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第七部・双子襲来 編

こんなに愛されて可哀相に ☆

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「香澄、感じてる? 気持ちいい?」
「うん……っ、き……っもち、ぃ……っ」

 佑の指が香澄の内部を的確に擦り、あまりに気持ちよくてしがみつくので精一杯だ。

「今は、俺が愛したいと思うのも、気持ちいいと思ってほしいのも、香澄だけだ。香澄が命じるならどんな事だってする。一晩中、挿入しないで香澄に奉仕したっていい。それぐらい、愛してる」

 まっすぐに見つめたまま、佑は偽りのない言葉を向けてくる。

「香澄が俺を責めたいなら、別れる以外のどんな罰だって受ける」
「や……っ、あっ! ぁ、あぁっ」

 ――そうじゃない!

 香澄は悦楽に攫われながらも懸命に首を振ったが、ぷくんと膨れた肉芽に触れられて顔を仰のけた。

「じゃあ、どうしたら許してくれる? 貞操帯でも着ける?」
「や……っ、やああぁっ、そ……っんな、ことっ、言ってな……っ」

 佑の言葉はどんどん倒錯的になっていく。

 あまりに香澄を知り過ぎた指に陥落し、彼女は渾身の力でしがみついたまま、ガクガクと体を震わせて達してしまった。

「ほら、こんなに可愛い顔を見られるのも、俺だけだ。双子と一緒にいるだけならまだ許せるけど、それ以上の事は絶対に許さない」

 佑は香澄の手を掴むと、口の中に入れて舐め回した。

「あぁ……っやっ……」

 指の一本一本、指の股までヌルヌルと舐められ、腰にゾクゾクとした喜悦が走り抜ける。

「本当は香澄を閉じ込めたいぐらいだ。俺しか入れない部屋で、俺だけを認識して生きてほしい」

 狂気の片鱗が見え隠れする目で見つめられ、香澄は涙を零す。

「そんな……っ」
「――こっち、向いて」

 佑は香澄の腰を抱え、自分の膝の上に向かい合わせに座らせる。

 自身の屹立を数度しごいて硬度を確かめ、問答無用で亀頭を蜜口に押し当てた。
 そして香澄のお尻に指を食い込ませ、彼女の腰を下ろしてゆく。

「あっ、――ぁ、あ……っ、あぁー……っ、…………ぁ」

 ――入っちゃう……!

 太竿がズブズブとお腹の中に収まっていく。

 香澄は小さな下の口で精一杯佑を頬張り、苦しげに唇を喘がせる。

 涙を纏った目で佑に訴えかけても、彼は激しい感情を宿した目で見つめ返すだけだ。

 濡れた手が香澄の頭を撫で、頬に触れ、指で唇を押し潰す。

「こんなに愛されて可哀相に」

 皮肉げに唇を歪め、佑は香澄の唇を舐める。

「自分でも、こんな俺がいるなんて知らなかったんだ。一人の女性にこんなに固執して、まともじゃない感情を抱くなんて思ってもみなかった」

 驚いているように言うものの、彼の目は嬉々と輝いている。

「俺はとりあえず人が欲しいと思うものを何でも持っている。そこに〝愛する恋人や妻〟がいれば完璧だ。やっと香澄を見つけて手に入れたのに、今さら香澄を手放せない。俺が君を失望させるなら、何でも言う事を聞いて改善したい」

 ぐっと尻肉を掴まれ、まだ埋まっていない部分まで、ずんっと突き上げられた。

「っあぁうっ」

 香澄は佑の肩を掴み、甘い悲鳴を上げる。

「香澄がさっき言っていた事だけど、俺は香澄に完璧なんて求めてない。〝普通〟の香澄が好きだし、努力し続ける姿勢を尊敬する。見た目だけ美しい人なら幾らでもいる。仕事ができる秘書だって、探せばいるだろう。でも公私ともに俺を満たしてくれる〝赤松香澄〟は、君しかいない。香澄は〝何〟になりたがってる? どんなスーパーウーマンを目指してるんだ?」

「……私、いつまで経っても佑さんに釣り合わない……っ」

 自身を貫く熱杭に喘ぎながらも、香澄は懸命に訴える。

「釣り合うって何? 香澄と俺は身分の差でもある? 同じ日本国民なんじゃないのか?」
「だって……っ」

 グスグスと泣く香澄の涙を、佑はチュッと吸い取った。

「言っただろう? 俺はただの日本人。一般家庭に生まれて育ち、自力で会社を育てた。根っこの部分は、香澄と同じだ。生まれながらの貴族でもないし、特別な力を持った〝何か〟でもない。それなのに、香澄はどうして俺に遠慮する? 君みたいな素晴らしい女性、他に見た事がないのに、何でそんなに勿体ない考え方をするんだ」

「…………っ」

 ――丸裸にされている。

 色素の薄い目に強く見つめられ、香澄はそう感じた。

 佑は香澄の本心など、とうに見透かしている。

 劣等感や遠慮、「自分なんか」と思ってしまう気持ち。

 いつもは佑に合わせて対等な口調で喋り、恋人として振る舞っているが、その根本には生活も仕事も、すべて面倒を見てもらっているという申し訳なさがある。

 それを分かっていながら、佑は「全部受け入れて楽になれ」と言うのだ。
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