939 / 1,550
第十五部・針山夫婦 編
かぶりつきたくなる桃尻
しおりを挟む
サッと体と髪を洗い、温まってからバスルームを出る。
フェイス、ボディケアをしてから、半袖Tシャツとスウェットを着た。
それほど美容に気を遣っている訳ではないが、肌がすべすべしていると香澄が喜んでくれる。
加えて冬場は乾燥しやすいので、皮膚トラブルを防ぐ意味でしっかり保湿はしていた。
日本ではフェイスケアをしていたり、香水を使っていると少し冷やかす意味も込めて「美容男子」と言われる。
だが佑が知っている限り、海外の知り合いは皆香水を纏っていた。
香澄がパリの街角で「今すれ違った男性、すっごくいい匂いがした」と言っていた時は、追いかけて何の香水を使っているか聞きたくなった。
佑にとっての美容は、皮膚トラブルを避けるためと、経営者として、メディアに出ている者として最低限の外見を整えるためのものだ。
香りについては、双子がこだわっているのを見て自然に頭にすり込まれ、気分を変えるためや自分のパフォーマンスを上げるための物と捉えている。
外見に気を遣っていると、ビジネスでもプラスに働く事が多いのは事実で、損をした場面はすぐ考えつかない。
勿論、外見ばかり気にしていては仕事にならないので、程よい距離感で美容と付き合えていると思っている。
ヘアスタイルに至っては、美容師に『不動の御劔カット』と言われるほどで、あまりイメチェンしていない。
愛したら一途という性格に通じているのか、食べ物でも他の事でも、何か気に入ったらそればかりを追う性格だ。
個人的には、コロコロと見た目や印象が変わるより、『御劔佑はこのイメージ』というものがあったほうが、安心感を与えられるのではと思っている。
香りについては、気に入った物をコンプリートしたい欲があるので、お気に入りブランドの香水はすべて揃えているし、限定品が出た時は必ず買っている。
けれど色んな香りをその時その時楽しむよりは、気に入った物を使いがちだ。
揃えた香水は、瓶が並んでいるのを見て満足するだけという事も多い。
なので香澄が「今日はこの香りを試してみよう」と使ってくれるのはありがたかった。
フェイスケアをしたあとに水をコップ二杯飲んで、いつも通りストレッチをする。
火照った体を冷やしがてら一度書斎に向かい、パソコンを立ち上げてメールをチェックした。
サッと目を通してから電源を落とし、肩甲骨まわりを解しながら寝室に向かった。
布団に潜り込むと、香澄の体温で温まっている。
温もりを求めた香澄がくっついてきて、思わずクスッと笑った。
「お待たせ」
「んー」
香澄はまたうなり、佑を抱き締めてすぅぅっと匂いを嗅ぐ。
遠慮なくすーはーすーはーしてから、最後にすぅぅっ……はぁぁっとウード&ベルガモッドを堪能する。
「うん……」
そして納得して頷いてから、佑の脚の間に自分の脚を絡ませ、また眠る体勢に入った。
微笑んだ佑はしばらく香澄のまっすぐな髪を撫で、キャミソール越しの背中、タップパンツ越しのお尻を手で確かめる。
(すごくシたいけど、疲れてるだろうから我慢しよう)
ここで我慢できる自分を、自分で褒める。褒めちぎる。
(週末までお楽しみは取っておこう。……いや、週末まで待たなくてもいいかな? 香澄の調子次第で……)
最初の決心がすぐにグラつき、魅惑的なお尻を撫でながら悪戯をしようかしないか迷う。
香澄と一緒に寝ていると、桃の甘い香りがしてかぶりつきたくて堪らない。
(おまけに桃尻だよな……)
今時の中年男性でも言わなさそうな事を思ってから、佑はタップパンツの中に手を入れた。
無駄毛のない肌はつるりと佑の指を受け入れる。
指先に少し力を込めると、弾力がありながらフワフワのお尻に指が食い込んだ。
お尻の谷間を指先で撫でていると、香澄が「んーっ」とうなりながら身じろぎをする。
胸板にぐりぐりと頭を擦りつけ、眠たそうに何度もうなる。
悪戯心で指先を少し潜り込ませようとすると、中途半端に勃起した屹立を、スウェット越しに掴まれた。
「わるいこ!」
力一杯掴まれた訳ではないので、痛くはない。
ただ驚いたのと香澄の寝ぼけ声がおかしくて、佑は手を止めると彼女を抱き締めてクツクツと笑いだした。
「もー……だめ。……ねるの……」
とうとう香澄に文句を言われ、佑は笑いながら謝る。
「ごめん。本当にごめん。つい癖で」
「こんど」
「……うん。今度」
(本当に今日は疲れてるよな。悪い事をした)
「ごめん。おやすみ」
香澄の後頭部を支え、優しくキスをすると、ほんの少し唇をついばまれた。
(今はこれで満足しないと)
そう思い、自分も眠る事にした。
**
フェイス、ボディケアをしてから、半袖Tシャツとスウェットを着た。
それほど美容に気を遣っている訳ではないが、肌がすべすべしていると香澄が喜んでくれる。
加えて冬場は乾燥しやすいので、皮膚トラブルを防ぐ意味でしっかり保湿はしていた。
日本ではフェイスケアをしていたり、香水を使っていると少し冷やかす意味も込めて「美容男子」と言われる。
だが佑が知っている限り、海外の知り合いは皆香水を纏っていた。
香澄がパリの街角で「今すれ違った男性、すっごくいい匂いがした」と言っていた時は、追いかけて何の香水を使っているか聞きたくなった。
佑にとっての美容は、皮膚トラブルを避けるためと、経営者として、メディアに出ている者として最低限の外見を整えるためのものだ。
香りについては、双子がこだわっているのを見て自然に頭にすり込まれ、気分を変えるためや自分のパフォーマンスを上げるための物と捉えている。
外見に気を遣っていると、ビジネスでもプラスに働く事が多いのは事実で、損をした場面はすぐ考えつかない。
勿論、外見ばかり気にしていては仕事にならないので、程よい距離感で美容と付き合えていると思っている。
ヘアスタイルに至っては、美容師に『不動の御劔カット』と言われるほどで、あまりイメチェンしていない。
愛したら一途という性格に通じているのか、食べ物でも他の事でも、何か気に入ったらそればかりを追う性格だ。
個人的には、コロコロと見た目や印象が変わるより、『御劔佑はこのイメージ』というものがあったほうが、安心感を与えられるのではと思っている。
香りについては、気に入った物をコンプリートしたい欲があるので、お気に入りブランドの香水はすべて揃えているし、限定品が出た時は必ず買っている。
けれど色んな香りをその時その時楽しむよりは、気に入った物を使いがちだ。
揃えた香水は、瓶が並んでいるのを見て満足するだけという事も多い。
なので香澄が「今日はこの香りを試してみよう」と使ってくれるのはありがたかった。
フェイスケアをしたあとに水をコップ二杯飲んで、いつも通りストレッチをする。
火照った体を冷やしがてら一度書斎に向かい、パソコンを立ち上げてメールをチェックした。
サッと目を通してから電源を落とし、肩甲骨まわりを解しながら寝室に向かった。
布団に潜り込むと、香澄の体温で温まっている。
温もりを求めた香澄がくっついてきて、思わずクスッと笑った。
「お待たせ」
「んー」
香澄はまたうなり、佑を抱き締めてすぅぅっと匂いを嗅ぐ。
遠慮なくすーはーすーはーしてから、最後にすぅぅっ……はぁぁっとウード&ベルガモッドを堪能する。
「うん……」
そして納得して頷いてから、佑の脚の間に自分の脚を絡ませ、また眠る体勢に入った。
微笑んだ佑はしばらく香澄のまっすぐな髪を撫で、キャミソール越しの背中、タップパンツ越しのお尻を手で確かめる。
(すごくシたいけど、疲れてるだろうから我慢しよう)
ここで我慢できる自分を、自分で褒める。褒めちぎる。
(週末までお楽しみは取っておこう。……いや、週末まで待たなくてもいいかな? 香澄の調子次第で……)
最初の決心がすぐにグラつき、魅惑的なお尻を撫でながら悪戯をしようかしないか迷う。
香澄と一緒に寝ていると、桃の甘い香りがしてかぶりつきたくて堪らない。
(おまけに桃尻だよな……)
今時の中年男性でも言わなさそうな事を思ってから、佑はタップパンツの中に手を入れた。
無駄毛のない肌はつるりと佑の指を受け入れる。
指先に少し力を込めると、弾力がありながらフワフワのお尻に指が食い込んだ。
お尻の谷間を指先で撫でていると、香澄が「んーっ」とうなりながら身じろぎをする。
胸板にぐりぐりと頭を擦りつけ、眠たそうに何度もうなる。
悪戯心で指先を少し潜り込ませようとすると、中途半端に勃起した屹立を、スウェット越しに掴まれた。
「わるいこ!」
力一杯掴まれた訳ではないので、痛くはない。
ただ驚いたのと香澄の寝ぼけ声がおかしくて、佑は手を止めると彼女を抱き締めてクツクツと笑いだした。
「もー……だめ。……ねるの……」
とうとう香澄に文句を言われ、佑は笑いながら謝る。
「ごめん。本当にごめん。つい癖で」
「こんど」
「……うん。今度」
(本当に今日は疲れてるよな。悪い事をした)
「ごめん。おやすみ」
香澄の後頭部を支え、優しくキスをすると、ほんの少し唇をついばまれた。
(今はこれで満足しないと)
そう思い、自分も眠る事にした。
**
33
お気に入りに追加
2,552
あなたにおすすめの小説
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
上司は初恋の幼馴染です~社内での秘め事は控えめに~
けもこ
恋愛
高辻綾香はホテルグループの秘書課で働いている。先輩の退職に伴って、その後の仕事を引き継ぎ、専務秘書となったが、その専務は自分の幼馴染だった。
秘めた思いを抱えながら、オフィスで毎日ドキドキしながら過ごしていると、彼がアメリカ時代に一緒に暮らしていたという女性が現れ、心中は穏やかではない。
グイグイと距離を縮めようとする幼馴染に自分の思いをどうしていいかわからない日々。
初恋こじらせオフィスラブ
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。
だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。
車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。
あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。
『逃れられない淫らな三角関係』番外編 ヘルプラインを活用せよ!
臣桜
恋愛
『逃れられない淫らな三角関係』の番外編です。
やりとりのある特定の読者さまに向けた番外編(小冊子)です。
他にも色々あるのですが、差し障りのなさそうなものなので公開します。
(他の番外編は、リアルブランド名とかを出してしまっている配慮していないものなので、ここに載せるかは検討中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる