上 下
979 / 1,544
第十五部・針山夫婦 編

してくれなかったら怒る ☆

しおりを挟む
(……あ……。やらし……)

 口から亀頭が抜ける時、先走りと唾液が混ざり、粘度の高い糸を引いて――切れた。

 切れた糸の端が唇に落ち、香澄は無意識にそれを舐める。

 そのまま、心地いい疲れに身を任せて目を閉じた。

 そして口内の粘液を唾液に絡めて飲み下し、ふぅ……と艶冶な息をつく。

「……本当にやらしく育ったな」

 佑の声がし、大きな手に頭を撫でられる。

 目を開くと、優しい、けれど瞳の奥に隠しきれない情欲を灯した彼がいる。

「この世界で一番可愛くて、いやらしい」

 なで、なでと頭を撫でられ、その手が頬に滑り、乱れた髪を撫でつけ、親指が濡れた唇をなぞる。

「……佑さんに、だけだよ……」

「分かってるよ。だから誰にも見せたくないぐらい大切なんだ」

 自身の屹立を頬張った唇に、佑は躊躇いなくキスをしてくる。

「ん……」

 けれど口が疲れているのを察してか、数度香澄の唇をついばんだあと顔を離した。

「して……いいよな?」

 そして香澄を見つめ、これ以上ないほど大きく張り詰めた肉棒に手を添える。
 香澄の唾液で濡れた肉槍は、とても卑猥だ。

「……してくれなかったら……怒る……」

 香澄は、むぅ、と軽く睨んでみせるふりをして、自ら脚を少し開いた。

「どんなふうに怒るのか、見てみたい気持ちはあるな」

 佑は悪戯っぽく笑い、香澄の脚を広げて両方の膝頭にキスをする。
 そして沢山舐めて濡らした場所に、興奮した怒張を押し当てた。

「ぁ…………」

〝その時〟を待ち侘び、香澄はうっすら目を開いて佑を見つめる。

 彼は最愛の雌を貪る、雄の顔をしていた。

 佑は肉竿に手を添え、香澄の目を見つめたまま腰を進めてくる。

 小さな蜜孔、ぐぷ……と音を立てて引き伸ばされ、エラの張った一番太い部分を懸命に呑み込む。

「あ……っ、ぁ、…………ん、…………あ……」

 太いモノがまっすぐに香澄の膣奥を目指し、ズブズブとその身を埋めてくる。

「香澄の中、あったかいよ。たっぷり濡れてヌルヌルして、柔らかく俺を締め付けてくる」

 そう言われただけで切なさが下腹部に伝わり、キュッと彼をきつく包んだ。

「佑さん……。抱き締めて……。ぎゅっ、て」

 ハグを求めて両手を伸ばすと、左右の手の甲にキスをした佑が覆い被さってきた。

 彼の逞しい胸板に押されて、乳房がひしゃげる。

 体温を分け合っているうちに、佑が腰を突き入れて亀頭で子宮口を押し上げてきた。

「ん……っ」

 香澄は体の奥底でジィン……と悦びを噛みしめ、思いきり佑を抱き締める。

 両腕を首に回し、脚も彼の腰に巻き付けた。
 佑も香澄の首筋に顔を埋め、はぁ……っと熱い吐息をつく。

(一生、このままでいたい)

 ついそんな事を考えてしまった香澄は、佑の髪を気持ちを込めて梳った。

「あのね。……好きだよ」

 何度、この言葉を口にしただろう。
 何回言っても、気が済まない。

「俺も、心の底から愛しているよ」

「ん……」

 数え切れないぐらい同じセリフを言われても、満足する事を知らない心は、涸れ井戸が水を欲するように佑の愛を希う。

「キス……して」

「ん」

 香澄のおねだりを聞き、佑は甘く微笑んで顔を傾ける。

(これ……好き)

 佑はキスをする時、愛していると分からせるように頭を撫でてくる。

 頭を撫でられているとすべてを肯定されている気がし、このキスはいいものだよ、と教えられている気持ちになる。

 唇を合わせたまま、佑がスリスリと鼻先を擦りつけてきた。

 いつだったか、佑が「色んなキスの中に、ノーズキスっていうのがあるんだよ」と教えてくれた事があった。

 それを思いだしながら、香澄は佑の唇を舐めて暖かな気持ちになる。

 お互いの舌先を舐め合っていたのが、次第に深いキスになっていく。

 くちゅ……くちゅ、と舌を味わっていると、佑の肉棒を頬張った蜜洞が無意識にピクピクと蠢いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~

taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。 お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥ えっちめシーンの話には♥マークを付けています。 ミックスド★バスの第5弾です。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

社長の奴隷

星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜

湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」 30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。 一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。 「ねぇ。酔っちゃったの……… ………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」 一夜のアバンチュールの筈だった。 運命とは時に残酷で甘い……… 羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。 覗いて行きませんか? ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ・R18の話には※をつけます。 ・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。 ・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。

【R18】エリートビジネスマンの裏の顔

白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます​─​──​。 私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。 同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが…… この生活に果たして救いはあるのか。 ※サムネにAI生成画像を使用しています

若妻シリーズ

笹椰かな
恋愛
とある事情により中年男性・飛龍(ひりゅう)の妻となった18歳の愛実(めぐみ)。 気の進まない結婚だったが、優しく接してくれる夫に愛実の気持ちは傾いていく。これはそんな二人の夜(または昼)の営みの話。 乳首責め/クリ責め/潮吹き ※表紙の作成/かんたん表紙メーカー様 ※使用画像/SplitShire様

【R18】鬼上司は今日も私に甘くない

白波瀬 綾音
恋愛
見た目も中身も怖くて、仕事にストイックなハイスペ上司、高濱暁人(35)の右腕として働く私、鈴木梨沙(28)。接待で終電を逃した日から秘密の関係が始まる───。 逆ハーレムのチームで刺激的な日々を過ごすオフィスラブストーリー 法人営業部メンバー 鈴木梨沙:28歳 高濱暁人:35歳、法人営業部部長 相良くん:25歳、唯一の年下くん 久野さん:29歳、一個上の優しい先輩 藍沢さん:31歳、チーフ 武田さん:36歳、課長 加藤さん:30歳、法人営業部事務

処理中です...