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第七部・双子襲来 編

嫉妬からの口淫 ☆

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「分かりました。すぐ仲直りできると思いますか?」

「……お客様次第だと思いますよ? 私はちゃんとお客様を射精まで導いて、時間まで抱き枕になるしかできませんから」

 過去に佑が呼んだデリヘル嬢がしただろう事を口にし、香澄は念入りに彼に奉仕する。

 ねろりと雁首に舌を這わせ、根元をしつこく扱き上げる。
 片手で陰嚢をふにふにと弄び、たまにお仕置きの意味も込めて優しく握り込んだ。

「ぁ……、……っく」

 佑の腰が蠢くのを押さえ、邪魔な髪を掻き上げて耳にかけ、歯を立てないように顔を前後させる。

(デリヘルの人も、相手が佑さんだったら好きだったんだろうな。フェラするだけでも、御劔佑に奉仕できるなら、きっと誰だってしたがると思うし。抱き枕なんて、ほとんど恋人じゃない)

 顔も知らないその人の気持ちになればなるほど、悔しさが溢れて涙が出そうだ。
 じゅうっと強めに吸い付くと、香澄の頭を押さえる手に力が籠もった。

(乱暴にして道具みたいに使った? それとも優しくして頭いい子いい子した? ごっくんしたら『ありがとう』って言ったの?)

 嫉妬するほど、どんどん情けなくなり、とうとう佑の下腹部にポトリと涙が滴り落ちた。

「ん……っ、ふ、……ぅ、ひくっ、……んっ、う、……ぅっ」

 しゃくり上げながら奉仕を続ける香澄の頭を、佑が撫でる。

「香澄? 泣くほどつらいなら、しなくていいから……」
「んーっ!」

(私がお仕置きしてるの!)

 香澄はバシッと佑の腿を叩く。

 そして「絶対に出してやるんだから」という気持ちで、思いきり亀頭に吸い付き、口内で舐め回した。

 顔を振り立て、先ほどよりも強く竿をしごく。
 責めるような目で佑をねめ上げ、わざとじゅうっ、ちゅばっと音を立てた。

 佑と知らないデリヘル嬢の時間に嫉妬し、〝その時〟佑がどんな顔で果てたのか見てやろうという気持ちがこみ上げる。

 佑は熱の籠もった目で香澄を見下ろし、何度も彼女の髪を掻き回した。
 小さな耳を摘まみ、顎のラインを指で辿ったあと、また額の辺りから後頭部へと髪を撫でる。

(優しくしたの? ……ねぇ。『気持ちいい』って堪らなくなって、出したの?)

 口元からグプッと空気が入り込んでいやらしい音がし、香澄の顔はますます赤くなってゆく。
 口内ではしょっぱい先走りが唾液と混じる。

 それを佑の屹立に纏わせ、さらにジュボジュボと唇を滑らせた。

「あ……っ、ぁ、――出る……っ」

 佑が呻いて香澄の肩を押したが、香澄は「んんぅっ」と首を振り、自ら最奥まで彼の亀頭を迎え入れた。

「――――っっ」

 口の中で佑がビクビクッと震え、喉の奥に精液が浴びせられる。

 飲む準備をしていたものの、激しく喉に掛けられて思わずえずきそうになる。
 それでも香澄はポトポトと涙を零し、口内にある精液を、唾液ごと嚥下した。

「んぐっ……、ん、……ン、……んくっ……、っぷぁ……」

 酸素を求めて開かれた唇から、勢いを失っていないモノが飛び出る。

 香澄は目の前でなおも天を向いている肉竿を、欲のこもった目で見つめる。
 そして僅かな残滓も逃がさないと、唇をすぼめて鈴口をチュウチュウと吸った。

「……ぁっ、かす……みっ」

 佑の腹筋に力が入り、震える。
 やがて欲をすべて出し切った佑は、荒くなった呼吸を整えながら、何度も香澄の頭を撫でた。

「全部出たよ。ありがとう」
「…………っ」

 その「ありがとう」が、自分に向けられたものなのか、自分越しにデリヘル嬢に向けられたものなのか分からず、香澄の顔がクシャリと歪む。

「っ……バカっ……ぁっ」

 バスタブの中に座り込んだまま、香澄はとうとう両手で顔を覆い泣き出した。

 強い嫉妬と、嫉妬して情けないという気持ちがせめぎ合い、初めて佑の事を憎たらしいとすら思った。

「……香澄」

 お湯に浸かった佑が、膝の上に香澄を乗せて抱き締めてくる。

「どうしたらいい? 何でもするよ?」

 その優しい声が逆に居たたまれない。

 香澄は佑の肩に額をつけ、激しく嗚咽する。
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