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第十三部・イタリア 編

胸イキ ☆

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 ワンピースの胸元の布が、佑の手の形に変わってモゾモゾと動いている。

「香澄、胸だけで達ける?」

「え? ……わ、わかんない」

 乳首をいじられて大分敏感になった自覚はあるが、胸だけで達した事はない。
 胸だけで達くなど、とてつもなくハードルの高い事に思える。

「じゃあ、試してみよう」

 佑は微笑み、両手をワンピースの中に入れてきた。
 ワンピースは大きく捲り上がり、腹部まで丸見えだ。

「……ワンピース邪魔でしょ。シャツワンピだし、ボタン外したら直接揉めるよ」

 思わず申し出した香澄は、乗り気になっている自分に赤面する。

「ん、そうだな」

 微笑んだ佑は、嬉しそうにボタンを外していく。

「ブラとキャミ、押さえてて」

「ん」

 佑に言われて自ら胸元を晒した香澄は、彼が愛しげに目を細めて乳房を見る姿に愉悦を覚える。
 やがて佑は顔を傾けて口を開くと、はむ、と胸の先端にしゃぶりついた。

「ン……」

 舌で乳輪をなぞられ、下腹が疼く。
 もう片方の乳房は焦らすように揉まれ、ときおり指が乳首をかすめる。

「ぁ……、あ……、ん」

 香澄は小さく呼吸を繰り返し、下腹部の疼きを誤魔化すように腰を揺らした。

 だが佑の膝の上に座っているで、どうしても腰を揺らすと彼の昂ぶりを感じてしまう。

 ストッキングと下着越しに、芯を持ち始めたモノが分かる。
 無意識にそれを擦るように腰を動かしていると、佑が文句を言いたげに香澄を見た。

「香澄。最後までできないから、イタズラしたら駄目だ」

「だって……」

 佑の雄芯を可愛がりたいと思うのは、もう香澄の本能になっている。

 いつの間にか香澄の目も、とろりと熱を孕んでいる。
 その目を見て、荒ぶる熱を押し込めた佑は唇を歪める。

「いい子だから胸だけで我慢してくれ」

 チュプッと乳首にキスをされ、香澄の中から際限のない欲望がトロトロと溢れてくる。
 できるだけ彼を刺激しないように努めるも、香澄は両手で彼の髪を掻き回し、耳を舐める。

「……すき……」

 こしょっと囁くと、佑が窘めるように乳首を甘噛みした。

「ぁん……、ん……」

 香澄は口内の唾液をゴクッと嚥下し、佑が吸いやすいように胸を張る。

「はぁ……、あ……」

 佑は何度も丁寧に香澄の乳首を舐め、尖らせては唇に含んでちゅっと吸う。

 正直、胸だけで達するなどできないと思っていたが、何度も愛された体は淫猥に花開く素質を秘めていた。
 ジワジワと快楽の熾火が燃え上がり、心地いい悦楽に酩酊していく。

 香澄は自然と腰を揺らし、淫芽を擦りつけるように動いてしまう。

 愛撫されている乳首は刺激を受け、より硬さを増す。
 先端のへこみを軽く引っかかれると、耐えがたい掻痒感に襲われて涎が垂れそうになった。

「んっ……、く、……ぅ、――ふ、ぅ……っ、う」

(弄られてるの、胸なのに……っ、お腹、ズキズキする……っ)

 下肢には触れられていないのに、まるで陰核を弄られているような淫悦を得て、確かに快楽の種が芽吹こうとしている。
 佑と付き合ってから執拗に愛撫されるようになった香澄の胸は、彼女が思っているよりずっと感度が良くなっていた。

「ぁ、く……、ん、ぁ、あ……っ」

(……き、……ちゃう、もう、……少し、……で)

 思わず香澄は佑の頭を抱き締め、腰を反らして胸を押しつける。
 佑も彼女の昂ぶりを感じたからか、先端をチロチロと舐め、もう片方の乳首を少し強めに摘まんだ。

「あっ! …………ぁ、…………あー……、ぁ……」

 やがて絶頂が訪れ、香澄は目を閉じてその感覚を丹念に拾い上げていく。

 膣奥がピクピクしているのが分かり、口端からトロォ……と涎が垂れる。
 達している香澄の乳首を佑が甘噛みし、その感覚がまたお腹の奥にズン……と響く。

「……ぁ、……あぁ……」

 香澄は胸を曝け出して脱力し、ぱふっと佑に抱きついた。

 鼓動が速まって、頭がぼんやりしている。

 淫芽や蜜洞を愛撫されて達した時ほど強くないが、確かに香澄は胸だけで絶頂した。
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