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愛し合う夫婦5 ☆

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 ルーカスの手を握ったまま、膝に力を入れて腰を上下させると、すぐに快楽が脳に駆け上がる。

「あっ、ぁ……、あ、ん……っぅ」

 ギュウッと手を握る力が強まり、アリアは悩ましく腰をくねらせた。

「ルーカスさま、気持ちいい……っ、です、か?」

 陶酔した顔で上から見下ろす妻は、なによりも扇情的で美しい。

「あぁ、気持ちいい。アリア」

 自分が主体で動く時は勢いのままだが、アリアの気持ちがいい具合に動かれるのもまたいい。

 その頼りない腰づかいもまた、ルーカスを燃え立たせる要因になる。

 肌がぶつかる小さな音がし、アリアは懸命に腰を動かす。

 自分が気持ちいいと思う場所に、いまは自分の意思で刺激を与えられる。長く続けると疲れてしまいそうだが、新しい気持ちよさを発見した。

「あっ、あ、……ぁ、ん、ぅ……、う、んっ」

 おまけにルーカスの下腹に真珠がこすれて、二重に気持ちいい。

 トロンとした目で目の前の空間を見つめ、アリアは夫の手にすがりついたままただ腰を動かす。

「ルーカス……さまっ」
「ん? なんだ? いきそうか?」

 妻が何を訴えるのか聞いてみれば、アリアはそのまま倒れ込んできた。

「キス……してください。キス、好きです……」

 甘えた声で言い、繋がったままアリアはルーカスの唇を求める。

「ん……」

 ルーカスの手がアリアの頭を引き寄せ、唇が合わさった。片手は腰も引き寄せ、接合部を深めるように力が入る。

 自分の手の中でアリアの絹糸のような髪を楽しみながら、ルーカスはアリアの唇を味わった。

 唇すらも発情しているのではと思うほど熱く、二人の舌はすぐに混じり合う。

 ベルベットのような滑らかな舌を探り合い、唇の間からちゅむちゅむというリップ音が響いた。

 ルーカスのキスが深くなるたび、アリアの蜜壷がキュッと締まって反応する。

 そろそろ自分で動きたいと思ったルーカスは、キスを続けたまま両手でアリアの尻肉を掴んだ。

「んっ?」

 少し驚いたアリアが顔を上げたが、その前にルーカスが腰を突き上げ始めた。

「あっ! あぁああぁっ、やっ、ルーカス……っ、さまぁっ」

 強い刺激にアリアはすぐに甘い声を上げ、ルーカスにしがみつく。

 今まで自分の調子で動いていたのに、それが崩されアリアは一気に高まってしまう。

 グチャグチャと容赦のない淫音がし、情けない悲鳴を出しそうになったアリアは、懸命に自分の手を噛む。

「んーっ、うぅ、ん、んんーっ!」

 大きなモノが激しくナカをこすり、えぐる。

 その度にアリアの頭の中で、白い光がチカチカと明滅した。

「アリア、言ったろう。手を噛んではいけない。噛むなら俺の肩を噛むんだ」

「うっ、……ぁ、あ、でもっ、あっ、ああぁあっ」

 声を殺したい。けれど指を噛んではいけないと言われる。

 けれどアリアにルーカスの肌に歯をたてることもできず、結果彼の耳元で嬌声を上げることになってしまう。

「ひぃっ!?」

 ふとルーカスの指先がアリアの菊座に触れ、驚いたアリアは思いきりルーカスを締め付ける。

「だめです! そこだけは駄目です!」

 焦ったアリアはプリプリと尻を振るが、ルーカスは蜜をまとわせた指先で菊座をこすってきた。

「やぁあっ! やぁああぁっ!」

 羞恥と快楽とでアリアは悲鳴を上げながら達し、ルーカスにしがみついたまま体を震わせる。

 妻のナカがピクピクと痙攣したのを感じ、ルーカスはアリアを抱えて起き上がった。

 ベッドの上にあぐらをかいた状態で、またアリアの尻肉を掴んで突き上げる。

「ぅんっ、あ! あっ、あぁっ、も……っ、許し……っ、て」

 ルーカスの胸板につけられた双丘が、激しく揺さぶられてユサユサと揺れた。

 ピンと尖った先端が胸板にこすれるのが気持ち良く、ルーカスはうっすらと笑う。

「アリア、キスをしよう」
「ん……っ、キ……スッ」

 トロンとした思考の中で、アリアは夫の濡れた唇を見つめた。

 そして、吸い寄せられるようにキスを求め、唇を押しつける。

「ん……っ、む、……ぅ、うっ」

 先端が奥を叩くたび、アリアはビクビクと体を跳ねさせた。

 自分の体から蜜が溢れ、どこまで濡らしてしまっているのか分からない。

 激しい快楽のなかで思考は停止し、アリアは本能のままルーカスの唇をついばみ、舐める。

「……っは、アリア……っ、好きだっ」
「ルーカスさま……っ」

 青い瞳が見つめ合い、情欲に濡れた二対の双眸はただ互いを求め合っていた。

 深くまで穿たれつつ、アリアは自然とその律動に合わせて自分も腰を動かす。

 結果、深く繋がることになった二人は、より強い快楽を味わった。

「ん……っ」

 またルーカスはアリアを抱きしめ、押し倒す。

 キスをしたまま腰を振りたくると、アリアはナカをピクピク震わせたままくぐもった悲鳴を上げた。

「んーっ、んぅっ、んんーっ!」

 ――もう堪えられない。

 強く、激しすぎる快楽に、アリアは涙も蜜も流しっぱなしで、ガクガクと痙攣する。

「……っは、さっきからずっといってるな。待ってくれ、もう少し……で」

 アリアの両側に手をつき、ルーカスは妻を見下ろしたまま腰を打ち付けた。

「あっ! あぁああぁっ、あぁっ、ルーカスさまっ、あぁっ、ぁ、あっ!」

 ガツガツと奥をえぐられ、アリアの脳天で光が明滅する。

 フワッと浮遊感を感じたかと思うと、アリアは真っ白な世界にいた。

 まるでマグノリアの神に愛されていた時のように、一面白に覆われた世界。

 ただ気持ち良く、自分が上げた声も聞こえるようでいて聞こえない。

 ズンズンと体に叩きつけられる先端の振動だけがあり、白い世界のどこかで夫が「くぅっ」と色めいた吐息を漏らしたのが分かった。

 そのあと――、体の奥に熱い塊が流れ込んでくる。

 甘ったるいミルクのようで、濃厚な花の香りのようなそれに包まれ――、アリアは意識を手放した。




 真っ白な花に包まれて、愛しい存在が笑っている。

 小さな手がアリアを求め、それをキュッと握ると小さな手は精一杯の力で握り返した。

 ――私はもうすぐ、この子に会えるんだわ。

 その存在はまだここでしか会えないのは分かっていて、だがアリアはそう直感する。

 姿は見えないが、すぐ側には夫の気配がある。

 そしてこの世界を覆い尽くし身守るように、マグノリアの神の気配があった。

 ――ありがとうございます。

 自分を取り巻くすべてに感謝して、アリアはその幸福に浸っていた。



**



 その後しばらく、美しすぎる王太子妃が国中で話題になった。

 流れるようなシルバーブロンドに空を映したブルーアイ。

 まるで女神のようだと貴族たちが浮き足立ち、顔も見たことがないのに吟遊詩人たちが歌をうたう。

 もちろん、ルーカスは気が気でなかった。

 離宮にアリアを閉じ込めるのは本意でないとはいえ、彼女に自由に行動させていれば、新しく誰かがアリアに恋をするかもしれない。

 不安になるルーカスに、アリアはいつも「大丈夫です」と笑っていた。

 たまにフェリシアや親友たちと会うことだけは許され、彼女たちはアリアが掴んだ幸運を心から祝福してくれた。

 国王や王妃、ルーカスの妹のエヴァリンも、アリアを王家の一員として迎え入れてくれている。




 幸せに包まれたまま、アリアは蜜月のあいだたっぷりルーカスに愛され続けた。

 そして――。

 アリアが懐妊したという知らせが流れたのは、それから少ししてからだった。
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