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慈雨の如き目に愛されて7
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「あっ……、あぁっ、あ、あ、……ん、あぁっ」
青い目に見つめられたまま、モニカは心も体もクライヴに貫かれていた。
恥ずかしい、と思うモニカの目は、クライヴを見つめ返したり逸らしたりを繰り返す。
下腹部の切ない疼きは次第に高まり、モニカの声もより一層高く甘くなっている。
蜜で蕩けた媚肉は剛直を食い締め、締め付けられてなお動く屹立に蜜が体外に押し出された。
結合部の下の敷布はびっしょりと濡れ、金糸で織られた天蓋の中に二人分の吐息がこもる。ベッドも先ほどから、一定のリズムで軋んだ啼き声を上げていた。
「ダメ……っ、ダメなの……っ、きちゃうっ、くるっ」
快楽の波を予感してモニカは涙を零す。
達する瞬間をクライヴに見つめられているのが、恥ずかしくて堪らない。けれどこのままでは、クライヴは視線を外してくれそうにない。
「いっていいよ。見ていてあげるから」
包まれるような優しい声がしたかと思うと、クライヴが片手でモニカの胸の先端をつねり上げた。
「ひぃっ! ダメぇっ」
感じてぷっくり膨れた乳首を摘ままれ、モニカは蜜壷をひくつかせ達した。
「っあ、――ぁ」
強く締め付けられてクライヴは眉間にしわを寄せ、苦悩するような顔でモニカの太腿を抱え上げた。
「えっ、あ、やぁぁあっ!」
まだ絶頂の波間にいて意識がぼんやりしているというのに、クライヴはモニカの秘部が天井を向くまで持ち上げる。
そして上から刺し貫くようにして、激しく腰を叩きつけた。
「あぁっ! あっ、あっ、あぁっ、あぁあっっ」
脳天の快楽を司る場所を、乱暴にガンガンと殴られているような気がしてモニカが悲鳴を上げる。
恥部をさらけ出す格好を取らされ、口端から涎を垂らして王妃が悶え狂う。
それをじっと見つめたままクライヴは腰を振りたくり――。
「っく、――ぅ、……あっ」
低くうめいた後に、妻の胎内に遠慮なく吐精した。
ぼぅっとした意識の中、モニカの目に映るのは己の秘部に突き刺さった夫の屹立。
その根元がビクビクと動いているのが見え、己の最奥に熱い迸りを浴びせている。
(あぁ……。今、クライヴが達してるんだわ)
とろけそうな気持ちで夫の顔を見上げ――、モニカは息を呑んだ。
額に汗を浮かべ、この上もなく色っぽい顔をしているクライヴ。
絶頂にあって尚、彼はその青い瞳でモニカを見つめ続けていた。
優しい――慈雨にも似た、降り注ぐような視線。
「あ……」
胸の奥にポゥッと温かな光が灯り、モニカの心で記憶が一閃した。
『あの時』――。
初めて自分の寝所に夜這いに来たクライヴは、真珠に触れるだけでモニカを絶頂に導いてくれた。
婚前なので純潔を守ってくれると約束し、今思えば彼はちゃんとそれを守ってくれていた。
『あの時』も、絶頂を迎えるモニカをクライヴがこうやって見つめてくれていた。
彼の記憶がある一番初めから、ずっと変わっていない優しい目で――。
「クラ……イヴ……」
快楽の涙とは異なる涙がこみ上げ、眦から落ちて耳の方へ流れてゆく。
「モニカ、気持ち良かった……」
当のクライヴはうっとりと目を細め、モニカにチュッとキスをすると繋がったままベッドに横たわった。
互いの熱を感じながら、しばらく二人は呼吸を整えていた。
モニカの脳裏には、失っていた間の記憶が蘇っている。頭の中で回想するのが精一杯で、彼女はまだそれをクライヴに伝えられていない。
「……どうかしたか? モニカ」
紅潮した頬にかかる金髪を指でよけ、クライヴがじっと彼女を覗き込む。
覚えている限り、モニカは行為の後すぐに脱力して眠たそうにしていた。それが今、美しいエメラルドのような目を必死に開き、クライヴを見つめている。
「眠たいなら、寝てもいいよ」
まだ彼女のナカは時折ピクンピクンとひくついていて、クライヴはその余韻に浸っているのが心地いい。
じっとクライヴを見つめていたモニカは、何か言おうと唇を開きかけ――閉じ。また開きかけては閉じていた。
「なに? 激しすぎた? ごめん」
辛抱強くモニカの言いたいことを察しようとするクライヴは、目元を蕩けさせているモニカの頭を撫でる。
まるで寝かしつけようというような手つきに、モニカは危うく目蓋が重たくなってしまった。
が、懸命に眠気を堪えて、まず一言伝える。
「……ありがとう」
「え?」
一瞬モニカの言葉の意味が分からなかったが、ふとクライヴは「こんなにたっぷり愛してくれて、ありがとう」なのかと思い、表情が緩んだ。
「ち、違うの。エッチがしつこいのがありがとうじゃなくて……」
表情が明るくなったクライヴを見て、流石にモニカも彼の思考を読んだ。慌てて否定され、今度こそクライヴは意味が分からない。
「あのね……。ずっと……。ずっと、私を見てくれていて、私だけを愛してくれていて、ありがとう」
泣き笑いの表情で言うモニカの言葉に、クライヴは一瞬きょとんとし――破顔した。
「どう致しまして。……どうしたんだ? 急に」
「……思い出したの。忘れていた間のこと……」
「えっ?」
よほど驚いたのか、クライヴは少し顔を引いてまじまじとモニカを見つめた。
青い目の中に真実を探るような色があり、それにモニカは微笑み返す。
「クライヴに愛されて、あなたの青い目に見つめられていたら……。ああ、この目だわ。って思って……」
「目……?」
クライヴはまさか自分の愛しむ目つきが、モニカの記憶を取り戻すきっかけになったとは思っていない。
「あなたの目に見つめられているとね、とても……安心するの。思い切り恥ずかしい姿を見せてしまっても、クライヴの目は全部丸ごと『大丈夫だよ』って言ってくれている気がするの。私……あなたのその目が大好きで……。いつもいつも、私だけを思いやってくれるその目に、助けられてきたわ」
行為の最中だけではない。
思い出す限り、クライヴはいつも変わりない優しい視線でモニカを見つめ続けてくれた。
モニカとダンスを踊って、彼女が失敗してしまった時も。
乳母に叱られていたのを見られてしまった時も。
いつもその青い目は、モニカを心配して思いやり、「何かあったらおいで。抱きしめてあげる」と言っていた。
その視線に、モニカはずっと包まれてきたのだ。
青い目に見つめられたまま、モニカは心も体もクライヴに貫かれていた。
恥ずかしい、と思うモニカの目は、クライヴを見つめ返したり逸らしたりを繰り返す。
下腹部の切ない疼きは次第に高まり、モニカの声もより一層高く甘くなっている。
蜜で蕩けた媚肉は剛直を食い締め、締め付けられてなお動く屹立に蜜が体外に押し出された。
結合部の下の敷布はびっしょりと濡れ、金糸で織られた天蓋の中に二人分の吐息がこもる。ベッドも先ほどから、一定のリズムで軋んだ啼き声を上げていた。
「ダメ……っ、ダメなの……っ、きちゃうっ、くるっ」
快楽の波を予感してモニカは涙を零す。
達する瞬間をクライヴに見つめられているのが、恥ずかしくて堪らない。けれどこのままでは、クライヴは視線を外してくれそうにない。
「いっていいよ。見ていてあげるから」
包まれるような優しい声がしたかと思うと、クライヴが片手でモニカの胸の先端をつねり上げた。
「ひぃっ! ダメぇっ」
感じてぷっくり膨れた乳首を摘ままれ、モニカは蜜壷をひくつかせ達した。
「っあ、――ぁ」
強く締め付けられてクライヴは眉間にしわを寄せ、苦悩するような顔でモニカの太腿を抱え上げた。
「えっ、あ、やぁぁあっ!」
まだ絶頂の波間にいて意識がぼんやりしているというのに、クライヴはモニカの秘部が天井を向くまで持ち上げる。
そして上から刺し貫くようにして、激しく腰を叩きつけた。
「あぁっ! あっ、あっ、あぁっ、あぁあっっ」
脳天の快楽を司る場所を、乱暴にガンガンと殴られているような気がしてモニカが悲鳴を上げる。
恥部をさらけ出す格好を取らされ、口端から涎を垂らして王妃が悶え狂う。
それをじっと見つめたままクライヴは腰を振りたくり――。
「っく、――ぅ、……あっ」
低くうめいた後に、妻の胎内に遠慮なく吐精した。
ぼぅっとした意識の中、モニカの目に映るのは己の秘部に突き刺さった夫の屹立。
その根元がビクビクと動いているのが見え、己の最奥に熱い迸りを浴びせている。
(あぁ……。今、クライヴが達してるんだわ)
とろけそうな気持ちで夫の顔を見上げ――、モニカは息を呑んだ。
額に汗を浮かべ、この上もなく色っぽい顔をしているクライヴ。
絶頂にあって尚、彼はその青い瞳でモニカを見つめ続けていた。
優しい――慈雨にも似た、降り注ぐような視線。
「あ……」
胸の奥にポゥッと温かな光が灯り、モニカの心で記憶が一閃した。
『あの時』――。
初めて自分の寝所に夜這いに来たクライヴは、真珠に触れるだけでモニカを絶頂に導いてくれた。
婚前なので純潔を守ってくれると約束し、今思えば彼はちゃんとそれを守ってくれていた。
『あの時』も、絶頂を迎えるモニカをクライヴがこうやって見つめてくれていた。
彼の記憶がある一番初めから、ずっと変わっていない優しい目で――。
「クラ……イヴ……」
快楽の涙とは異なる涙がこみ上げ、眦から落ちて耳の方へ流れてゆく。
「モニカ、気持ち良かった……」
当のクライヴはうっとりと目を細め、モニカにチュッとキスをすると繋がったままベッドに横たわった。
互いの熱を感じながら、しばらく二人は呼吸を整えていた。
モニカの脳裏には、失っていた間の記憶が蘇っている。頭の中で回想するのが精一杯で、彼女はまだそれをクライヴに伝えられていない。
「……どうかしたか? モニカ」
紅潮した頬にかかる金髪を指でよけ、クライヴがじっと彼女を覗き込む。
覚えている限り、モニカは行為の後すぐに脱力して眠たそうにしていた。それが今、美しいエメラルドのような目を必死に開き、クライヴを見つめている。
「眠たいなら、寝てもいいよ」
まだ彼女のナカは時折ピクンピクンとひくついていて、クライヴはその余韻に浸っているのが心地いい。
じっとクライヴを見つめていたモニカは、何か言おうと唇を開きかけ――閉じ。また開きかけては閉じていた。
「なに? 激しすぎた? ごめん」
辛抱強くモニカの言いたいことを察しようとするクライヴは、目元を蕩けさせているモニカの頭を撫でる。
まるで寝かしつけようというような手つきに、モニカは危うく目蓋が重たくなってしまった。
が、懸命に眠気を堪えて、まず一言伝える。
「……ありがとう」
「え?」
一瞬モニカの言葉の意味が分からなかったが、ふとクライヴは「こんなにたっぷり愛してくれて、ありがとう」なのかと思い、表情が緩んだ。
「ち、違うの。エッチがしつこいのがありがとうじゃなくて……」
表情が明るくなったクライヴを見て、流石にモニカも彼の思考を読んだ。慌てて否定され、今度こそクライヴは意味が分からない。
「あのね……。ずっと……。ずっと、私を見てくれていて、私だけを愛してくれていて、ありがとう」
泣き笑いの表情で言うモニカの言葉に、クライヴは一瞬きょとんとし――破顔した。
「どう致しまして。……どうしたんだ? 急に」
「……思い出したの。忘れていた間のこと……」
「えっ?」
よほど驚いたのか、クライヴは少し顔を引いてまじまじとモニカを見つめた。
青い目の中に真実を探るような色があり、それにモニカは微笑み返す。
「クライヴに愛されて、あなたの青い目に見つめられていたら……。ああ、この目だわ。って思って……」
「目……?」
クライヴはまさか自分の愛しむ目つきが、モニカの記憶を取り戻すきっかけになったとは思っていない。
「あなたの目に見つめられているとね、とても……安心するの。思い切り恥ずかしい姿を見せてしまっても、クライヴの目は全部丸ごと『大丈夫だよ』って言ってくれている気がするの。私……あなたのその目が大好きで……。いつもいつも、私だけを思いやってくれるその目に、助けられてきたわ」
行為の最中だけではない。
思い出す限り、クライヴはいつも変わりない優しい視線でモニカを見つめ続けてくれた。
モニカとダンスを踊って、彼女が失敗してしまった時も。
乳母に叱られていたのを見られてしまった時も。
いつもその青い目は、モニカを心配して思いやり、「何かあったらおいで。抱きしめてあげる」と言っていた。
その視線に、モニカはずっと包まれてきたのだ。
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