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第六部・社内旅行 編

もっと早くに出会いたかった ☆

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 佑がどれだけ離れたくないと願っても、毅然として「仕事をしてください」と言った憎たらしい秘書が、こうすれば自分の肉棒で狂ってしまう。

「んんんっ、あっ、ああぁあああぁっ」

 また香澄が達った。
 最奥がヒクヒクと痙攣し、膣全体がぐねぐね蠢いて佑の精液を搾り取ろうとする。

「……は……っ」

 ――最高だ。

(可愛い。可愛い。もう無理だ。可愛い。香澄以外の何も要らない)

 初恋を知ったばかりの少年のように、佑の心の中は彼女で一杯だ。
 性欲の盛りの十代のように、香澄を想っただけで勃起してしまうこの体に思わず笑みが零れ――。

「ん……、く、ぅっ」

 射精する瞬間、しっかりと香澄を見つめながら佑は避妊具の先端に精液を解き放った。
 ビュクビュクと己の白濁が避妊具の中に吐き出され、亀頭近くまで真っ白に塗りつぶしてゆくのが分かる。

「あぁ……」

 残滓すべてを出そうと何度か腰を叩きつけ、佑は色っぽい吐息をついた。

(本当は香澄の中に出したかったな。やっぱり結婚するまでは正式に中出しは駄目なんだろうか)

 射精すると同時にすぐ頭が冷静になってゆく自分が、どこかつまらない。

「……香澄?」

 可愛らしい喘ぎ声が聞こえないと思って一度突き上げてみたが、彼女はクシャクシャになった顔のまま失神していた。

(……体拭いてあげようか)

 荒々しい性欲が去ったあとは、溢れるばかりの慈愛と奉仕の精神のみが残る。

「ん……あぁ……」

 ぬぷ……と香澄の感触を惜しみつつも肉棒を引き抜き、いまだ上向いているそれを中ほどから握る。
 ギュウッと先端に向けて搾るように避妊具を取ると、先端にはたっぷりと白濁が溜まっていた。

「……結構出たな」

 香澄と付き合うようになってからコンスタントに出させてもらっているが、独り身時代と比べて精液の量が多くなった気がする。

「適度なセックスは体にいい、だっけ」

 もっともしすぎも良くないので、本当に続けて毎日……は香澄の体を考えて控えようと思っている。

 しかし挿入せずとも、香澄を指と舌だけで達かせるだけで満足する時もある。
 香澄が生理の時は、服を着たままくっついてイチャイチャするだけで気持ちが満ち足りる。

「……恋人って最強だよなぁ……」

 気持ちが満たされるからか、仕事も張り切って挑めるし、香澄が現れてから何もかもいい事尽くしだ。

「さて、タオル」

 香澄が風邪を引かないようにタオルケットを体にかけ、佑は裸のままベッドの裏にある洗面所に向かった。

 彼女の体を清拭したあと、気になって書斎にあるスマホを見てみた。
 香澄の物にはもちろん触らないが、自分のスマホにもしかして……と思ったのだ。

 メッセージアプリを開くと、思った通りだった。

『心の狭い男lol』
『必死すぎlol』

 ただそれだけの短文。
 しかしそれゆえに、双子の嘲りがダイレクトに伝わる気がした。

 もともと佑もコネクターナウで双子と親族として繋がっていたが、今まで連絡したとしても「今度の○月にそっち行く」ぐらいのものだ。
 来たら来たで、いきなり電話をよこして東京を案内しろだの無茶ぶりがくる。帰国しても礼はなし。

 あとはたまに裸の女といちゃついている写真を送ってくるだけで、同じ職種についていても仕事関係の話はほぼなかった。

 男なので会話が多くなくて当たり前だと思っていたが、双子が香澄相手にあんなにメッセージを送りつけていると思わなかった。

 香澄も香澄で、あの迷惑行為と言っていいものをよく今まで受け流していたものだ。

 というか、グループメッセージに招待されておらず、それが悔しい。

 はぁ、と溜め息をつき、佑は寝室に戻る。

「……なんでこんなに可愛いのかな。もっと早くに出会いたかった。学生時代に出会ってたら、甘酸っぱい恋愛とかできたのかな」

 言うだけただで、埼玉で育った佑と札幌の香澄とでは接点がなさすぎる。

 健二に酷い仕打ちを受けた香澄と偶然出会っていたあの時に戻れたら、あの場で彼女に告白したのに、とすら思ってしまう。
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