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第十四部・東京日常 編

キスしちゃった ☆

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「香澄はマティアスには優しいな。双子にもだけど」

「必要以上に争いたくない。いつまでもギクシャクするのは嫌」

「……じゃあ、我慢しようかな」

 佑は香澄を抱き締め、額や頬にキスをしてから、溜め息混じりに言う。

「香澄が迎えたいって言ってるのに、俺が意地を張り続けるのは〝香澄ファースト〟の信条に反する」

 どこかで聞いたフレーズに、香澄は思わず笑う。

「ふふっ、……じゃあ、いい?」

「いいよ。契約書も書かせたし、あいつらだって二度と馬鹿な真似はしないだろう」

「良かった。ありがとう」

 香澄は佑の体を押し、仰向けにさせると彼の腰を跨ぐ。
 両手で佑の頬を包んで愛しげに見つめ、少し迷ってから彼の口元を手で覆い、その上からキスをした。

 佑は目だけで、「とても不服だ」と訴えてくる。

「月曜日の復帰を前に、風邪を引いては困るのです。御免!」

 最後は武士のように言うと、佑が体を揺らして笑った。

「ったく、香澄はずるいな。何でも可愛さで誤魔化そうとするんだから」

「可愛いって思ってくれてるの、佑さんぐらいだよ」

 クスクス笑い、香澄はじんわりと体の奥に根付いた火を誤魔化そうとする。

「……いい眺め」

「ん?」

 呟いた佑の視線を追うと、香澄の乳房が佑の胸板でふんわりと押し潰されているのが見える。

「もう、えっちだなぁ」

「エッチだよ? 揉みたいし、吸いたい」

「んー……。それぐらいなら……いいのかな?」

 体液を口にすれば風邪がうつるかもしれない。
 けれど胸を揉むぐらいならいいのでは……と、妥協点を見つけようとする。

(よし)

 香澄は体の位置をずらし、佑の口元に乳房を押し当てた。
 すると佑は両手で香澄の尻たぶを掴んでくる。

「ん……」

 佑は香澄の乳輪を舐めてから、乳首を口に含む。

「あぁ……、ん……、ん」

 躾けられた体は、乳首を吸われ、舌でねぶられるだけで下腹部にジン……と熾火を作る。

 佑は香澄の肉感的な尻たぶに、指先を食い込ませて揉んだ。
 そのあと秘所に指を這わせ、濡れた場所がクパ……と音を立てるほど左右に開いた。

「やだ……もう」

 卑猥な水音を聞いて、香澄は赤面しながら佑を軽く睨んだ。

「濡らしてるのは香澄だろう?」

 佑は嬉しそうに微笑み、睨まれても効いていないので始末が悪い。

「た、佑さんなんて窒息すればいいんだ」

 恥ずかしくなった香澄は、乳房を佑の顔に押しつけて窒息を試みる。

 だが――。

「ひぁんっ」

 乳首を軽く噛まれ、濡れた秘部を指で撫でられて悲鳴を上げた。

「悪いうさぎだな。本当にうさぎなら、この辺にある尻尾を引っ張っていたところだけど」

 そう言って佑は、香澄の尾てい骨の辺りをサワサワと撫でてくる。

「やぁっ……、も、もぉ。動物の尻尾は引っ張ったら駄目なんだよ?」

 そう言いつつ、香澄は佑の耳を軽く引っ張る。

「俺の中で香澄うさぎは、甘えたがりで俺がいないと寂しくて死にそうになるし、すぐ発情期になって、孕んだら多産なうさぎ。……いいだろ?」

「良くない! 男の人の悪い妄想が固まってる」

 文句を言いながらも、香澄は佑の両頬を手で包み「んーっ」とキスをする。

「ん……、ん!」

 自分優位でキスをしたつもりだったが、秘部を撫でていた佑の指がツプリと蜜口に入り込み、彼女は切ない吐息を漏らして体を震わせた。

「仕方がないだろう? 香澄は俺の理想の女なんだから。一杯夢が詰まってしまうんだよ」

 佑は片手で香澄を抱き寄せ、もう片方の手でクチュクチュと蜜壷を暴く。

 低い声で囁かれるのが堪らなく、香澄は顔を真っ赤にして喘ぎ声を堪えた。

「あ……っ、ん、ぁ……。あ、……あ!」

「ん?」

 小さな喘ぎ声のあとに素の「あ!」が入り、佑が香澄の顔を覗き込む。

「……キ、キス、しちゃった」

 あれだけしないように気を付けていたのに、勢いでキスをしてしまい、香澄は猛省する。
 それを聞いて佑は「ふはっ」と気の抜けた笑いを漏らし、香澄の頬に唇を押しつけた。

「さて、佑菌に勝てるかな?」

「ん……っ、ふふっ、菌とか使ったら駄目……っ、あはは……っ」

 香澄はクスクス笑いながら、蜜壷を指で刺激されて感じている。

 そんな香澄を愛しそうな目で見たあと、佑は一度指を引き抜き、香澄を押し倒した。
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