245 / 464
北海道旅行 編
自分で思ってるより一万倍可愛いんだよ
しおりを挟む
体を弛緩させた私は、ボーッとして心地よさに身を委ねる。
尊さんは私の体をベッドの上にちゃんと寝かせ、洗面所に向かってお湯でタオルを濡らす。
(……あれ……。終わり?)
エッチになると思っていたのに彼が清拭の準備を始め、私は一人で盛ってしまった気持ちになり、恥ずかしくなる。
戻ってきた尊さんが私の秘部を拭こうとしたので、「いい」と真っ赤になって止めた。
「……自分で、する」
「疲れてるだろ」
けれど尊さんはそう言うと、赤ちゃんみたいに私の両脚を抱え上げ、秘部を拭き始めた。
「ううううー……」
色んな意味で情けなくなった私は、枕を抱き締めて顔を埋めた。
最後に尊さんは下着とズボンを穿かせ、ポンと私のお尻を叩く。
(……なんて言えばいいんだろう)
枕を抱き締めたまま恥ずかしさを堪えていると、尊さんは私の体をうつ伏せにし、ふくらはぎを揉み始めた。
「ん、……や、大丈夫ですって」
「今日、沢山歩いただろ」
「尊さんだって同じだけ歩いたのに」
「俺はいいの」
何となく、エッチできなかった事でボタンを一つ掛け違えてしまった感覚になり、私はしょんぼりとして脚を揉まれる。
モヤモヤしたままは嫌だと思った私は、勇気を出して聞いてみる。
「……エッチしたくなかったですか?」
「一晩寝かせて熟成させる」
「え?」
彼の言っている事が分からず、私は尊さんを振り向いた。
尊さんは少し顔を紅潮させ、何かを押し殺した表情をし、今度は私の足の裏を揉み始めた。それから溜め息をつき、じっとりとした目で私を見てくる。
「……あのなぁ、お前自分で思ってるより一万倍可愛いんだよ」
「はい?」
目を瞬かせると、尊さんはまるで職人のように足裏を揉みつつ言う。
「今回、朱里と初めての旅行だろ? 旅先で見る彼女っていつもと違う魅力があるんだよ。今日一日、すぐにでもホテルに連れ帰って押し倒したいのを、ずーっと我慢してた。朱里が旅行を楽しみにしてたの知ってたし、直前に嫌な思いをしたのも分かってるから、とにかく楽しんでほしかった。そのためなら自分の性欲なんて二の次だ」
「じゃあ……」
エッチしても良かったのでは?
おずおずと言いかけると、ジロリと睨まれる。
「あのな、いつもの性欲が百二十パーセントとして、今の俺は二百五十パーセントぐらいいってる」
「デフォが振り切ってるじゃないですか。●カウターが破裂しますよ」
「朱里に対してだけな。最近はエロ動画見ても三十パーもいかねぇよ」
「それはそれで、ちょっと心配です」
「あのなぁ……。そこは『私にだけ反応してくれるの?』って喜んでくれよ」
尊さんはガクッと項垂れ、反対の足裏を揉み始める。
「そんな感じで、今の俺は触れたら大爆発な訳。今ここでスイッチオンしたら、朝まで止まんねぇ自信がある」
「……じゃあ、手とか口でしてあげましょうか?」
そろりと尋ねると、尊さんは首を横に振る。
「そんなんされたら、朱里の中で達きたくなるだろ」
しょんぼりすると、尊さんは私の脛をすべすべと撫でてきた。
「さっきも言ったけど、セックスも楽しみながら旅行する時って、もう少しゆっくりした行程のほうがいいと思うんだ。……そうだなぁ、最低でも国内で一週間から十日はほしいな」
「確かに二泊三日だと、観光もあるとバタバタしちゃいますね」
理解を示すと、尊さんは申し訳なさそうな顔をする。
「朱里がムラムラしてくれたの、すげぇ嬉しいんだよ。観光も、恋人としての時間も楽しんでくれてるって思える。ありがとな。……でも、明日の夜まで待ってくれ。我が儘言って悪い」
「わっ、我が儘言ったの私だし!」
とっさに尊さんの手を両手で包むと、彼は愛しそうに笑った。
「朱里は普通に求めてくれただけで、落ち度はない。俺の性欲がちょっとやべぇから、適度にストップかけないとお前に迷惑掛けちまうんだ」
そういうふうに言われると、なんとも言えなくなる。
(というか、自分が悪いって事にして喧嘩にならないようにしてくれるの、大人だな)
私はしみじみ思い、自分の単純さを反省した。
「じゃあ明日の夜、かなまら祭り待ってます」
「ぶふぉっ!」
私がいきなり某珍祭をぶっ込んだからか、尊さんは噴き出した。
尊さんは私の体をベッドの上にちゃんと寝かせ、洗面所に向かってお湯でタオルを濡らす。
(……あれ……。終わり?)
エッチになると思っていたのに彼が清拭の準備を始め、私は一人で盛ってしまった気持ちになり、恥ずかしくなる。
戻ってきた尊さんが私の秘部を拭こうとしたので、「いい」と真っ赤になって止めた。
「……自分で、する」
「疲れてるだろ」
けれど尊さんはそう言うと、赤ちゃんみたいに私の両脚を抱え上げ、秘部を拭き始めた。
「ううううー……」
色んな意味で情けなくなった私は、枕を抱き締めて顔を埋めた。
最後に尊さんは下着とズボンを穿かせ、ポンと私のお尻を叩く。
(……なんて言えばいいんだろう)
枕を抱き締めたまま恥ずかしさを堪えていると、尊さんは私の体をうつ伏せにし、ふくらはぎを揉み始めた。
「ん、……や、大丈夫ですって」
「今日、沢山歩いただろ」
「尊さんだって同じだけ歩いたのに」
「俺はいいの」
何となく、エッチできなかった事でボタンを一つ掛け違えてしまった感覚になり、私はしょんぼりとして脚を揉まれる。
モヤモヤしたままは嫌だと思った私は、勇気を出して聞いてみる。
「……エッチしたくなかったですか?」
「一晩寝かせて熟成させる」
「え?」
彼の言っている事が分からず、私は尊さんを振り向いた。
尊さんは少し顔を紅潮させ、何かを押し殺した表情をし、今度は私の足の裏を揉み始めた。それから溜め息をつき、じっとりとした目で私を見てくる。
「……あのなぁ、お前自分で思ってるより一万倍可愛いんだよ」
「はい?」
目を瞬かせると、尊さんはまるで職人のように足裏を揉みつつ言う。
「今回、朱里と初めての旅行だろ? 旅先で見る彼女っていつもと違う魅力があるんだよ。今日一日、すぐにでもホテルに連れ帰って押し倒したいのを、ずーっと我慢してた。朱里が旅行を楽しみにしてたの知ってたし、直前に嫌な思いをしたのも分かってるから、とにかく楽しんでほしかった。そのためなら自分の性欲なんて二の次だ」
「じゃあ……」
エッチしても良かったのでは?
おずおずと言いかけると、ジロリと睨まれる。
「あのな、いつもの性欲が百二十パーセントとして、今の俺は二百五十パーセントぐらいいってる」
「デフォが振り切ってるじゃないですか。●カウターが破裂しますよ」
「朱里に対してだけな。最近はエロ動画見ても三十パーもいかねぇよ」
「それはそれで、ちょっと心配です」
「あのなぁ……。そこは『私にだけ反応してくれるの?』って喜んでくれよ」
尊さんはガクッと項垂れ、反対の足裏を揉み始める。
「そんな感じで、今の俺は触れたら大爆発な訳。今ここでスイッチオンしたら、朝まで止まんねぇ自信がある」
「……じゃあ、手とか口でしてあげましょうか?」
そろりと尋ねると、尊さんは首を横に振る。
「そんなんされたら、朱里の中で達きたくなるだろ」
しょんぼりすると、尊さんは私の脛をすべすべと撫でてきた。
「さっきも言ったけど、セックスも楽しみながら旅行する時って、もう少しゆっくりした行程のほうがいいと思うんだ。……そうだなぁ、最低でも国内で一週間から十日はほしいな」
「確かに二泊三日だと、観光もあるとバタバタしちゃいますね」
理解を示すと、尊さんは申し訳なさそうな顔をする。
「朱里がムラムラしてくれたの、すげぇ嬉しいんだよ。観光も、恋人としての時間も楽しんでくれてるって思える。ありがとな。……でも、明日の夜まで待ってくれ。我が儘言って悪い」
「わっ、我が儘言ったの私だし!」
とっさに尊さんの手を両手で包むと、彼は愛しそうに笑った。
「朱里は普通に求めてくれただけで、落ち度はない。俺の性欲がちょっとやべぇから、適度にストップかけないとお前に迷惑掛けちまうんだ」
そういうふうに言われると、なんとも言えなくなる。
(というか、自分が悪いって事にして喧嘩にならないようにしてくれるの、大人だな)
私はしみじみ思い、自分の単純さを反省した。
「じゃあ明日の夜、かなまら祭り待ってます」
「ぶふぉっ!」
私がいきなり某珍祭をぶっ込んだからか、尊さんは噴き出した。
161
お気に入りに追加
1,256
あなたにおすすめの小説
上司は初恋の幼馴染です~社内での秘め事は控えめに~
けもこ
恋愛
高辻綾香はホテルグループの秘書課で働いている。先輩の退職に伴って、その後の仕事を引き継ぎ、専務秘書となったが、その専務は自分の幼馴染だった。
秘めた思いを抱えながら、オフィスで毎日ドキドキしながら過ごしていると、彼がアメリカ時代に一緒に暮らしていたという女性が現れ、心中は穏やかではない。
グイグイと距離を縮めようとする幼馴染に自分の思いをどうしていいかわからない日々。
初恋こじらせオフィスラブ
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
『逃れられない淫らな三角関係』番外編 ヘルプラインを活用せよ!
臣桜
恋愛
『逃れられない淫らな三角関係』の番外編です。
やりとりのある特定の読者さまに向けた番外編(小冊子)です。
他にも色々あるのですが、差し障りのなさそうなものなので公開します。
(他の番外編は、リアルブランド名とかを出してしまっている配慮していないものなので、ここに載せるかは検討中)
一夜の過ちで懐妊したら、溺愛が始まりました。
青花美来
恋愛
あの日、バーで出会ったのは勤務先の会社の副社長だった。
その肩書きに恐れをなして逃げた朝。
もう関わらない。そう決めたのに。
それから一ヶ月後。
「鮎原さん、ですよね?」
「……鮎原さん。お腹の赤ちゃん、産んでくれませんか」
「僕と、結婚してくれませんか」
あの一夜から、溺愛が始まりました。
若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる