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第二部・お見合い 編

満たす者 ☆

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(気持ちいい……)

 無意識に腰が揺れ、膣奥がじんわりと心地よさを得る。

「我が家のルールを決めようかな? 家で仕事をしたら一回達ってもらう、とか」

 ペロリと自身の唇を舐めた佑が、至近距離で囁く。

「やぁ……っ」

 パンティの中に佑の手が潜り込み、トン、と香澄の肉芽に触れる。

「ん……っ」

 それだけでビリッと香澄の下腹部に甘い刺激が走り、彼女は腰を浮かした。

「吸わせて」

 耳元で囁いたあと、佑は文字通り香澄の首筋にチュウッと吸い付いた。
 そして指を小さく動かして肉芽を揺らしてくる。

「ん……っ、んぅ……っ、んー……」

 耳に近い場所でリップ音がし、それがやけにいやらしく感じる。
 佑の息づかいや口元から聞こえる微かな水音すらにも、香澄は淫靡さを覚えて身を震わせた。
 やがて佑の唇は鎖骨や肩に至り、ふっくらとしたデコルテを吸ってくる。

「ん……、あぁ……」

 白い乳房を吸ったあと、佑はそこを舌でネロリと舐めて上目遣いに香澄を見てきた。

「っ~~~~、ゃ……」

 見られただけで恥ずかしいと感じるのは、彼の目の色もあってだろうか。
 その時、肉芽を捏ねていた佑の指が秘唇に這い、指先に蜜を纏わせ陰核に直接塗り込んできた。

「っあぁあああっ!」

 ビクンッと香澄の体が跳ね、とっさに脚が閉じようとする。
 が、佑の胴が膝の間にあり、阻まれてしまう。

「気持ちいい?」

 チュッと乳首に近い場所を吸った佑に尋ねられ、香澄はコクコクと頷いた。

「あぁ……、あ……、ん……、あぁ……っ」

 佑の指は何度もスリットを往復し、時に蜜口に浅く入っては抜けてゆく。

 ――入れてほしい……っ!

 ジワジワと快楽を育てられた香澄は、腰を小さく前後させてさらなる刺激を求めた。
 腰を動かして秘唇が形を変えたからか、小さく開いた蜜口からトロッと蜜が溢れる感覚を得る。

「香澄? 気持ちいい?」

 もう一度尋ねられ、香澄はまた頷いた。

「き……っ、きもち、――い、ぃっ」
「そう? なら良かった」

 微笑んだ佑はクプッと指を香澄の蜜口にねじ込み、彼女の乳首を口に含んだ。

「っんぁああぁっ!」

 すぐに佑は中指の腹で香澄が感じる部分を擦り始め、親指で陰核をヌルヌルと撫でる。

「んーっ! ん、あぁ、あ、あーっ」

 勃起した乳首を甘噛みされ、かと思えば舌で弾かれる。
 胸元で温かく湿った息が吐かれ、息を吸えば佑の匂いを鼻腔一杯に感じた。

 ――気持ちいい……っ。

 肉体の快楽と嗅覚の悦びを得て、香澄は夢見心地のまま体をくねらせる。

「香澄のナカ、温かくてたっぷり濡れていて、キュウキュウ締め付けてくるよ。入れたら気持ちいいのがよく分かる」
「やぁ……っ!」

 いやらしい言葉を囁かれ、自分の膣内が自然と佑の指を締め付けたのが分かった。
 それを彼も自身の指で感じたらしく、クスクス笑われる。

「あぁ……っ」

 指で蜜壷を掻き回され、蜜口から泡立った粘液がグプッと零れた。
 胸元ではちゅっ、ちゅばっと乳首を吸い立てる音がし、ぐずついた蜜壷を攪拌する淫音が室内に響く。

「駄目……っ、達っちゃう……っ、うーっ……」

 香澄は佑の手首を両手で掴み、いやいやと首を振った。

「達っていいよ」

 耳元でまた囁かれ、香澄はゾクゾクッと全身を震わせながら絶頂を貪った。

「うーっ、ぁあああぁあぁ……っ」

 喉を晒して腰を弓なりに反らした直後、香澄はギュッと体を丸めて佑にしがみつく。
 彼を力の限り抱き締めて呼吸を止めたあと、ゆっくりと息を吐き脱力していった。

「……はぁ……、あ……」

 目を細めて絶頂の余韻に浸っていると、佑がキスをしてきた。
 チュッとついばみ、優しい目で見つめてくる。

「気持ち良かった?」
「……うん」

 小さく頷いた香澄に、佑はまたキスをする。

「俺も気持ち良くなりたい……。いい?」

 そう囁き、佑は香澄の手を自分の股間に導いた。

「あ……」

 下着越しに佑の興奮を感じ、香澄は体を硬直させる。
 けれど緊張するあまりピクッと指が動いてしまい、佑がその手を握り混んでくる。

「や……、ぁ、…………あ……」

 まともに男性器に触れた事のない香澄は、押しつけられた手の中でくっきりと彼の形を知り呼吸を乱す。

「香澄が可愛くて、こんなになってるんだ。責任、取ってくれるだろう?」

 愉悦の籠もった笑みを向けられ、香澄は泣き出しそうな顔で唇をわななかせた。
 恥ずかしくて佑の目を見ていられず、震えながら視線を外し、チラッと彼を見てはまたよそを向く。
 けれど最終的に、とてつもなく恥じらいながらも小さく頷いていた。

「……はい……」
「ありがとう」

 またキスをされたあと、佑は香澄の手を解放してくれる。

(……熱かった……)

 一度体を離した佑は、下着を脱ぐ。
 サッと視線を逸らしつつも、香澄は生身の屹立を盗み見してしまう。
 鋭角で勃ち上がっているそれに、佑が避妊具を被せる。
 間接照明により屹立の輪郭が照らされ、佑の鍛えられた肉体の陰影も相まって、妖しくも美しい。

「香澄……」

 佑はシーツに手をつき、覆い被さるようにしてキスをする。
 そして両手で香澄の脚を開き、中央のとろけた部分に先端を押しつけた。

「ぁ……、あんっ!」

 ヌチュ……ヌチュ……と秘唇を滑っていた屹立が、ヌルンッと滑って香澄の肉粒をいじめてくる。
 太く硬い竿に擦られ、雁首の部分でまたゴリッと擦られて香澄は悶える。

(何……っ、これ……っ)

 本格的な素股とは言えず、ただ擦っているのみの行為だが、香澄はこのように焦らされた事がないので初めてだ。

「香澄……。以前も聞きたいって思ってたけど、元彼のと比べて、俺のどう?」

 両手をシーツについた佑が、腰を使ってぬちっぬちっと香澄の秘部を擦ってくる。

「やぁっ……、『どう』って、……な、何が……っ」
「コレ、大きい? 小さい?」

 妖艶に微笑んだ佑が竿を持って軽く揺らしたのを見て、香澄はカーッと赤面した。

「そんな事、言わせないでくださいっ! ぁ、あーっ」

 硬い亀頭に何度も陰核をつつかれ、香澄はまた愉悦がこみ上げてきたのを感じる。
 挿入される前にまた達してしまいそうで、もしそうなったらとんでもなく淫らな体なのではと思い、恥ずかしくて堪らない。

(入れられてもないのに達くなんて、淫乱だって思われる……っ)

 必死に我慢するのだが、ガチガチに強張った屹立を何度も擦りつけられ、敏感になった陰核が極上の悦楽を伝えてくる。

「正直に言って?」

 そう言ったあと、佑が香澄の耳元に顔を寄せ囁いてきた。

「俺の方が大きくて、俺の方がいい男。そうだろう?」

 何でもない時に言われれば自信過剰にも思える言葉が、今は香澄を支配する言葉となって脳髄に染み入ってくる。

「……っ、そう、……です、けど……っ」

 肯定した途端、体の奥からジワッととんでもない気持ちよさが滲み出て、香澄を満たしていく。
 今はあまり良くない印象になった元彼は、香澄の心に暗い影を落としていた。
 それを佑という完全無欠の男で上書きする事により、〝今〟がとても輝いて〝良い〟ものになったと感じられる。

 ――私、この人に愛されてる……。
 ――今はもう、健二くんの事で悩まなくていいんだ。

 目の前に光明が差した気がして、香澄はとっさに佑を抱き締め彼の唇に自身のそれを押しつけた。
 ちう……っと佑の下唇を吸い、本能が「もっと」とねだる。

「佑さんが……っ、ほしい……っ。私だけを愛してくれて、元彼よりずっと素敵なあなたに、もっと求められたい……っ」
「その気持ちを忘れないで。俺は香澄が求めたら求めるだけ、すべてを与えるから」

 優しく微笑んだ佑が、香澄の頭を撫でて額、頬、唇にとキスを落とす。
 どうしてか、香澄は泣きそうになっていた。
 佑に愛されていると、普通にセックスするよりずっと切なくなる。
 がらんどうだった心が満たされるどころか、限度なくどこまでも幸せになってゆく。
 今までの香澄のささやかな幸せを百だと思っていたのに、佑と一緒にいると二百も三百もやすやすと超えてゆく。
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