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第六部・社内旅行 編

佑さんは私のです ☆

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「……私の」
「ん?」
「佑さんは、私の、です」

(あああああ……)

 我ながら、なんて恥ずかしい事を言ってしまっているのだろうと思ってしまう。
 けれどずっとエミリアという女性の事を気にしていて、空港では彼のファンを目の当たりにしてしまった。

 なのでどうしても主張しておきたかった。

 真っ赤になった香澄は、ギュウッと抱きついて離れない。
 いや、恥ずかしくて顔を上げられない、が正しい。

 頭上でクス、と笑う気配があり、佑が背中をポンポンと撫でてくれる。
 そのあと頭にキスをされ、彼は優しく言い含めるように言う。

「言っておくけど、香澄に嫉妬という感情は必要ないからな?」
「……ん……」

「今の俺には香澄だけだ。これから先ずっと、俺の人生に〝恋をする異性〟は香澄しかいらない」
「うん」

 嬉しくて笑いつつも、ついつい「それでも妬いちゃうなぁ」と自分の強欲さに呆れてしまう。
 そんな子供っぽい感情を、必死に呑み込んだ。

 佑は他人が思うほど自分の魅力を分かっていないのでは……? とたまに思う。

 背が高くて鍛えていて、誰もが振り向く美男子。
 やり手の経営者でありながら、メディアに露出している有名人で、破格の大金持ち。おまけに母親の血筋はあのクラウザー家で、遡れば貴族だ。

 こんな優良物件を前にして、浮気の心配するなという方がどうかしている。

 久しぶりに会えたからか、香澄は甘えモードになっていた。

「むー……」と佑の胸元でうなりながら、しがみついて離れない。
 そうやって甘えられて、佑が実に幸せそうな顔をしているのを彼女は知らないだけだが。

「俺も健二さんに嫉妬してるけど……、今は俺だけだろ? それを信じてる」
「うん」

 くぐもった声で返事をすると、ポンポンとまた背中を撫でられた。

「なぁ、香澄。抱きつかれるの嬉しいけど、そろそろキスがしたい」

 そう言われて顔を上げると、すっかり二人きりモードの顔をした佑がいる。

「~~っ、色気がヤバイ。格好いい。無理!」
「なんだそれ」

 香澄の言い方に佑は弾かれたように笑った。
 そのあと、不意に妖艶な雰囲気を醸し出し微笑む。

「香澄、夜って何時から? 俺は正直もう待てないんだけど。香澄を抱きたい」
「え……と。じゃあ……、もうちょっとしたらシャワー浴びてきます」

 改めてこれからベッドインすると思うと、恥ずかしくて堪らない。

 照れ隠しに座り直してブラウニーを一つ摘まむと、豆腐のしっとりした食感がして美味しい。
 それを見て佑も手を伸ばした。

「香澄が作ったなら、俺も食べよう」

 佑もコーヒーを飲んでブラウニーを食べ、しばし二人でコーヒータイムを楽しんだ。





「ん……っ、ふ……ぅ」

 佑の寝室の大きなベッドで、香澄は仰向けになり深いキスをされていた。
 彼女は一糸まとわぬ姿で、香澄の上に覆い被さる佑も鍛えた体を晒している。

 キスをされながら頭を何度も撫でられ、香澄は夢心地になっている。

 唇をチロチロと舐められ、チュッとリップ音をさせてついばまれ、滑らかな舌が絡んではまた唇を舐める。
 キスだけでトロトロに蕩かされ、香澄は佑の髪と背中を撫でるしかできない。

「ふ……、ん……」

 すっかり体から力が抜けた頃、佑の顔が香澄の胸元に移動する。
 両側から胸を寄せ、モチモチとした乳房に顔を埋めてはスーハーと呼吸を繰り返した。

「んふふ……。佑さんの変態」

 変わらず佑の髪を撫でていると、彼が舌を出して乳首を舐めてきた。

 そんな彼が、頭の中で双子に「香澄にこうできるのは俺だけだ」と対抗意識を燃やしていると、香澄は欠片も知らない。

「香澄の乳首、可愛い色をしてる」

 舌で螺旋を描くように乳首を舐め、ハァ……と溜め息をついた佑が呟く。

「もぉ……。色とかやだ……」

 勿論、色んな箇所のケアはしている。

 けれど恥ずかしい箇所を話題にされると、褒められているのに羞恥で泣いてしまいたくなる。
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