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二〇一三年 七月
時人と葵はデートを重ね、何度もベッドで愛を確かめ合う仲になっていた。
まだ葵に名前だけでも『彼氏』という存在がいる状態で、このような関係になるのは二人とも本意ではない。だが心から好きになった人と想い合う状況で、若い二人は迸る気持ちを抑えられないでいた。
「葵さん、これ本当に肉が使われていないんですか?」
デートで葵が連れて行きたい所があるからと向かったカフェは、いかにも流行に敏感な女性が好みそうな店だった。そこはヴィーガンカフェと言うらしい。肉や魚を避ける時人のために、二人で食事を楽しめる店を探したのだという。
「ほんまです。不思議でしょう」
二人の前にあるのは、一見普通の食事となんら変わりのないメニューだ。だがハンバーグにしても肉を使わず、コーヒーにしてもカフェインレスの物が選べる。
「不思議な店もあるんですね。俺は存在も知りませんでした」
普段なら食べようとも思わないハンバーガーを頼んだ時人は、恐る恐る一口かぶりついてみた。
「どぉです? 時人さん」
向かいで葵は期待のこもった目で見つめ、時人の反応を見守っている。
「ん……」
口の中に新鮮なレタスや野菜、パテには美味しいソースが絡まっていて、肉ではないのにしっかりとした歯ごたえがある。
「美味しい……です」
不思議な気持ちだった。
今まで色々な事やモノを避けて生きて、自らモノトーンの世界に身を置いていた。だというのに葵が現れてからは全てが新鮮だ。新しい事に触れる度、世界が自分の知らない鮮やかな色に彩られていく気がする。
「美味しかったです。ありがとうございます」
食べ終わって食後のコーヒーを飲んでいると、時人は体験した事のない『満腹』を感じていた。
「どういたしまして。良かった。時人さんに『美味しかった』って言わせられました」
葵は晴れ晴れとした笑顔を浮かべ、時人は眩しそうに目を細める。
「こんな風に……、普通の人と同じように『美味しい』と思える日がくるとは思っていませんでした。なんだか……『許された』と感じる気持ちと似ています」
テーブルの上のコーヒーカップに視線を落とし、時人は噛みしめるように言う。葵はギュッとテーブルの上で時人の手を握った。
「時人さんはなんも『許された』って感じる必要はあらへんのです。時人さんはなんもしてへんのやさかい」
聖母のように温かく自分を慈しんでくれる葵に、時人は胸がきゅっと切なくなり、涙ぐみそうになる。
今まで自分に対してこんなことを言ってくれる人はいなかった。周りの人間はみんな時人に立派な人間になれとか、宇佐美家の跡取りとして恥ずかしくないようにと、家のためになる事ばかりを求めてきた。
葵のように、傷付いた時人の内面を気遣ってくれる人はいなかったのだ。
「時人さん、もっともっと自分のこと好きになったげて下さいね? もし私がそのお手伝いをできるなら、なんでもします」
黒いダイヤモンドのような葵の目は、真っ直ぐに時人を見つめる。その吸い込まれそうな魅力の中に、彼を全肯定する光がある。
自分を応援してくれる人がいてくれるだけで、こんなにも心強く思えるとは時人は思いもしなかった。
「葵さんは……、太陽のような人です」
葵に手を握られたまま、時人は零れそうになる涙を誤魔化すように、窓の外を見た。
――と、窓の外を行き交う通行人に混じり、不自然に立ち止まってこちらを見ている男がいる。
「あ……」
時人の視線に葵もつられ、その人物を見て声を漏らした。
「知っている人ですか?」
前髪が長く、紺のシャツに黒いパンツとシンプルな格好をしている。
パッと見れば普通の青年のように思えるが、よく観察すると『怪しい』、『やばい』という言葉が似合う雰囲気がある。
「後藤千尋(ごとうちひろ)くん……です。お付き合いしてる」
そう呟く葵の顔は、青ざめているように見えた。
明らかに時人も葵も気付いたと知った後藤は、窓の向こうで見る者の不安を煽るような笑い方をし、スマホを翳す。
「あ」
恐らく写真を撮っただろうという行動を見て時人は腰を浮かす。その視線の先で、後藤は何事もなかったかのように歩き出す。
「葵さん、出ましょう。俺は構いませんが、あなたに何かあったら俺が嫌です」
立ち上がって伝票を掴み、時人はすぐに会計をすると外に出た。
葵が店員に「ごちそうさまでした」と頭を下げて店を出るのを確認し、時人はそのまま後藤の背中を追う。
「待ってください!」
後藤は特に逃走するでもない、散歩しているような足取りで通りを歩いている。
「待ってください!」
通行人が振り返る中、時人は走って後藤の肩に手を掛けた。
「……はぁ?」
さすがに手を掛けられては、という風に後藤が立ち止まり振り向く。
男にしてはやや高めの声で、粘着質な声だ。
「勘違いでしたら申し訳ありませんが、さっき写真を撮りませんでしたか?」
そう尋ねる時人を、後藤は下から上へねぶるように見る。
「へぇ、高そうな靴。服も高そう。おまけに高身長のイケメンか」
が、返ってきたのは時人の外見を査定する言葉だ。
そこに葵が追い付き、後藤は時人の後ろに視線をやる。
「葵、いい男見つけたんだな。俺をフッてこの男に鞍替えする気なんだ。へぇ」
そう言って後藤はまたスマホを掲げ、自分を見る二人を撮影しようとする。
「だから……、そういうのはやめてください」
時人がスマホのレンズ前に手を翳すと、後藤は上目遣いに時人を睨む。
「あんた……、なんのつもり?」
「え?」
「俺から葵を奪う気? それとも自分がいい男だから、俺から葵奪うの簡単だと思ってる?」
スマホを持った手は下げたものの、後藤はネチネチと時人に絡んでくる。
「後藤くん……やめて」
後ろから葵が何か言いかけ、それを時人が制する。
いつかこんな日がくると思っていた。できれば争い事にならなければいいと思っていた。
だが戦わないとならない時は、そうすべきなのだろう。増してや、美来から葵を託されたのだ。男としてしっかりしないとと思う。
「後藤さん。あなたが葵さんをちゃんと幸せにしてくれる人なら、俺だって葵さんに手を出そうと思いませんでした。ですがあなたは葵さんを大事にしてくれないじゃないですか。葵さんを叩いて、葵さんを好きだとも言わない。……俺の方が葵さんを幸せにできます」
正面きって後藤に言いながらも、時人は初めて誰かに立ち向かうという事に、緊張していた。
「へぇ……。葵、言ったんだ。俺がお前に何してるかとか……、言ったんだ?」
後藤は前髪に隠れそうな目で、じっと葵を見る。彼女は狂気の目を見つめ返し、額に嫌な汗を浮かべていた。
葵は幾度となく繰り返した嫌な思い出に、体を竦ませていた。だが時人がこうして立ち向かっているのだから、自分も勇気を出そうと思い、震える声を出す。
「後藤くん、お願いします。お別れしてください。今までどうもおおきに。けど、私いまはこの人が好きなんです」
自尊心の高そうな後藤を非難したり煽る事をせず、葵は真正面から下手に出て、丁寧に頭を下げた。
それを見て、時人も葵に倣い頭を下げる。
「俺からもお願いします。どうか葵さんと別れてください」
人通りの多い場所で二人に頭を下げられ、後藤は苛ついた目で二人を見て舌打ちする。
「そういうのやめてくんない? 俺すっごい悪者じゃん。はいはい、別れるからさぁ。葵みたいな美人とブランド身に着けたイケメン相手に、俺みたいなパンピーが敵う訳ないよなぁ」
後藤の言葉に時人が頭を上げると、後藤は心の底から嫌そうな顔をしていた。
「ありがとうございます。もう……、彼女に関わらないと誓ってください。お願いします」
「分かったよ。葵以外にもいいモデルはいるからな」
時人の声に後藤は舌打ちをし、歩き出そうとする。その背中に時人は更に声を掛けた。
「……あの! 最初の事ですが、もしさっき写真を撮ったのなら、消去してもらえませんか?」
「分かったよ! しつけぇな」
後藤は大声を出してからスマホを操作し、今度こそ歩いて行ってしまった。
「よかった……」
安堵の息を吐いて時人が振り向くと、葵は両手で顔を覆って静かに泣いていた。
「葵さん? どうかしましたか?」
「いいえ……」
葵は往来の前なので、なるべく目立たないように涙を拭っていた。それを人の目線から隠すような位置に立ち、時人は彼女が泣き止むのを待つ。
少しして葵は顔を上げ、バッグからハンカチを取り出して目元に押し当てた。
「すみません。嬉しくて……」
「解放、されましたか?」
「はい……。今まで別れ話を切り出したら、その場でぶたれると思って言えなかったんです。けど、今は時人さんがいはったから、私も勇気を出せました。ほんまにどうもおおきに」
大きな目に涙を浮かべ、晴れやかな笑顔を浮かべる葵は、太陽のように輝いていた。
「良かったです。こんな俺でも、誰かを笑顔にできて……、良かった」
人目をはばからず、時人は葵を抱き締める。木陰に立っている二人の髪を、風が揺らしていった。
「二人で幸せになりましょう、葵さん」
丸い耳の上で囁くと、時人の腕の中で葵が頷き、「はい」と返事があった。
時人と葵はデートを重ね、何度もベッドで愛を確かめ合う仲になっていた。
まだ葵に名前だけでも『彼氏』という存在がいる状態で、このような関係になるのは二人とも本意ではない。だが心から好きになった人と想い合う状況で、若い二人は迸る気持ちを抑えられないでいた。
「葵さん、これ本当に肉が使われていないんですか?」
デートで葵が連れて行きたい所があるからと向かったカフェは、いかにも流行に敏感な女性が好みそうな店だった。そこはヴィーガンカフェと言うらしい。肉や魚を避ける時人のために、二人で食事を楽しめる店を探したのだという。
「ほんまです。不思議でしょう」
二人の前にあるのは、一見普通の食事となんら変わりのないメニューだ。だがハンバーグにしても肉を使わず、コーヒーにしてもカフェインレスの物が選べる。
「不思議な店もあるんですね。俺は存在も知りませんでした」
普段なら食べようとも思わないハンバーガーを頼んだ時人は、恐る恐る一口かぶりついてみた。
「どぉです? 時人さん」
向かいで葵は期待のこもった目で見つめ、時人の反応を見守っている。
「ん……」
口の中に新鮮なレタスや野菜、パテには美味しいソースが絡まっていて、肉ではないのにしっかりとした歯ごたえがある。
「美味しい……です」
不思議な気持ちだった。
今まで色々な事やモノを避けて生きて、自らモノトーンの世界に身を置いていた。だというのに葵が現れてからは全てが新鮮だ。新しい事に触れる度、世界が自分の知らない鮮やかな色に彩られていく気がする。
「美味しかったです。ありがとうございます」
食べ終わって食後のコーヒーを飲んでいると、時人は体験した事のない『満腹』を感じていた。
「どういたしまして。良かった。時人さんに『美味しかった』って言わせられました」
葵は晴れ晴れとした笑顔を浮かべ、時人は眩しそうに目を細める。
「こんな風に……、普通の人と同じように『美味しい』と思える日がくるとは思っていませんでした。なんだか……『許された』と感じる気持ちと似ています」
テーブルの上のコーヒーカップに視線を落とし、時人は噛みしめるように言う。葵はギュッとテーブルの上で時人の手を握った。
「時人さんはなんも『許された』って感じる必要はあらへんのです。時人さんはなんもしてへんのやさかい」
聖母のように温かく自分を慈しんでくれる葵に、時人は胸がきゅっと切なくなり、涙ぐみそうになる。
今まで自分に対してこんなことを言ってくれる人はいなかった。周りの人間はみんな時人に立派な人間になれとか、宇佐美家の跡取りとして恥ずかしくないようにと、家のためになる事ばかりを求めてきた。
葵のように、傷付いた時人の内面を気遣ってくれる人はいなかったのだ。
「時人さん、もっともっと自分のこと好きになったげて下さいね? もし私がそのお手伝いをできるなら、なんでもします」
黒いダイヤモンドのような葵の目は、真っ直ぐに時人を見つめる。その吸い込まれそうな魅力の中に、彼を全肯定する光がある。
自分を応援してくれる人がいてくれるだけで、こんなにも心強く思えるとは時人は思いもしなかった。
「葵さんは……、太陽のような人です」
葵に手を握られたまま、時人は零れそうになる涙を誤魔化すように、窓の外を見た。
――と、窓の外を行き交う通行人に混じり、不自然に立ち止まってこちらを見ている男がいる。
「あ……」
時人の視線に葵もつられ、その人物を見て声を漏らした。
「知っている人ですか?」
前髪が長く、紺のシャツに黒いパンツとシンプルな格好をしている。
パッと見れば普通の青年のように思えるが、よく観察すると『怪しい』、『やばい』という言葉が似合う雰囲気がある。
「後藤千尋(ごとうちひろ)くん……です。お付き合いしてる」
そう呟く葵の顔は、青ざめているように見えた。
明らかに時人も葵も気付いたと知った後藤は、窓の向こうで見る者の不安を煽るような笑い方をし、スマホを翳す。
「あ」
恐らく写真を撮っただろうという行動を見て時人は腰を浮かす。その視線の先で、後藤は何事もなかったかのように歩き出す。
「葵さん、出ましょう。俺は構いませんが、あなたに何かあったら俺が嫌です」
立ち上がって伝票を掴み、時人はすぐに会計をすると外に出た。
葵が店員に「ごちそうさまでした」と頭を下げて店を出るのを確認し、時人はそのまま後藤の背中を追う。
「待ってください!」
後藤は特に逃走するでもない、散歩しているような足取りで通りを歩いている。
「待ってください!」
通行人が振り返る中、時人は走って後藤の肩に手を掛けた。
「……はぁ?」
さすがに手を掛けられては、という風に後藤が立ち止まり振り向く。
男にしてはやや高めの声で、粘着質な声だ。
「勘違いでしたら申し訳ありませんが、さっき写真を撮りませんでしたか?」
そう尋ねる時人を、後藤は下から上へねぶるように見る。
「へぇ、高そうな靴。服も高そう。おまけに高身長のイケメンか」
が、返ってきたのは時人の外見を査定する言葉だ。
そこに葵が追い付き、後藤は時人の後ろに視線をやる。
「葵、いい男見つけたんだな。俺をフッてこの男に鞍替えする気なんだ。へぇ」
そう言って後藤はまたスマホを掲げ、自分を見る二人を撮影しようとする。
「だから……、そういうのはやめてください」
時人がスマホのレンズ前に手を翳すと、後藤は上目遣いに時人を睨む。
「あんた……、なんのつもり?」
「え?」
「俺から葵を奪う気? それとも自分がいい男だから、俺から葵奪うの簡単だと思ってる?」
スマホを持った手は下げたものの、後藤はネチネチと時人に絡んでくる。
「後藤くん……やめて」
後ろから葵が何か言いかけ、それを時人が制する。
いつかこんな日がくると思っていた。できれば争い事にならなければいいと思っていた。
だが戦わないとならない時は、そうすべきなのだろう。増してや、美来から葵を託されたのだ。男としてしっかりしないとと思う。
「後藤さん。あなたが葵さんをちゃんと幸せにしてくれる人なら、俺だって葵さんに手を出そうと思いませんでした。ですがあなたは葵さんを大事にしてくれないじゃないですか。葵さんを叩いて、葵さんを好きだとも言わない。……俺の方が葵さんを幸せにできます」
正面きって後藤に言いながらも、時人は初めて誰かに立ち向かうという事に、緊張していた。
「へぇ……。葵、言ったんだ。俺がお前に何してるかとか……、言ったんだ?」
後藤は前髪に隠れそうな目で、じっと葵を見る。彼女は狂気の目を見つめ返し、額に嫌な汗を浮かべていた。
葵は幾度となく繰り返した嫌な思い出に、体を竦ませていた。だが時人がこうして立ち向かっているのだから、自分も勇気を出そうと思い、震える声を出す。
「後藤くん、お願いします。お別れしてください。今までどうもおおきに。けど、私いまはこの人が好きなんです」
自尊心の高そうな後藤を非難したり煽る事をせず、葵は真正面から下手に出て、丁寧に頭を下げた。
それを見て、時人も葵に倣い頭を下げる。
「俺からもお願いします。どうか葵さんと別れてください」
人通りの多い場所で二人に頭を下げられ、後藤は苛ついた目で二人を見て舌打ちする。
「そういうのやめてくんない? 俺すっごい悪者じゃん。はいはい、別れるからさぁ。葵みたいな美人とブランド身に着けたイケメン相手に、俺みたいなパンピーが敵う訳ないよなぁ」
後藤の言葉に時人が頭を上げると、後藤は心の底から嫌そうな顔をしていた。
「ありがとうございます。もう……、彼女に関わらないと誓ってください。お願いします」
「分かったよ。葵以外にもいいモデルはいるからな」
時人の声に後藤は舌打ちをし、歩き出そうとする。その背中に時人は更に声を掛けた。
「……あの! 最初の事ですが、もしさっき写真を撮ったのなら、消去してもらえませんか?」
「分かったよ! しつけぇな」
後藤は大声を出してからスマホを操作し、今度こそ歩いて行ってしまった。
「よかった……」
安堵の息を吐いて時人が振り向くと、葵は両手で顔を覆って静かに泣いていた。
「葵さん? どうかしましたか?」
「いいえ……」
葵は往来の前なので、なるべく目立たないように涙を拭っていた。それを人の目線から隠すような位置に立ち、時人は彼女が泣き止むのを待つ。
少しして葵は顔を上げ、バッグからハンカチを取り出して目元に押し当てた。
「すみません。嬉しくて……」
「解放、されましたか?」
「はい……。今まで別れ話を切り出したら、その場でぶたれると思って言えなかったんです。けど、今は時人さんがいはったから、私も勇気を出せました。ほんまにどうもおおきに」
大きな目に涙を浮かべ、晴れやかな笑顔を浮かべる葵は、太陽のように輝いていた。
「良かったです。こんな俺でも、誰かを笑顔にできて……、良かった」
人目をはばからず、時人は葵を抱き締める。木陰に立っている二人の髪を、風が揺らしていった。
「二人で幸せになりましょう、葵さん」
丸い耳の上で囁くと、時人の腕の中で葵が頷き、「はい」と返事があった。
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