48 / 1,536
第二部・お見合い 編
TMタワー2
しおりを挟む
「TMタワーの正面はこちらです」
「おお……」
三階ぐらいまで吹き抜けになったガラスの外壁には、来月のバレンタインを意識した飾り付けがされている。
「凄いですね。高さがあるので迫力が……」
「このディスプレイも、デザイナーを雇っています。毎回テーマごとに見事なディスプレイになるので、〝ジャフォスポ〟になってますよ」
〝ジャフォスポ〟とは、写真SNSジャフォット用に映えるスポットという事だ。
「さぁ、寒いから入りましょう」
入り口から入ってすぐの空間は、天井がステンドグラス風のアーチになっていて、左右は黒い背景にスポットライトを浴びたマネキンがCEPの服を纏っている。
黒い壁にはChief Everyのロゴと、『Welcome to TMtower!』と歓迎を表すロゴもあった。
(持ちビルっていう感じがあるなぁ……。凄い)
「わ……」
そして内側の自動ドアが開くと、目の前に巨大な空間が広がって思わず声が出た。
「凄いでしょう? ここは〝希望のドーム〟という名前が付けられています。初期案ではもう少しひねった名前も候補にあったのですが、分かりやすい方がいいという事で」
「確かに。カタカナとかだと忘れちゃうかもですね」
見上げた天井にはまるで外にいるかのような青空が描かれ、三階までの吹き抜け空間の途中に、様々なオブジェが吊られてある。
今の季節は勿論、バレンタインに因んだ物だ。
「ここで、季節ごとにイベントをやるんです。株式会社リアルファンタジアってご存知ですか?」
「あっ、はい! プロジェクションマッピングで有名な会社ですよね?」
井内が口に出したのは、プロジェクションマッピングが有名になってきた頃、日本で一番に名を上げ、今も業界を牽引している会社だ。
東京の違う場所には、会社保有のミュージアムもあり、テーマパーク並みに有名らしいので、香澄もいつか行ってみたいと思っていた。
「我が社はリアルファンタジアと契約を結んでいて、イベントやショーがある時に協力して頂いているんです。なので毎回イベントは盛況ですよ」
「でもここってオープンな場所じゃないですか。集客してもチケット制とかではないので、収支バランスが取れないんじゃないですか?」
「ここは商業施設ですからね。内装も凝りに凝って、訪れたお客様の購買意欲を増すように考えています。飲食店一つにしても、イベントメニューを出せば話題になるカフェやコーヒー店、高級料理店でもCEPとコラボしたデザートなどを出せば、皆さんジャフォ映えのためにどんどんいらっしゃいます」
「おお……」
香澄も飲食店業界で働き、いかに集客するかは考えていた。
だがTMタワーの場合、飲食店だけではないし、食欲だけでなく総合的な面でのアプローチが必要だ。
「……お金、掛かったんでしょうねぇ……」
ぼんやりと呟くと、隣から井内がサラッと応える。
「建設費は一千億円以上と言われていますね」
「ひ……」
桁違いの金額に、脳が考える事をストップする。
香澄の生活では食事は高くて千円前後、一万円を超える洋服は冬のコート類ぐらいだ。
本当に高額の金を使うのは、旅行に行く時ぐらいで、それも限度がある。
以前に麻衣と一緒にベトナムに行った時は十万円台で、旅行会社のパンフレットを見ていても、行けると思えるのはヨーロッパの二十万円台だ。
それ以上になると「あ、無理ですね……」となり、思考が逸れてしまう。
なので本当に、佑と一緒にいると金銭感覚がおかしくなる。
彼が高額な物を呼吸をするようにポンポン買うので、まるで自分まで金持ちになった気分になりそうで、非常に危うい。
「さて、まずCEPの店舗に行きましょうか」
井内が歩き出し、香澄もあとを追う。
ドームに面した所は二階、三階がバルコニーになっていて、ここでイベントをやっていたら上からも見学できそうだ。
一階のドーム周辺は入りやすい雰囲気の飲食店になっていて、奥は店舗になっている。
「二階にCEPも含めたラグジュアリーブランドの店舗があり、三階はまるごとChief Everyのフロアになっています」
エスカレーターを上がって二階は、高級感のある雰囲気になっていた。
フロアに着いた目の前にCEPの店舗があり、入り口にはCEPのロゴが刻まれたマットが敷かれてある。
左のディスプレイには互い違いの棚にCEPのモノグラムバッグが置かれ、右側のディスプレイではマネキンがもう春のドレスを纏っていた。
「こんにちは」
井内がスタッフに挨拶して店内に入ると、黒いスーツに身を包んだスタッフたちが感じよく会釈をしてくれた。
「すご……。私、こんなハイレベルのお店に入った事ありません。緊張しちゃう……」
店内はダークカラーの絨毯が敷き詰められ、白い壁を背景に木製の棚があり、そこに様々な形のバッグが置かれてあった。
「CEPについての説明は、彼女から」
井内に言われ、三十代半ばの女性が近付いてきて香澄に一礼した。
「初めまして、CEP本店のチーフを務めさせて頂いております、白井(しらい)と申します」
他のスタッフもだが、白井は上下黒のスーツに、白いシャツ、首元にはCEPのモノグラムのスカーフを巻いていた。
男性スタッフはCEPモノグラムのネクタイで、女性は全員髪を纏める高さすらも決まっているように感じられた。
「CEPはご存知の通り、御劔と朔が共同デザイナーという形で生み出したブランドになります。現在は御劔が他の業務で多忙なため、ほとんどを朔がデザインし、御劔と一緒に決めて行く形で新作が生まれています」
(朔さんって、今夜会食する人だ)
事前にネットなどで一通りの事は調べたが、スタッフから聞く話はまた違うと思うし、今夜本人に会えばまた異なる情報が得られるだろう。
「CEPでよく用いられている赤と緑の組み合わせですが、御劔と朔が二人とも六月生まれで、朔がアレキサンドライトを愛してるため、それを表した物となります」
「アレキサンドライト」
言われて壁際にあるバッグを見れば、エナメル質のシリーズで、光の加減により玉虫色に輝く不思議な色味がある。
「それに合わせ、赤のパッションのシリーズと緑のリラックスのシリーズが展開されています。モノグラムはロゴ部分がアレキサンドライトの色味を用いられていますね」
「はぁ……、なるほど……」
白井が言う通り、CEPは情熱的な赤を用いた華々しいドレスやワンピース、深い赤のニットなどがあるが、それと対照的にペールトーンの儚げなグリーンのワンピースや、水彩画をイメージさせるスカーフなどがある。
イメージカラーが赤と緑と言うと、日本人的にはクリスマスカラーなどを思い浮かべるが、実際CEPの商品を目にすると、色味が違うので連想されなかった。
「勿論、他の色でも商品を作りますが、テーマカラーは赤と緑になります」
店内にはモニターがあり、ファッションコレクションでモデルたちが歩いている映像が流れている。
「CEPはファッションウィークにも参加していますので、秘書となられた赤松さんも同行されるかもしれませんね」
「はい!」
名だたるラグジュアリーブランドのショーがある場所に、自分が行けるとは思ってもみなかった。
だが仮に海外出張があるとしても、その前にきっちり英語を習得しなければと思う。
そのあともCEPの売れ筋商品などを紹介してもらったあと、店舗を出た。
グルリと二階を回って入っているラグジュアリーブランドを確認したあと、三階に上がり、これぞChief Everyの楽園! という光景を目にする。
「凄いですね……」
Chief Every内にあるファッションジャンルに応じて、内装もガラッと変わっており、それぞれ魅力的だ。
Chief Every Gardenの花柄の店舗は、可愛らしい物が好きな女性なら足が向いてしまいそうだ。
Chief Every Businessでは清潔感がありパキッとした色味の内装になっていて、内定の決まっていそうな大学生が真剣にスーツを見ていた。
「Chief Every全体の理念は、『すべての人に良質な服を』です。どんなジャンルにも対応し、どんな体型でも着られる。レディースシューズにしても、ワイズと呼ばれる横幅のバリエーションにも富んでいて、作りもいいので非常にニーズがあります」
「私も、Chief Every Basicの服を持っています」
「Basicは着心地やシルエットにこだわったシリーズですからね。老若男女問わず人気があります」
ゆっくりフロアを歩きながら、井内は年間の繁忙期や新作の出るタイミングなどを話していく。
「セール時は混み合いますが、イベントと重なる事があるので、その分他の店舗も合わせて収益が見込めますね。持ちビルですのでテナント料などもありますから」
「あぁ、確かに」
頷いたあと、『eホーム御劔』の不動産収入に、このTMタワー内にあるマンション収入も考え、彼の元に入る金額を想像して気が遠くなる。
「今後、展開していく新しいプロジェクトもありますし、Chief Everyは巨大化していくと思いますよ」
その後、上の商業施設をまわり、各フロアにある店舗や飲食店、レストラン街などを見たあと、地下まで下りる。
いわゆるデパ地下なグルメ街の活気を目にし、香澄は説明を受けながら美味しそうな物を思わずチェックした。
「おお……」
三階ぐらいまで吹き抜けになったガラスの外壁には、来月のバレンタインを意識した飾り付けがされている。
「凄いですね。高さがあるので迫力が……」
「このディスプレイも、デザイナーを雇っています。毎回テーマごとに見事なディスプレイになるので、〝ジャフォスポ〟になってますよ」
〝ジャフォスポ〟とは、写真SNSジャフォット用に映えるスポットという事だ。
「さぁ、寒いから入りましょう」
入り口から入ってすぐの空間は、天井がステンドグラス風のアーチになっていて、左右は黒い背景にスポットライトを浴びたマネキンがCEPの服を纏っている。
黒い壁にはChief Everyのロゴと、『Welcome to TMtower!』と歓迎を表すロゴもあった。
(持ちビルっていう感じがあるなぁ……。凄い)
「わ……」
そして内側の自動ドアが開くと、目の前に巨大な空間が広がって思わず声が出た。
「凄いでしょう? ここは〝希望のドーム〟という名前が付けられています。初期案ではもう少しひねった名前も候補にあったのですが、分かりやすい方がいいという事で」
「確かに。カタカナとかだと忘れちゃうかもですね」
見上げた天井にはまるで外にいるかのような青空が描かれ、三階までの吹き抜け空間の途中に、様々なオブジェが吊られてある。
今の季節は勿論、バレンタインに因んだ物だ。
「ここで、季節ごとにイベントをやるんです。株式会社リアルファンタジアってご存知ですか?」
「あっ、はい! プロジェクションマッピングで有名な会社ですよね?」
井内が口に出したのは、プロジェクションマッピングが有名になってきた頃、日本で一番に名を上げ、今も業界を牽引している会社だ。
東京の違う場所には、会社保有のミュージアムもあり、テーマパーク並みに有名らしいので、香澄もいつか行ってみたいと思っていた。
「我が社はリアルファンタジアと契約を結んでいて、イベントやショーがある時に協力して頂いているんです。なので毎回イベントは盛況ですよ」
「でもここってオープンな場所じゃないですか。集客してもチケット制とかではないので、収支バランスが取れないんじゃないですか?」
「ここは商業施設ですからね。内装も凝りに凝って、訪れたお客様の購買意欲を増すように考えています。飲食店一つにしても、イベントメニューを出せば話題になるカフェやコーヒー店、高級料理店でもCEPとコラボしたデザートなどを出せば、皆さんジャフォ映えのためにどんどんいらっしゃいます」
「おお……」
香澄も飲食店業界で働き、いかに集客するかは考えていた。
だがTMタワーの場合、飲食店だけではないし、食欲だけでなく総合的な面でのアプローチが必要だ。
「……お金、掛かったんでしょうねぇ……」
ぼんやりと呟くと、隣から井内がサラッと応える。
「建設費は一千億円以上と言われていますね」
「ひ……」
桁違いの金額に、脳が考える事をストップする。
香澄の生活では食事は高くて千円前後、一万円を超える洋服は冬のコート類ぐらいだ。
本当に高額の金を使うのは、旅行に行く時ぐらいで、それも限度がある。
以前に麻衣と一緒にベトナムに行った時は十万円台で、旅行会社のパンフレットを見ていても、行けると思えるのはヨーロッパの二十万円台だ。
それ以上になると「あ、無理ですね……」となり、思考が逸れてしまう。
なので本当に、佑と一緒にいると金銭感覚がおかしくなる。
彼が高額な物を呼吸をするようにポンポン買うので、まるで自分まで金持ちになった気分になりそうで、非常に危うい。
「さて、まずCEPの店舗に行きましょうか」
井内が歩き出し、香澄もあとを追う。
ドームに面した所は二階、三階がバルコニーになっていて、ここでイベントをやっていたら上からも見学できそうだ。
一階のドーム周辺は入りやすい雰囲気の飲食店になっていて、奥は店舗になっている。
「二階にCEPも含めたラグジュアリーブランドの店舗があり、三階はまるごとChief Everyのフロアになっています」
エスカレーターを上がって二階は、高級感のある雰囲気になっていた。
フロアに着いた目の前にCEPの店舗があり、入り口にはCEPのロゴが刻まれたマットが敷かれてある。
左のディスプレイには互い違いの棚にCEPのモノグラムバッグが置かれ、右側のディスプレイではマネキンがもう春のドレスを纏っていた。
「こんにちは」
井内がスタッフに挨拶して店内に入ると、黒いスーツに身を包んだスタッフたちが感じよく会釈をしてくれた。
「すご……。私、こんなハイレベルのお店に入った事ありません。緊張しちゃう……」
店内はダークカラーの絨毯が敷き詰められ、白い壁を背景に木製の棚があり、そこに様々な形のバッグが置かれてあった。
「CEPについての説明は、彼女から」
井内に言われ、三十代半ばの女性が近付いてきて香澄に一礼した。
「初めまして、CEP本店のチーフを務めさせて頂いております、白井(しらい)と申します」
他のスタッフもだが、白井は上下黒のスーツに、白いシャツ、首元にはCEPのモノグラムのスカーフを巻いていた。
男性スタッフはCEPモノグラムのネクタイで、女性は全員髪を纏める高さすらも決まっているように感じられた。
「CEPはご存知の通り、御劔と朔が共同デザイナーという形で生み出したブランドになります。現在は御劔が他の業務で多忙なため、ほとんどを朔がデザインし、御劔と一緒に決めて行く形で新作が生まれています」
(朔さんって、今夜会食する人だ)
事前にネットなどで一通りの事は調べたが、スタッフから聞く話はまた違うと思うし、今夜本人に会えばまた異なる情報が得られるだろう。
「CEPでよく用いられている赤と緑の組み合わせですが、御劔と朔が二人とも六月生まれで、朔がアレキサンドライトを愛してるため、それを表した物となります」
「アレキサンドライト」
言われて壁際にあるバッグを見れば、エナメル質のシリーズで、光の加減により玉虫色に輝く不思議な色味がある。
「それに合わせ、赤のパッションのシリーズと緑のリラックスのシリーズが展開されています。モノグラムはロゴ部分がアレキサンドライトの色味を用いられていますね」
「はぁ……、なるほど……」
白井が言う通り、CEPは情熱的な赤を用いた華々しいドレスやワンピース、深い赤のニットなどがあるが、それと対照的にペールトーンの儚げなグリーンのワンピースや、水彩画をイメージさせるスカーフなどがある。
イメージカラーが赤と緑と言うと、日本人的にはクリスマスカラーなどを思い浮かべるが、実際CEPの商品を目にすると、色味が違うので連想されなかった。
「勿論、他の色でも商品を作りますが、テーマカラーは赤と緑になります」
店内にはモニターがあり、ファッションコレクションでモデルたちが歩いている映像が流れている。
「CEPはファッションウィークにも参加していますので、秘書となられた赤松さんも同行されるかもしれませんね」
「はい!」
名だたるラグジュアリーブランドのショーがある場所に、自分が行けるとは思ってもみなかった。
だが仮に海外出張があるとしても、その前にきっちり英語を習得しなければと思う。
そのあともCEPの売れ筋商品などを紹介してもらったあと、店舗を出た。
グルリと二階を回って入っているラグジュアリーブランドを確認したあと、三階に上がり、これぞChief Everyの楽園! という光景を目にする。
「凄いですね……」
Chief Every内にあるファッションジャンルに応じて、内装もガラッと変わっており、それぞれ魅力的だ。
Chief Every Gardenの花柄の店舗は、可愛らしい物が好きな女性なら足が向いてしまいそうだ。
Chief Every Businessでは清潔感がありパキッとした色味の内装になっていて、内定の決まっていそうな大学生が真剣にスーツを見ていた。
「Chief Every全体の理念は、『すべての人に良質な服を』です。どんなジャンルにも対応し、どんな体型でも着られる。レディースシューズにしても、ワイズと呼ばれる横幅のバリエーションにも富んでいて、作りもいいので非常にニーズがあります」
「私も、Chief Every Basicの服を持っています」
「Basicは着心地やシルエットにこだわったシリーズですからね。老若男女問わず人気があります」
ゆっくりフロアを歩きながら、井内は年間の繁忙期や新作の出るタイミングなどを話していく。
「セール時は混み合いますが、イベントと重なる事があるので、その分他の店舗も合わせて収益が見込めますね。持ちビルですのでテナント料などもありますから」
「あぁ、確かに」
頷いたあと、『eホーム御劔』の不動産収入に、このTMタワー内にあるマンション収入も考え、彼の元に入る金額を想像して気が遠くなる。
「今後、展開していく新しいプロジェクトもありますし、Chief Everyは巨大化していくと思いますよ」
その後、上の商業施設をまわり、各フロアにある店舗や飲食店、レストラン街などを見たあと、地下まで下りる。
いわゆるデパ地下なグルメ街の活気を目にし、香澄は説明を受けながら美味しそうな物を思わずチェックした。
42
お気に入りに追加
2,501
あなたにおすすめの小説
【女性向けR18】幼なじみにセルフ脱毛で際どい部分に光を当ててもらっています
タチバナ
恋愛
彼氏から布面積の小さな水着をプレゼントされました。
夏になったらその水着でプールか海に行こうと言われています。
まだ春なのでセルフ脱毛を頑張ります!
そんな中、脱毛器の眩しいフラッシュを何事かと思った隣の家に住む幼なじみの陽介が、脱毛中のミクの前に登場!
なんと陽介は脱毛を手伝ってくれることになりました。
抵抗はあったものの順調に脱毛が進み、今日で脱毛のお手伝いは4回目です!
【作品要素】
・エロ=⭐︎⭐︎⭐︎
・恋愛=⭐︎⭐︎⭐︎
義兄に告白されて、承諾したらトロ甘な生活が待ってました。
アタナシア
恋愛
母の再婚をきっかけにできたイケメンで完璧な義兄、海斗。ひょんなことから、そんな海斗に告白をされる真名。
捨てられた子犬みたいな目で告白されたら断れないじゃん・・・!!
承諾してしまった真名に
「ーいいの・・・?ー ほんとに?ありがとう真名。大事にするね、ずっと・・・♡」熱い眼差を向けられて、そのままーーーー・・・♡。
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
この満ち足りた匣庭の中で 一章―Demon of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
――鬼の伝承に準えた、血も凍る連続殺人事件の謎を追え。
『満ち足りた暮らし』をコンセプトとして発展を遂げてきたニュータウン、満生台。
巨大な医療センターの設立を機に人口は増加していき、世間からの注目も集まり始めていた。
更なる発展を目指し、電波塔建設の計画が進められていくが、一部の地元住民からは反対の声も上がる。
曰く、満生台には古くより三匹の鬼が住み、悪事を働いた者は祟られるという。
医療センターの闇、三鬼村の伝承、赤い眼の少女。
月面反射通信、電磁波問題、ゼロ磁場。
ストロベリームーン、バイオタイド理論、ルナティック……。
ささやかな箱庭は、少しずつ、けれど確実に壊れていく。
伝承にある満月の日は、もうすぐそこまで迫っていた――。
出題篇PV:https://www.youtube.com/watch?v=1mjjf9TY6Io
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
待つわけないでしょ。新しい婚約者と幸せになります!
風見ゆうみ
恋愛
「1番愛しているのは君だ。だから、今から何が起こっても僕を信じて、僕が迎えに行くのを待っていてくれ」彼は、辺境伯の長女である私、リアラにそうお願いしたあと、パーティー会場に戻るなり「僕、タントス・ミゲルはここにいる、リアラ・フセラブルとの婚約を破棄し、公爵令嬢であるビアンカ・エッジホールとの婚約を宣言する」と叫んだ。
婚約破棄した上に公爵令嬢と婚約?
憤慨した私が婚約破棄を受けて、新しい婚約者を探していると、婚約者を奪った公爵令嬢の元婚約者であるルーザー・クレミナルが私の元へ訪ねてくる。
アグリタ国の第5王子である彼は整った顔立ちだけれど、戦好きで女性嫌い、直属の傭兵部隊を持ち、冷酷な人間だと貴族の中では有名な人物。そんな彼が私との婚約を持ちかけてくる。話してみると、そう悪い人でもなさそうだし、白い結婚を前提に婚約する事にしたのだけど、違うところから待ったがかかり…。
※暴力表現が多いです。喧嘩が強い令嬢です。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。魔法も存在します。
格闘シーンがお好きでない方、浮気男に過剰に反応される方は読む事をお控え下さい。感想をいただけるのは大変嬉しいのですが、感想欄での感情的な批判、暴言などはご遠慮願います。
【R18】溺愛される公爵令嬢は鈍すぎて王子の腹黒に気づかない
かぐや
恋愛
公爵令嬢シャルロットは、まだデビューしていないにも関わらず社交界で噂になる程美しいと評判の娘であった。それは子供の頃からで、本人にはその自覚は全く無いうえ、純真過ぎて幾度も簡単に拐われかけていた。幼少期からの婚約者である幼なじみのマリウス王子を始め、周りの者が
シャルロットを護る為いろいろと奮闘する。そんなお話になる予定です。溺愛系えろラブコメです。
女性が少なく子を増やす為、性に寛容で一妻多夫など婚姻の形は多様。女性大事の世界で、体も中身もかなり早熟の為13歳でも16.7歳くらいの感じで、主人公以外の女子がイケイケです。全くもってえっちでけしからん世界です。
設定ゆるいです。
出来るだけ深く考えず気軽〜に読んで頂けたら助かります。コメディなんです。
ちょいR18には※を付けます。
本番R18には☆つけます。
※直接的な表現や、ちょこっとお下品な時もあります。あとガッツリ近親相姦や、複数プレイがあります。この世界では家族でも親以外は結婚も何でもありなのです。ツッコミ禁止でお願いします。
苦手な方はお戻りください。
基本、溺愛えろコメディなので主人公が辛い事はしません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる