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第九部・贖罪 編

毎日、手加減なしで抱くと言っている ☆

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「……香澄」
「ごめんなさい! ……呆れたよね? こんな淫乱だって思わなかったよね……」

 クシャッと顔を歪めて立ち上がろうとすると、しっかり抱き留められる。

「香澄、家から出るんじゃない」

 低い声ですごまれ、香澄は目を丸くして佑を見つめた。

 一瞬にして、「こんな性欲まみれの女が婚約者だと、世間に思われるのが嫌なんだ」と悟った。

 絶望した香澄の顔を見て、佑は首を横に振る。
 そして息を震わせながら吐き、呟く。

「……人恋しいなんて……。そんな状態で外に出て、うっかりよその男についていったら俺は気がおかしくなる」

「……しないよ。やだよ、そんなの」

 半ば呆けて首を横に振るが、佑は信じないというようにギュッと抱き締めてくる。
 彼の指先が、素肌に食い込む。

「……今、すごく怖くなった。斎藤さんたちがいるから大丈夫かと思っていたが、昼間、香澄がどれだけ不安なのか分かっていなかった。口のうまい男が現れて、弱った香澄を連れていったらどうしようって、堪らなく怖くなった」

 香澄を抱き締めている佑の手は、微かに震えている。
 不安にさせて申し訳ないと思うのに、彼の気持ちが嬉しい。

「……そんな尻軽じゃないよ。佑さんが抱いてくれたらいいの。構ってちゃんみたいでごめんね。いつもより求めちゃうかもしれないけど、……安心させてくれたら大丈夫」

 裸のまま佑に抱きつき、香澄は小さな声で呟く。

 佑以外の誰かに抱かれるなんて、絶対に嫌だ。

 それでも、寂しさと孤独から、男性に頼りたくなる女性の気持ちが分かった気がした。
 セックスフレンドだとしても、一緒に時間を過ごして抱き合えば、一時的な寂しさを紛らわせる事ができる。

(……でも、私はセフレなんて要らない)

 キュッと佑を抱き締め、香澄は彼の首元に顔を埋める。
 しばらく二人は抱き合っていたが、佑が尋ねてきた。

「……じゃあ、俺が毎日求めても大丈夫?」
「むしろお願いして申し訳ないぐらいで……」

 そこまで言った時、体が密着するほど抱き寄せられ、屹立を押しつけられた。
 そして真剣な目が香澄を射貫いてきた。

「毎日、手加減なしで抱くと言っている」

「う……」

 これ以上ない強い目で見られ、香澄はたじろぐ。

「いいのか?」

 ――でも、抱いてほしい。
 ――側にいていいんだよって、体に分からせてほしい。

「……お、…………お願い、します……」

 蚊が鳴くような声で返事をしたあと、腰を掴まれ立たされた。
 先ほどのようにデスクの端に手をつけられ、お尻を突き出すポーズにされる。

 佑は荒ぶった感情を落ち着かせるように、息を細く長く息を吐き出した。

 そして香澄の背中に強く吸い付く。

「あっ」

 チリッと小さな痛みが走った瞬間、噛みつくタイプのキスマークをつけられたのだと分かった。

 それから何度も、痛みが背中のあちこちに与えられていく。
 佑は背後から香澄を抱き、胸を揉みながら所有印をつけていった。

 腰へ唇が下がると同時に、彼もしゃがんで真っ白なお尻にかぶりつく。

「ぅん……っ」

 それこそ歯形がつくほど、お尻に噛みつかれた。
 じゅうっと強く吸われ、それだけでお腹の奥がキュウンと甘く疼く。

 先ほどの羽根攻めで感じた場所は赤く熟れ、太腿の際に蜜が垂れている。

「は……。美味しそ……」

 潤んだ場所を見たのか、佑が呟いた。

「や……っ」

 何か抵抗するよりも前に、佑の舌が香澄の花弁を舐めていた。

「ひぅ……っ」

 ピチャ……と温かく柔らかい舌が花弁をくすぐり、とろついた粘膜を擦ってゆく。

「ん……っ、ん、ぁ……、き……もちぃ……っ」

 佑の舌がひらめくたび、香澄の脳髄すら舐められているかのように全身がゾワゾワする。
 総毛立って脚を震わせる香澄は、ゆるゆると首を振り優しい快楽を堪えた。

 佑は秘唇に唇をつけ、ジュルルッとわざと愛蜜を啜る。
 その振動にすら感じ、香澄は甘ったるい声を上げて悶えた。

「っあぁん……っ、ン、あぁ、あ……っ」

 佑の息継ぎが聞こえ、またお尻に吸い付かれたかと思うと、潤んだ場所に指がぷちゅっと入り込んだ。
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