747 / 1,544
第十二部・パリ 編
チェーンとリング ☆
しおりを挟む
「ああ、俺のうさぎがピョンピョコ跳ねてきた」
佑はすでにジェットバスに入っていて、濡れた手で前髪を掻き上げ笑っている。
「もーっ! 止めて! これ止めて!」
両手で胸を覆い、体を揺すってねだるとようやく尻尾の震えが止まった。
「あはははは……! 可愛い……!」
怒ろうにも佑があまりに朗らかに笑うので、怒るに怒れない。
「もぉぉぉ……」
「おや、うさぎのはずなのに牛になった」
小さなリモコンを濡れない場所に置き、佑がまた笑う。
「もぉ。あんまりうさぎを怒らせても知らないんだからね? ちょっと調べたら、うさぎって寂しがり屋で甘えん坊……じゃなくて、結構強いんだから。自分のしたい事しかしなくて、邪魔をしたら許さないの。それでもって発情期には気性が荒くなるんだって」
香澄の説明を聞き、佑はニヤリと意地悪に笑う。
「ふぅん? じゃあ、プリプリ怒っている今は発情期なのかな?」
揚げ足を取られて香澄は何も言えなくなり、頬を膨らませる。
香澄は洗面所の椅子に腰掛け、うさぎの尻尾に力が加わらないように、片足をお尻の下に挟んでワンクッション作った。
「香澄、もう一つプレゼントがあるからこっちにおいで」
「え? ……何かやだ。やな予感しかしない」
「俺を慰めてくれるならおいで。毎回こんな事はしない。今夜だけスペシャルなんだろ?」
「…………もー」
けれど自分で言ってしまった手前、従わざるを得ない。
椅子から下りて、両手で胸を覆ったまま浴槽に近付くと、佑はバスタブの縁に座って大理石の上に置いてあったチェーンを手に取る。
「……なに……それ。……チェーンハーネス? ならさっきつけたけど……」
細い金色のチェーンには嫌な予感しかない。
おまけにチェーンには小さなリングが幾つもついている。
「言ったら香澄は『嫌だ』って言うから、俺につけさせて」
「……うー」
じろりと上目遣いに睨んでも、匂い立つほど妖艶な彼はうっすら笑ったまま引こうとしない。
「……今回だけ……だからね」
一歩前に出ると、顎を掴まれてちゅっとキスをされた。
「ありがとう。結局折れてくれる香澄が好きだよ」
目の前でヘーゼルの目が嬉しそうに細められ、香澄は「ずるい」と思った。
こんな美しい男性にお願いをされて、断れるはずがない。
佑は香澄の髪が濡れないように、出しておいたバスタオルで手を拭いた。
そしてチェーンを香澄の首に回し、そこから三本伸びたチェーンのうち、二本の先端にある小さなリングを持つ。
「……それってピアス? 私、ピアス開いてないよ?」
「大丈夫だよ。これはピアスじゃなくて挟むだけ。ほら」
佑は香澄にリングの切れ目を見せる。
「つける前に、勃たせないとな」
佑はそう呟き、香澄の手を退けると、ちゅっと彼女の乳首に吸い付いた。
「え! ……えっ!? 耳じゃないの!?」
香澄は慌てふためき、佑の肩を押す。
「耳じゃないよ。これは香澄の可愛い乳首につけるんだ」
シンプルな金色のリングを見せつけられ、カァーッと顔が赤くなる。
(……となると)
気になった香澄は、そろりと残る四つのリングを見る。
「じゃ……じゃあ……こっちは?」
こんな物があるなんて知らなかった。
絶望的な顔をする香澄の前で、佑はこの上なくいい笑みを浮かべた。
「香澄のココにつけるんだよ」
花弁をクニッと撫でられた途端、あまりに破廉恥なアクセサリーに顔が真っ赤になった。
「嘘ぉ! ……こんなんあっていいの!?」
「目の前にあるだろ? 世の中には、本当にピアスを開けている人もいるよ」
過激な事を言われ、香澄はいやらしいと思うより、痛そう……と思って眉を寄せる。
その間も佑は指でクリクリと香澄の乳首を弄り、硬く尖らせている。
舌でレロリと舐め上げては指でこより、またチュパッと吸い上げる。
「ん……、もぉ……。佑さんどこでこんな知識仕入れるの?」
文句を言いつつも、香澄は胸からジンジンと甘い疼きに体を支配され、色っぽい溜め息をついていた。
「男には色々情報の仕入れ処があるんだよ。でも浮気はしてないし、エッチなサイトも買い物以外は見てないから、安心してほしいな」
「むー」
佑にも男友達はいるだろうし、大人の男性として猥談をする事もあるだろう。
性欲を否定するつもりはない。
佑はすでにジェットバスに入っていて、濡れた手で前髪を掻き上げ笑っている。
「もーっ! 止めて! これ止めて!」
両手で胸を覆い、体を揺すってねだるとようやく尻尾の震えが止まった。
「あはははは……! 可愛い……!」
怒ろうにも佑があまりに朗らかに笑うので、怒るに怒れない。
「もぉぉぉ……」
「おや、うさぎのはずなのに牛になった」
小さなリモコンを濡れない場所に置き、佑がまた笑う。
「もぉ。あんまりうさぎを怒らせても知らないんだからね? ちょっと調べたら、うさぎって寂しがり屋で甘えん坊……じゃなくて、結構強いんだから。自分のしたい事しかしなくて、邪魔をしたら許さないの。それでもって発情期には気性が荒くなるんだって」
香澄の説明を聞き、佑はニヤリと意地悪に笑う。
「ふぅん? じゃあ、プリプリ怒っている今は発情期なのかな?」
揚げ足を取られて香澄は何も言えなくなり、頬を膨らませる。
香澄は洗面所の椅子に腰掛け、うさぎの尻尾に力が加わらないように、片足をお尻の下に挟んでワンクッション作った。
「香澄、もう一つプレゼントがあるからこっちにおいで」
「え? ……何かやだ。やな予感しかしない」
「俺を慰めてくれるならおいで。毎回こんな事はしない。今夜だけスペシャルなんだろ?」
「…………もー」
けれど自分で言ってしまった手前、従わざるを得ない。
椅子から下りて、両手で胸を覆ったまま浴槽に近付くと、佑はバスタブの縁に座って大理石の上に置いてあったチェーンを手に取る。
「……なに……それ。……チェーンハーネス? ならさっきつけたけど……」
細い金色のチェーンには嫌な予感しかない。
おまけにチェーンには小さなリングが幾つもついている。
「言ったら香澄は『嫌だ』って言うから、俺につけさせて」
「……うー」
じろりと上目遣いに睨んでも、匂い立つほど妖艶な彼はうっすら笑ったまま引こうとしない。
「……今回だけ……だからね」
一歩前に出ると、顎を掴まれてちゅっとキスをされた。
「ありがとう。結局折れてくれる香澄が好きだよ」
目の前でヘーゼルの目が嬉しそうに細められ、香澄は「ずるい」と思った。
こんな美しい男性にお願いをされて、断れるはずがない。
佑は香澄の髪が濡れないように、出しておいたバスタオルで手を拭いた。
そしてチェーンを香澄の首に回し、そこから三本伸びたチェーンのうち、二本の先端にある小さなリングを持つ。
「……それってピアス? 私、ピアス開いてないよ?」
「大丈夫だよ。これはピアスじゃなくて挟むだけ。ほら」
佑は香澄にリングの切れ目を見せる。
「つける前に、勃たせないとな」
佑はそう呟き、香澄の手を退けると、ちゅっと彼女の乳首に吸い付いた。
「え! ……えっ!? 耳じゃないの!?」
香澄は慌てふためき、佑の肩を押す。
「耳じゃないよ。これは香澄の可愛い乳首につけるんだ」
シンプルな金色のリングを見せつけられ、カァーッと顔が赤くなる。
(……となると)
気になった香澄は、そろりと残る四つのリングを見る。
「じゃ……じゃあ……こっちは?」
こんな物があるなんて知らなかった。
絶望的な顔をする香澄の前で、佑はこの上なくいい笑みを浮かべた。
「香澄のココにつけるんだよ」
花弁をクニッと撫でられた途端、あまりに破廉恥なアクセサリーに顔が真っ赤になった。
「嘘ぉ! ……こんなんあっていいの!?」
「目の前にあるだろ? 世の中には、本当にピアスを開けている人もいるよ」
過激な事を言われ、香澄はいやらしいと思うより、痛そう……と思って眉を寄せる。
その間も佑は指でクリクリと香澄の乳首を弄り、硬く尖らせている。
舌でレロリと舐め上げては指でこより、またチュパッと吸い上げる。
「ん……、もぉ……。佑さんどこでこんな知識仕入れるの?」
文句を言いつつも、香澄は胸からジンジンと甘い疼きに体を支配され、色っぽい溜め息をついていた。
「男には色々情報の仕入れ処があるんだよ。でも浮気はしてないし、エッチなサイトも買い物以外は見てないから、安心してほしいな」
「むー」
佑にも男友達はいるだろうし、大人の男性として猥談をする事もあるだろう。
性欲を否定するつもりはない。
22
お気に入りに追加
2,509
あなたにおすすめの小説
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜
湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」
30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。
一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。
「ねぇ。酔っちゃったの………
………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」
一夜のアバンチュールの筈だった。
運命とは時に残酷で甘い………
羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。
覗いて行きませんか?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・R18の話には※をつけます。
・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。
・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
若妻シリーズ
笹椰かな
恋愛
とある事情により中年男性・飛龍(ひりゅう)の妻となった18歳の愛実(めぐみ)。
気の進まない結婚だったが、優しく接してくれる夫に愛実の気持ちは傾いていく。これはそんな二人の夜(または昼)の営みの話。
乳首責め/クリ責め/潮吹き
※表紙の作成/かんたん表紙メーカー様
※使用画像/SplitShire様
【R18】鬼上司は今日も私に甘くない
白波瀬 綾音
恋愛
見た目も中身も怖くて、仕事にストイックなハイスペ上司、高濱暁人(35)の右腕として働く私、鈴木梨沙(28)。接待で終電を逃した日から秘密の関係が始まる───。
逆ハーレムのチームで刺激的な日々を過ごすオフィスラブストーリー
法人営業部メンバー
鈴木梨沙:28歳
高濱暁人:35歳、法人営業部部長
相良くん:25歳、唯一の年下くん
久野さん:29歳、一個上の優しい先輩
藍沢さん:31歳、チーフ
武田さん:36歳、課長
加藤さん:30歳、法人営業部事務
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる