241 / 1,550
第六部・社内旅行 編
佑さんは私のです ☆
しおりを挟む
「……私の」
「ん?」
「佑さんは、私の、です」
(あああああ……)
我ながら、なんて恥ずかしい事を言ってしまっているのだろうと思ってしまう。
けれどずっとエミリアという女性の事を気にしていて、空港では彼のファンを目の当たりにしてしまった。
なのでどうしても主張しておきたかった。
真っ赤になった香澄は、ギュウッと抱きついて離れない。
いや、恥ずかしくて顔を上げられない、が正しい。
頭上でクス、と笑う気配があり、佑が背中をポンポンと撫でてくれる。
そのあと頭にキスをされ、彼は優しく言い含めるように言う。
「言っておくけど、香澄に嫉妬という感情は必要ないからな?」
「……ん……」
「今の俺には香澄だけだ。これから先ずっと、俺の人生に〝恋をする異性〟は香澄しかいらない」
「うん」
嬉しくて笑いつつも、ついつい「それでも妬いちゃうなぁ」と自分の強欲さに呆れてしまう。
そんな子供っぽい感情を、必死に呑み込んだ。
佑は他人が思うほど自分の魅力を分かっていないのでは……? とたまに思う。
背が高くて鍛えていて、誰もが振り向く美男子。
やり手の経営者でありながら、メディアに露出している有名人で、破格の大金持ち。おまけに母親の血筋はあのクラウザー家で、遡れば貴族だ。
こんな優良物件を前にして、浮気の心配するなという方がどうかしている。
久しぶりに会えたからか、香澄は甘えモードになっていた。
「むー……」と佑の胸元でうなりながら、しがみついて離れない。
そうやって甘えられて、佑が実に幸せそうな顔をしているのを彼女は知らないだけだが。
「俺も健二さんに嫉妬してるけど……、今は俺だけだろ? それを信じてる」
「うん」
くぐもった声で返事をすると、ポンポンとまた背中を撫でられた。
「なぁ、香澄。抱きつかれるの嬉しいけど、そろそろキスがしたい」
そう言われて顔を上げると、すっかり二人きりモードの顔をした佑がいる。
「~~っ、色気がヤバイ。格好いい。無理!」
「なんだそれ」
香澄の言い方に佑は弾かれたように笑った。
そのあと、不意に妖艶な雰囲気を醸し出し微笑む。
「香澄、夜って何時から? 俺は正直もう待てないんだけど。香澄を抱きたい」
「え……と。じゃあ……、もうちょっとしたらシャワー浴びてきます」
改めてこれからベッドインすると思うと、恥ずかしくて堪らない。
照れ隠しに座り直してブラウニーを一つ摘まむと、豆腐のしっとりした食感がして美味しい。
それを見て佑も手を伸ばした。
「香澄が作ったなら、俺も食べよう」
佑もコーヒーを飲んでブラウニーを食べ、しばし二人でコーヒータイムを楽しんだ。
「ん……っ、ふ……ぅ」
佑の寝室の大きなベッドで、香澄は仰向けになり深いキスをされていた。
彼女は一糸まとわぬ姿で、香澄の上に覆い被さる佑も鍛えた体を晒している。
キスをされながら頭を何度も撫でられ、香澄は夢心地になっている。
唇をチロチロと舐められ、チュッとリップ音をさせてついばまれ、滑らかな舌が絡んではまた唇を舐める。
キスだけでトロトロに蕩かされ、香澄は佑の髪と背中を撫でるしかできない。
「ふ……、ん……」
すっかり体から力が抜けた頃、佑の顔が香澄の胸元に移動する。
両側から胸を寄せ、モチモチとした乳房に顔を埋めてはスーハーと呼吸を繰り返した。
「んふふ……。佑さんの変態」
変わらず佑の髪を撫でていると、彼が舌を出して乳首を舐めてきた。
そんな彼が、頭の中で双子に「香澄にこうできるのは俺だけだ」と対抗意識を燃やしていると、香澄は欠片も知らない。
「香澄の乳首、可愛い色をしてる」
舌で螺旋を描くように乳首を舐め、ハァ……と溜め息をついた佑が呟く。
「もぉ……。色とかやだ……」
勿論、色んな箇所のケアはしている。
けれど恥ずかしい箇所を話題にされると、褒められているのに羞恥で泣いてしまいたくなる。
「ん?」
「佑さんは、私の、です」
(あああああ……)
我ながら、なんて恥ずかしい事を言ってしまっているのだろうと思ってしまう。
けれどずっとエミリアという女性の事を気にしていて、空港では彼のファンを目の当たりにしてしまった。
なのでどうしても主張しておきたかった。
真っ赤になった香澄は、ギュウッと抱きついて離れない。
いや、恥ずかしくて顔を上げられない、が正しい。
頭上でクス、と笑う気配があり、佑が背中をポンポンと撫でてくれる。
そのあと頭にキスをされ、彼は優しく言い含めるように言う。
「言っておくけど、香澄に嫉妬という感情は必要ないからな?」
「……ん……」
「今の俺には香澄だけだ。これから先ずっと、俺の人生に〝恋をする異性〟は香澄しかいらない」
「うん」
嬉しくて笑いつつも、ついつい「それでも妬いちゃうなぁ」と自分の強欲さに呆れてしまう。
そんな子供っぽい感情を、必死に呑み込んだ。
佑は他人が思うほど自分の魅力を分かっていないのでは……? とたまに思う。
背が高くて鍛えていて、誰もが振り向く美男子。
やり手の経営者でありながら、メディアに露出している有名人で、破格の大金持ち。おまけに母親の血筋はあのクラウザー家で、遡れば貴族だ。
こんな優良物件を前にして、浮気の心配するなという方がどうかしている。
久しぶりに会えたからか、香澄は甘えモードになっていた。
「むー……」と佑の胸元でうなりながら、しがみついて離れない。
そうやって甘えられて、佑が実に幸せそうな顔をしているのを彼女は知らないだけだが。
「俺も健二さんに嫉妬してるけど……、今は俺だけだろ? それを信じてる」
「うん」
くぐもった声で返事をすると、ポンポンとまた背中を撫でられた。
「なぁ、香澄。抱きつかれるの嬉しいけど、そろそろキスがしたい」
そう言われて顔を上げると、すっかり二人きりモードの顔をした佑がいる。
「~~っ、色気がヤバイ。格好いい。無理!」
「なんだそれ」
香澄の言い方に佑は弾かれたように笑った。
そのあと、不意に妖艶な雰囲気を醸し出し微笑む。
「香澄、夜って何時から? 俺は正直もう待てないんだけど。香澄を抱きたい」
「え……と。じゃあ……、もうちょっとしたらシャワー浴びてきます」
改めてこれからベッドインすると思うと、恥ずかしくて堪らない。
照れ隠しに座り直してブラウニーを一つ摘まむと、豆腐のしっとりした食感がして美味しい。
それを見て佑も手を伸ばした。
「香澄が作ったなら、俺も食べよう」
佑もコーヒーを飲んでブラウニーを食べ、しばし二人でコーヒータイムを楽しんだ。
「ん……っ、ふ……ぅ」
佑の寝室の大きなベッドで、香澄は仰向けになり深いキスをされていた。
彼女は一糸まとわぬ姿で、香澄の上に覆い被さる佑も鍛えた体を晒している。
キスをされながら頭を何度も撫でられ、香澄は夢心地になっている。
唇をチロチロと舐められ、チュッとリップ音をさせてついばまれ、滑らかな舌が絡んではまた唇を舐める。
キスだけでトロトロに蕩かされ、香澄は佑の髪と背中を撫でるしかできない。
「ふ……、ん……」
すっかり体から力が抜けた頃、佑の顔が香澄の胸元に移動する。
両側から胸を寄せ、モチモチとした乳房に顔を埋めてはスーハーと呼吸を繰り返した。
「んふふ……。佑さんの変態」
変わらず佑の髪を撫でていると、彼が舌を出して乳首を舐めてきた。
そんな彼が、頭の中で双子に「香澄にこうできるのは俺だけだ」と対抗意識を燃やしていると、香澄は欠片も知らない。
「香澄の乳首、可愛い色をしてる」
舌で螺旋を描くように乳首を舐め、ハァ……と溜め息をついた佑が呟く。
「もぉ……。色とかやだ……」
勿論、色んな箇所のケアはしている。
けれど恥ずかしい箇所を話題にされると、褒められているのに羞恥で泣いてしまいたくなる。
43
お気に入りに追加
2,552
あなたにおすすめの小説
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
上司は初恋の幼馴染です~社内での秘め事は控えめに~
けもこ
恋愛
高辻綾香はホテルグループの秘書課で働いている。先輩の退職に伴って、その後の仕事を引き継ぎ、専務秘書となったが、その専務は自分の幼馴染だった。
秘めた思いを抱えながら、オフィスで毎日ドキドキしながら過ごしていると、彼がアメリカ時代に一緒に暮らしていたという女性が現れ、心中は穏やかではない。
グイグイと距離を縮めようとする幼馴染に自分の思いをどうしていいかわからない日々。
初恋こじらせオフィスラブ
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。
だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。
車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。
あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。
『逃れられない淫らな三角関係』番外編 ヘルプラインを活用せよ!
臣桜
恋愛
『逃れられない淫らな三角関係』の番外編です。
やりとりのある特定の読者さまに向けた番外編(小冊子)です。
他にも色々あるのですが、差し障りのなさそうなものなので公開します。
(他の番外編は、リアルブランド名とかを出してしまっている配慮していないものなので、ここに載せるかは検討中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる