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第四部・婚約 編
婚約指輪、決めに行こうか
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「確かに! 運のパラメータが半端なさそう!」
「二人して、俺を何だと思ってるんだ」
佑が呆れたように笑い、そのようにして親友と佑とのファーストコンタクトが終わろうとしていた。
「麻衣、ゆっくりできなくてごめんね。次は泊まりで来られるようにしたい。何なら、いつでも東京に来て?」
「うん。ありがとう。いずれゆっくり」
ランチの会計は佑が払ってくれ、麻衣とはビル前で別れようとしていた。
勿論、その前に『浜梨亭』のお菓子をしこたま買ったあとである。
「お幸せにね」
笑顔で手を振る麻衣を見て、香澄は思わず彼女を抱き締めた。
「麻衣の事は、ずーっと一等賞に好きだからね」
「はいはい。私は大丈夫だから」
彼女は笑い、トントンと香澄の背中を叩いてから肩を押した。
「明日から月曜日。また会社なんでしょ? 飛行機乗るんだから、家に帰ったらちゃんと休みなよ?」
「うん!」
そしてホテルに戻り、車で空港に向かったあと、東京に向かって離陸した。
**
「香澄」
「ん?」
そろそろGWの予定を……と思いながらゴロゴロしていた、四月の夜。
佑に話し掛けられ、香澄は電子書籍の漫画から目を離す。
ちなみに、ソファの上で横になって文字通りゴロゴロした、寛いだ格好だ。
加えて寝る前なので、部屋着もスウェットのズボンにTシャツという姿である。
そんな香澄の手を取り、佑が言う。
「婚約指輪、決めに行こうか」
「へっ!?」
何もこんなだらけきった時に言わなくても……と思い、香澄は慌てて起き上がる。
「なっ……なん……」
目をまん丸にしている香澄は、状況が分かっておらず、一度立ち上がってもう一度座る。
「オーパとオーマは西日本を満喫して、そろそろ日本を離れる頃合いだ。香澄のご家族に挨拶をした事は俺の家族にも伝えていて、次の週末にはまたうちの家族と会うって言ったろ? その時、この話を聞いたオーパとオーマも来ると言っていた」
因みに、アロイスとクラウスは多忙なのですでにドイツに戻っている。
「う……、うん……」
その話は聞いていて、今から緊張しつつ心構えをしているところだ。
「いずれ、両家の挨拶になると思う。その時に指輪がなかったら、格好がつかないだろう?」
「そ、そだね……」
「サプライズで指輪を贈るのもいいけど、やっぱり一生ものだから、香澄の好みを聞いて世界でたった一つの物を作りたい」
「うん……。ありがとう」
ソファに座ったあと、香澄はかしこまって正座をする。
「……もうちょっと、ちゃんとした格好をしてる時に聞きたかったな」
「ははっ、ごめん。できあがった指輪を贈る時は、ドラマチックにするから」
よしよしと頭を撫でられると、照れ隠しに言った言葉すらどうでもよくなる。
「今後……どういう予定になるの?」
「出会って数か月で結婚って、あまりにスピード感が強いから、来年のジューンブライドを目指そうか」
「あれ、佑さん結構ロマンチスト……」
香澄は割と式を挙げるならいつでもいいと思っていて、寒くなかったらいいな、程度だ。
「ん? 女性ってジューンブライド、憧れない?」
佑は少し動揺し、それがおかしくて香澄は抱きついた。
「嘘! いつでもいいよ! 確かに、来年ぐらいで考えていた方が、色々余裕ができそうだね」
「よし。じゃあ、指輪の用意に、式場やドレスとか、二人で意見を言い合っていこう」
「うん」
「そのうち、俺の友達とかにも会ってほしい。きっといい味方になってくれるはずだから」
「そうだね。私の友達も、少数人だけど会ってほしいな。信頼してる子は、佑さんに会っても変な反応とかしないはずだから」
「分かった。楽しみにしてる」
急に色んな事が動き出し、胸がドキドキする。
「二人して、俺を何だと思ってるんだ」
佑が呆れたように笑い、そのようにして親友と佑とのファーストコンタクトが終わろうとしていた。
「麻衣、ゆっくりできなくてごめんね。次は泊まりで来られるようにしたい。何なら、いつでも東京に来て?」
「うん。ありがとう。いずれゆっくり」
ランチの会計は佑が払ってくれ、麻衣とはビル前で別れようとしていた。
勿論、その前に『浜梨亭』のお菓子をしこたま買ったあとである。
「お幸せにね」
笑顔で手を振る麻衣を見て、香澄は思わず彼女を抱き締めた。
「麻衣の事は、ずーっと一等賞に好きだからね」
「はいはい。私は大丈夫だから」
彼女は笑い、トントンと香澄の背中を叩いてから肩を押した。
「明日から月曜日。また会社なんでしょ? 飛行機乗るんだから、家に帰ったらちゃんと休みなよ?」
「うん!」
そしてホテルに戻り、車で空港に向かったあと、東京に向かって離陸した。
**
「香澄」
「ん?」
そろそろGWの予定を……と思いながらゴロゴロしていた、四月の夜。
佑に話し掛けられ、香澄は電子書籍の漫画から目を離す。
ちなみに、ソファの上で横になって文字通りゴロゴロした、寛いだ格好だ。
加えて寝る前なので、部屋着もスウェットのズボンにTシャツという姿である。
そんな香澄の手を取り、佑が言う。
「婚約指輪、決めに行こうか」
「へっ!?」
何もこんなだらけきった時に言わなくても……と思い、香澄は慌てて起き上がる。
「なっ……なん……」
目をまん丸にしている香澄は、状況が分かっておらず、一度立ち上がってもう一度座る。
「オーパとオーマは西日本を満喫して、そろそろ日本を離れる頃合いだ。香澄のご家族に挨拶をした事は俺の家族にも伝えていて、次の週末にはまたうちの家族と会うって言ったろ? その時、この話を聞いたオーパとオーマも来ると言っていた」
因みに、アロイスとクラウスは多忙なのですでにドイツに戻っている。
「う……、うん……」
その話は聞いていて、今から緊張しつつ心構えをしているところだ。
「いずれ、両家の挨拶になると思う。その時に指輪がなかったら、格好がつかないだろう?」
「そ、そだね……」
「サプライズで指輪を贈るのもいいけど、やっぱり一生ものだから、香澄の好みを聞いて世界でたった一つの物を作りたい」
「うん……。ありがとう」
ソファに座ったあと、香澄はかしこまって正座をする。
「……もうちょっと、ちゃんとした格好をしてる時に聞きたかったな」
「ははっ、ごめん。できあがった指輪を贈る時は、ドラマチックにするから」
よしよしと頭を撫でられると、照れ隠しに言った言葉すらどうでもよくなる。
「今後……どういう予定になるの?」
「出会って数か月で結婚って、あまりにスピード感が強いから、来年のジューンブライドを目指そうか」
「あれ、佑さん結構ロマンチスト……」
香澄は割と式を挙げるならいつでもいいと思っていて、寒くなかったらいいな、程度だ。
「ん? 女性ってジューンブライド、憧れない?」
佑は少し動揺し、それがおかしくて香澄は抱きついた。
「嘘! いつでもいいよ! 確かに、来年ぐらいで考えていた方が、色々余裕ができそうだね」
「よし。じゃあ、指輪の用意に、式場やドレスとか、二人で意見を言い合っていこう」
「うん」
「そのうち、俺の友達とかにも会ってほしい。きっといい味方になってくれるはずだから」
「そうだね。私の友達も、少数人だけど会ってほしいな。信頼してる子は、佑さんに会っても変な反応とかしないはずだから」
「分かった。楽しみにしてる」
急に色んな事が動き出し、胸がドキドキする。
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