで弄られると思っていなかった香澄は、思わず顎を引いて目を見開いた。
「〝静かにしていれば大丈夫〟って言っただろう?」
だが愉快犯のように笑った佑の顔を見て、「ああああああ……」と内心頭を抱えて崩れ落ちる。
「最初から……そのつもりだったの?」
ポソポソと小さな声で尋ねる香澄の内腿を探り、佑は指先でガーターストッキングを確認して「よし」と小さく頷く。
「~~~~」
蒸れるのを嫌ってのガーターストッキングだが、ここで裏目に出てしまった。
二人はそのまま社長専用のエレベーターに乗り込み、地下駐車場までまっすぐ向かう。
「アロイスさんとクラウスさん、もう待ちくたびれて拗ねているかもしれませんね」
「あー……。確かに。面倒だな。香澄はあいつらに何をプレゼントしたんだ?」
呼び方が切り替わり、香澄は胸の奥をうずっとさせる。
「んー、秘密です。最初に本人に知ってもらいたいので」
双子たちを優先すると、佑が途端にいじけだす。
彼は溜め息をついてゴンドラの壁に寄りかかり、ねちっこい目で見てくる。
「……社長にもちゃんとプレゼントがありますので、拗ねないでください」
「それは分かってるけど」
体を起こした佑は、壁ドンして両腕の中に香澄を閉じ込めてくる。
「え……えっ?」
香澄は驚いて佑を見上げる。
「どうせ今日も家に帰ってイチャイチャできないし、キスぐらい、いいだろ」
彼の言う事も一理あると思い、香澄は「キスぐらいなら」と目を閉じた。
顎に手をかけられ、顔を上向かされたと思うと佑の唇が重なった。
ちゅっ……とついばまれたあとに舌でねろりと唇を舐められ、思わず吐息が漏れる。
ついばんでは舐め、ついばんでは舐め、を繰り返され、佑の舌がほしくておずおずと舌を差しだした時、ヌルリと彼の舌が絡んできた。
「ん……っ、ン、…………ぅ、ふ……」
静かなエレベーターのゴンドラの中で、クチュクチュと水音が響く。
力強い舌で口内をまさぐられ、「もっとほしい」と下腹部の疼きを覚えた時、電子音が鳴ってゴンドラが地下駐車場についた。
佑が顔を離し、香澄は自分が物欲しそうな顔をしているような気がして、とっさに顔を逸らす。
「っ…………」
佑は顔を赤くした香澄の頭をポンポンと撫で、「どうぞ」とレディファーストで香澄を先に下ろす。
ICカードをリーダーに読ませたゲートの向こうには、もうすでに小金井が待機していた。
呉代も車の外に立っていて、「お疲れ様です」と二人に会釈をする。
香澄を先に後部座席に乗らせた佑は、小金井に何か囁いたあと、自分も乗り込んだ。
車のドアが閉まり、全員がシートベルトを締めて車が発進して間もなく、前と後ろを区切る仕切りがせり上がってきた。
「えっ? ……え?」
困惑する香澄が佑を見ると、彼は悪い笑みを浮かべて香澄を抱き寄せてきた。
「さっきのじゃ足りないんだろう?」
耳元で囁かれ、図星を突かれてまた顔が赤くなる。
「でも……」
仕切りの向こうを気にしても、佑はやはり悪い顔をしたまま小さく首を横に振る。
「静かにしていれば大丈夫だ」
確かにキスなら声も漏れないし、バレないかもしれない。
と思ったが、仕切りが上がった段階で二人には後ろで何をしているかバレバレだ。
(うー……)
抗議の籠もった目で佑を見つめていると、彼は愉しそうに笑ってチュッとキスをしてきた。
(音! 立てたら駄目!)
口をパクパクさせて訴えるものの、すぐに抱き込まれて唇を奪われてしまった。
「ん……っ、ん、む……」
先ほどと同じように温かい舌で唇のあわいを舐められると、すぐにゾクゾクとした愉悦が体の奥に熾火を作る。
体をしっかり抱く力強い腕も、頬に当たる佑の鼻先も、鼻腔に入り込む彼の香りも、何もかも香澄の意識を奪う。
「は……っ、は、――――ン」
気が付けば香澄は切ない吐息を漏らし、夢中になって佑の舌を求めていた。
佑は香澄のコートのボタンを外し、膝の間から内腿をさする。
(え!?)
下肢まで弄られると思っていなかった香澄は、思わず顎を引いて目を見開いた。
「〝静かにしていれば大丈夫〟って言っただろう?」
だが愉快犯のように笑った佑の顔を見て、「ああああああ……」と内心頭を抱えて崩れ落ちる。
「最初から……そのつもりだったの?」
ポソポソと小さな声で尋ねる香澄の内腿を探り、佑は指先でガーターストッキングを確認して「よし」と小さく頷く。
「~~~~」
蒸れるのを嫌ってのガーターストッキングだが、ここで裏目に出てしまった。
14
お気に入りに追加
2,552
あなたにおすすめの小説
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
上司は初恋の幼馴染です~社内での秘め事は控えめに~
けもこ
恋愛
高辻綾香はホテルグループの秘書課で働いている。先輩の退職に伴って、その後の仕事を引き継ぎ、専務秘書となったが、その専務は自分の幼馴染だった。
秘めた思いを抱えながら、オフィスで毎日ドキドキしながら過ごしていると、彼がアメリカ時代に一緒に暮らしていたという女性が現れ、心中は穏やかではない。
グイグイと距離を縮めようとする幼馴染に自分の思いをどうしていいかわからない日々。
初恋こじらせオフィスラブ
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。
だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。
車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。
あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。
『逃れられない淫らな三角関係』番外編 ヘルプラインを活用せよ!
臣桜
恋愛
『逃れられない淫らな三角関係』の番外編です。
やりとりのある特定の読者さまに向けた番外編(小冊子)です。
他にも色々あるのですが、差し障りのなさそうなものなので公開します。
(他の番外編は、リアルブランド名とかを出してしまっている配慮していないものなので、ここに載せるかは検討中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる