【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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初デート 編

これからの予定

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 ある時期、同僚の美人な女の子が尊さんにアプローチしていた。

 私はそれを『ふーん』と思って見守っていただけだけど、彼女の事を気に掛けていた後輩くんが、いつだったか『部長なんておっさんじゃないですか』と言っていたのだ。

 ……まさか、あれを聞いていたなんて言わないよね?

 プルプルと震える私を見て、尊さんはニヤリと笑う。

「……まー、壁に耳あり障子に目ありだな。ちょっとやそっとじゃ怒らねぇけど」

 そう言って、彼は羽布団をたぐり寄せて体に掛けた。

「……なんかすみません。途中だったのに……」

「いいよ。今日しかチャンスがない訳じゃないから」

 彼はそう言ってくれるものの、一度おっきしてしまったモノ……、大丈夫なんだろうか?

「……あ、あの……。手か口で……しましょうか?」

「いいって」

 彼が遠慮するほど、罪悪感がこみ上げる。

「あの、エッチはあまり慣れてないけど、手とか口でするのはそれなりに慣れ……ふがっ」

 途中まで言った時、また尊さんが私の鼻をつまんできた。

「……おい。まさか田村クンを喜ばせたテクで、俺を達かせようと思ってるか?」

「えっ……」

 テクなんて、そんな立派なもん持ってない。

 ……いや、じゃなくて。

「フェラしてくれるならしてほしい。でもその時は、俺がじっくり教え込む。……だから朱里からはするな」

 一言一言、しっかり言い含めるように言われ、私はジワッと頬を染めて頷いた。

「……もしかして、妬いてます?」

 小さな声で尋ねると、尊さんは私を睨んでから噛み付くようなキスをしてきた。

「んっ……、ん、ぅ、ぅ……」

 口内を肉厚な舌でねっとりと掻き回され、私は無意識に彼の背中に手を回す。

 ――この人のキス、好きだな。

 私は全身で尊さんのぬくもりを感じ、うっとりと目を閉じる。

「はぁ……」

 唇の間で銀糸が引き、私たちは吐息を漏らす。

「……体、冷えてないか?」

 尊さんが私の肩に触れ、尋ねてくる。

 確かにお風呂に入って盛り上がったあと、ろくに髪も乾かさずにベッドにきてしまった。

「……ドライヤーは掛けたいかも」

「じゃあ、風呂に入り直すか」

 尊さんは立ちあがって全裸のままバスルームに向かい、私はバスローブを羽織って彼を追った。





「これからどうするつもりですか?」

 再びジェットバスに浸かった私は、後ろから尊さんに抱き締められ、温まる。

 お酒を飲んだのと、深夜になってきたのもあって、かなり眠たくなってきた。

「ん? あー……。まぁ、十二月内には怜香さんにお前の事を紹介する」

「……私はもう覚悟を決めましたけど、……大丈夫ですか? 社長夫人、怒り狂いそう」

 彼の継母が、かなり面倒な人なのは今までの話を聞いて分かった。

 尊さんを信じて愛してみようと決めたのは私だけれど、社長夫人の不興を買って、会社を辞めさせられたり、悪い噂を流されるのは避けたい。

「んー、まぁ、怒るだろうけど、俺もあの人の弱みを握ってるから」

「…………さすが……」

 この男がただ反抗する訳じゃないと思っていたけど、まさか社長夫人の弱点をすでに掴んでいたとは……。

「どんな……?」

「んー、またあとでな。先に手駒を全部披露したらつまんないだろ。敵を騙すには味方から」

 そう言って、尊さんは私の頬にキスをした。

 私はお湯の中で膝を抱え、あぶくで形を歪めた自分の脚を見る。

 腹部には尊さんの腕が回っていて、私の脚の外側には彼の脚がある。

 見た目はスラッとしているのに、こうやって隣り合うと男の人の筋肉質な脚だと思って意識してしまう。

 ……彼とこういう関係になる前に、私は一度尊さんの脚を見た事があった。

 ――あの時は……。

「……ねぇ、尊さん」

「ん?」

 彼は私の顎をクイと上げ、喉を撫でる。

(……あの時の事、覚えていますか?)

 私は心の中で尋ねる。
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