上 下
641 / 1,548
第十一部・スペイン 編

どっちも ☆

しおりを挟む
 思わず下腹部に視線をやると、恥丘の向こうで卑猥な色をした亀頭が行ったり来たりしている。

「んン……っ、ん、ぁ、たす、――く、さん……っ」

 耐えきれず香澄も腰を動かし、彼の律動に合わせて刺激を乞う。
 だが佑は腰を引いて熱杭を離し、香澄は思わず「あぁん……」と情けない声を漏らした。

「すぐに食べたら勿体ないだろ? きちんと前菜から味わわないと」

 そう言って佑は香澄の腰を支えると、枕を挟んできた。
 彼は愉悦の籠もった目で香澄を見つめ、指で秘唇をクチュクチュと撫でてくる。

「ん、んゃ……っ、は、早く食べていいから……っ」

 焦れた香澄が腰を揺するが、佑に押さえつけられた。

「だーめ」

 甘くも残酷な声がし、ツプ……と佑の指が蜜口に埋められた。

「……ン……ん」

 体内に彼の指が入り込む感触に、香澄はコクッと唾を飲む。

 クチュクチュと中を軽く掻き混ぜられただけで、たっぷりと潤った場所が淫猥に啼く音が聞こえた。

「あ……、あ……ん……。そこ……、擦っちゃやぁ……」

 香澄が感じる馴染みの場所近くを、佑はわざと擦ったり、かすめたりして焦らしてくる。
 弱点ではない場所に触れられて一瞬気を緩めた時、佑の親指が蜜をすくってクリュッと肉芽を転がしてきた。

「あぁんっ! ン、あぁっ、あ……っ」

 直接的な気持ちよさが体を駆け抜け、口から甘ったるい嬌声が迸る。

「香澄はもう中で達けるもんな。外と中と、どっちが好き?」

 佑は恥ずかしい質問をし、片手で香澄の蜜壷と肉芽を虐めつつ、もう片方の手で乳房を愛しむ。

「んンーっ、ん、あぁ、あ、……ん、やぁ、……やぁ、どっちも……っ」

 首を振りたくり「どっちも嫌」と言いたかったのだが、中途半端に途切れた言葉を佑は自分の都合のいいように解釈した。

「ふぅん? 〝どっちも好き〟か」

 ペロリと彼が唇を舐めたのを見て、香澄の顔面から血の気が引いてゆく。

「やぁ……っ、ちがっ……、――ぁ、あぁああぁっ!」

 途端、それまで探るようだった佑の指づかいが一変し、ヌチュグチュと香澄の蜜壷を容赦なく掻き回してきた。
 肉芽のさやを器用に剥き、中の真珠を直接弄られ、香澄は悶える。
 目の前でチカチカと光が瞬き、香澄は両手で佑の腕を握り、いきんで達する。

「凄い締め付けだよ、香澄。指が押し出されてしまいそうだ」

 佑は香澄が達ったのを知りつつ、攻める手をやめようとしない。
 それどころか彼女の乳首を吸い、レロレロと舐め回してきた。

 上も下も攻められて、香澄は切れ切れの呼吸で強すぎる快楽を必死に堪えるしかない。

「ぁ……っ、あぁ、――――ん、んン……っ」

 深い呼吸を繰り返し、後頭部をシーツに擦りつけ潤んだ目で天井を見上げる。

「温かくて柔らかくて、ヌルヌルして、最高にやらしい」

 クチュクチュと香澄の深部を暴き、佑がさらに羞恥を煽る言葉を口にした。

「やだぁ……っ、や、やぁっ! ぃ、……っ、達ったからぁっ、達ったのぉ……っ」

 手足を使って体をずり上げ、佑の手から逃れようとするが、太腿の付け根をしっかり掴まれ叶わない。

「香澄が潮を噴く場所は……ココだっけ?」

「ひ……――――っ」

 嬉しそうな顔をした佑が、香澄の内部で指を蠢かせる。
 ある一点に指先が辿りつくと、そこで蜜を掻き出すような動きで媚壁を擦りたて始めた。

「やぁっ、やだっ、やだやだっ! それやなの……っ、ぁ、あぁあああ……っ!」

 ぐぅっとお腹の奥で何かがこみ上げる感覚があり、香澄はもよおしてしまいそうな衝動に怯えた。
 佑は香澄が潮を噴くと喜ぶが、噴かせられる香澄としては一つ誤れば大惨事になりかねない。
 恥ずかしくて嫌なのに、佑は嬉しそうに攻め立ててくるのだ。

「ん……っ、んぅううっ!」

 それでも我慢の限界が訪れ、香澄は両手で顔を覆いプシャッと彼の手元で透明な飛沫を弾けさせた。

「あー……っ、ン……、んん……、も……、やぁ……」

 体を弛緩させた頃、やっと佑が指を抜いてくれた。

 胡乱な目で彼を見やれば、嬉しそうな顔で指にたっぷりついた蜜を舐めている。
 それも恥ずかしくてやめてほしいのだが、もう毎度の事なので半ば諦めていた。

 手についた蜜をすべて舐め終えた佑が、香澄を見下ろしてくる。
 その目に湛えられた強い情欲に、香澄の腰にゾクゾクッと震えが走る。

「入れていい? それとももっと焦らしたほうがいい?」

 この期に及んで佑はまだ香澄の意志を聞いてくる。

 たっぷりと愛撫を受け、香澄は体力がなくなり、喘ぎすぎて声も細くなっていた。
しおりを挟む
感想 555

あなたにおすすめの小説

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

『逃れられない淫らな三角関係』番外編 ヘルプラインを活用せよ!

臣桜
恋愛
『逃れられない淫らな三角関係』の番外編です。 やりとりのある特定の読者さまに向けた番外編(小冊子)です。 他にも色々あるのですが、差し障りのなさそうなものなので公開します。 (他の番外編は、リアルブランド名とかを出してしまっている配慮していないものなので、ここに載せるかは検討中)

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~

あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

ナイトプールで熱い夜

狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…? この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。

処理中です...