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クリスマスデート 編

SとM ☆

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「俺は、お前が望むセックスをしたい。それに、俺とお前の望みは一致してると思うんだ」

 どこか邪悪さも感じられる笑い方をしておきながら、彼は優しく私の頭を撫でる。

「勿論、お前が怖がる事はしないし、意思を無視した事もしない。心から気持ちを込めて、主人としてお前に奉仕する」

 言われて、フッ……と『SM』という単語が浮かんだ。

 サドとマゾじゃなくて、サービスと満足、サーヴァントとマスターだ。

 一見、Sと言われている人が攻めて主導権を持っているように見えるけれど、本当はSはMのために奉仕し、気持ちよくなってもらいたいと願っている。

 それを思いだして、私は尊さんが言っている事を理解した。

 強引なエッチにするのも、優しいエッチになるのも、私次第なんだ。

 そして私は、……自分を見失うぐらいの激しいセックスを求めている……。

 理解した私は、ジワリと頬を染めた。

「……最初は、優しくしてください。……慣れてないのに強くされるのは嫌です」

 要望を口にすると、尊さんはニヤリと笑った。

「了解」

 彼はバスローブを脱ぎ、自分も膝立ちになって私の両頬を手で包んでくる。

「好きだよ」

 尊さんは囁くように言ってから、私に優しくキスをしてきた。

「ん……、……ぅ、……ふ……」

 何回も唇を優しくついばみ合い、私たちはお互いの体を愛撫していく。

 尊さんの温かな手が肌を這うたび、体の芯にポッと小さな熱が宿っていく感じがした。

「は、――ふ、……ん、んぅ……、んっ」

 舌を絡ませていやらしいキスをしていると、尊さんがツゥッと私の背中を辿る。

 そしてブラのホックを外し、パンティ越しにお尻を撫で、ムニュムニュと揉んできた。

「んっ、ぅ、……あっ、…………はぁっ、あ……」

 耳や首筋にキスをされ、舌を這わされて、私はゾクゾクと身を震わせる。

 彼はブラジャーを脱がせたあと、デコルテにきつく吸い付きながらパンティもねじり下ろした。

「ん……、ごめんな、せっかく可愛いのつけてくれたのに。……そうだ。今度、大事な部分だけ出てる奴とか着て、セックスしてみるか」

「やだ、もう……っ」

 ペシンと彼の胸板を叩くと、彼は目を細めて笑った。

「綺麗な胸……」

 尊さんは私の乳房を見て呟き、舌先を少し出して素肌を舐めていく。

 その間も両手は背中やお尻、太腿を撫でてきて、私はモジモジと腰を揺らした。

「……触るぞ。痛かったら言って」

 彼はそう言ったあと、秘唇に指を這わせてきた。

 キスをされただけで、私はすでにそこを潤わせていた。

 尊さんはフッと私の乳首に息を吹きかけ、秘唇に沿って指を前後させる。

「ん……っ、ん……、ぁ……」

 チュクチュクと小さな水音を立てて、陰唇が愛撫される。彼はときおり蜜孔に指を浅く入れ、指先に愛蜜を纏わせて、さらにヌチュヌチュと秘唇を撫でた。

「あ……っ、あぁ……っ」

 尊さんは乳輪に沿ってレロレロと舐めていたけれど、刺激を受けてぷっくりと勃ち上がった乳首を舌で弾き始めた。

 同時に淫芽に指が触れ、刺激を受けて膨らんでいたそこを数回撫でられただけで、私はポーッとしながら彼に縋り付いていた。

「そこ……っ、そこ、――――ぁ、あぁっ」

「ん? 気持ちいいか? じゃあ、もっとしような」

 尊さんは優しく笑い、さらに淫芽をコリュコリュと捏ねてきた。

 乳首は舌でねっとりと舐められ、時に舌先で転がされる。

 もう片方の胸も大きな手で揉まれ、乳首を擦られては勃起させられた。

「ふ……っ、――――ぁあっ、あっ、あぁああ……っ」

 最初は彼の事も愛撫しようと思っていたけれど、すぐに淫悦の波にさらわれて、それどころではなくなってしまった。

「ごめ……っ、あの」

「横になったほうが楽か?」

 尋ねられ、私はコクコクと頷く。

「たっぷり舐めてトロトロにしてやろうな」

 尊さんは私をベッドの際に仰向けにさせ、自分は床の上に膝をついた。

 そして私の脚を開き、まずは内腿に舌を這わせ、きつく吸い付いてくる。

「ん……っ、うぅっ、ぁ、あ……っ」

 歯を立てられてチリッとした痛みが宿り、彼がキスマークを残したのだと知った。

 ――昭人はそんな事をしなかった。

 つい元彼の事を考えてしまう自分が、嫌で堪らない。

 結婚しようと決意した人に愛されているのに、どうしてあいつの顔がチラつくのか。

 そう思った時、尊さんの吐息が秘所に掛かり、まるまると大きく膨らんだ淫玉を舐められた。
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