上 下
65 / 109

必ず俺の妻になってくれ

しおりを挟む
「ありがとう、リリィ。君が側にいてくれて、俺は幸せだ。たとえ護衛でいてくれる理由が、贖罪からだとしても、俺は君を独り占めできて嬉しいんだ」

 リリアンナを優しく抱き締め、ディアルトがキスをしてくる。

「ん……っ、……ン」

 いつもより少し性急に唇を食まれ、リリアンナが口を喘がせた時に唇の内側を舐められる。
 絡まってきた舌を、今日ばかりはリリアンナも夢中になって吸い返した。

 一度は起き上がったはずなのに、砂地の上にドッと押し倒される。
 ディアルトの手がペチコートから侵入してきても、リリアンナは抵抗しなかった。
 何度も唇を啄まれ、星空の元にリリアンナの白い乳房がホロンとまろび出る。胸はディアルトの手の中で柔らかく形を変え、硬い掌に摩擦されてすぐに乳首を勃起させた。
 しなやかな太腿を撫でられ、リリアンナの腰にゾクッと震えが走る。

「ん……っ、ぁ、――でん、か」
「リリィ。君を独占させてくれ」

 熱の籠もった声で囁き、ディアルトはリリアンナの胸の先にキスをした。温かな舌で何度も薄桃色の先端を舐め、プクリと勃ち上がってきたところで口に含む。

「あぁ……、ン、……ぁあ」

 ディアルトを守るための騎士として生きてきたリリアンナにとって、胸は走るのに邪魔なものでしかなかった。
 だがこうしてディアルトに女性として愛されると、彼が喜んでくれる肉体を持っていて良かった……と現金にも思ってしまう。
 ちゅう、ちゅぱ、と乳首を吸われ、互いの息づかいだけが聞こえる。
 砦からもずっと離れているため、誰にも見られることもない。
 リリアンナは涙を溜めた目で星空を見上げ、自分に覆い被さる愛しい人のシルエットをまな裏に焼き付けた。

「殿下……。好き……です」

 ディアルトの黒髪を手で梳り、ポロリと本音が口をついて出る。

「……っ、好き、なんですっ。――ずっと、ずっと昔から、殿下だけを見ていましたっ」

 ちゅ……と唇を離したディアルトが、暗闇のなかクシャッと破顔した。

「やっと素直に気持ちを口にしてくれたね。嬉しいよ、リリィ。君の気持ちはずっと分かっていたけど、でもこうしてきちんと伝えてくれると……。……うん、結構クるな。嬉しい」

 噛みしめるように言い、ディアルトはリリアンナに優しくキスをする。

「俺もリリィを愛しているよ。きっと君が思っているよりも、ずっと深く」
「わ、私の方が殿下をお慕いしています!」

 思わず張り合ったリリアンナに、ディアルトがぶふっと噴き出した。遅れてリリアンナも笑い出し、しばらく二人でクスクスと笑ったあとにちゅっとキスをする。

「じゃあ、確認させてくれ。最後まではしない。リリィが俺に身を任せてくれたら、君の方が俺を好きっていうことにするから」

 ディアルトの指先がトン、と下着に触れ、リリアンナがひくっと震える。

「ず、ずるい……です」
「リリィをもらえるなら、どんなずるいことだってするとも」

 甘やかに笑いつつも、ディアルトの瞳には情欲が灯っていた。
 下着の脇からディアルトの指が侵入し、潤んだ花弁を撫でる。体を緊張させたリリアンナの胸にまた口づけて、ディアルトは指を奥に挿し入れてきた。

「あ……」

 つぬ……と小さな孔からディアルトの指が入り、まだ一度しか彼の指を受け入れていない場所を探ってゆく。

「ん……、んぁ……っ、…………ア」

 くぷ、くぷと小さな音をたててディアルトの指が奥に入り込み、内側からリリアンナの媚壁をぐぅっと押してくる。

「リリィ、この戦いから生きて帰ったら、必ず俺の妻になってくれ」

 リリアンナの胸元に唇を押しつけ、その心音を確かめたディアルトが熱っぽい声で囁く。

「は……、い」

 少し前までの自分に、「流された」と言われてもいい。

 ずっと胸の奥にしまい込んできた秘密を明かし、ディアルトに受け入れられた。絶対に嫌われる、恨まれると思っていたのに、彼はいつものように両手を広げてリリアンナを包み込み、何でも抱き締めて肯定してしまう。
 自分とは比べようのない包容力を目にして、これ以上逆らっても絶対に敵わないと思った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

転生したら冷徹公爵様と子作りの真っ最中だった。

シェルビビ
恋愛
 明晰夢が趣味の普通の会社員だったのに目を覚ましたらセックスの真っ最中だった。好みのイケメンが目の前にいて、男は自分の事を妻だと言っている。夢だと思い男女の触れ合いを楽しんだ。  いつまで経っても現実に戻る事が出来ず、アルフレッド・ウィンリスタ公爵の妻の妻エルヴィラに転生していたのだ。  監視するための首輪が着けられ、まるでペットのような扱いをされるエルヴィラ。転生前はお金持ちの奥さんになって悠々自適なニートライフを過ごしてたいと思っていたので、理想の生活を手に入れる事に成功する。  元のエルヴィラも喋らない事から黙っていても問題がなく、セックスと贅沢三昧な日々を過ごす。  しかし、エルヴィラの両親と再会し正直に話したところアルフレッドは激高してしまう。 「お前なんか好きにならない」と言われたが、前世から不憫な男キャラが大好きだったため絶対に惚れさせることを決意する。

悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~

一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、 快楽漬けの日々を過ごすことになる! そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません

abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。 後宮はいつでも女の戦いが絶えない。 安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。 「どうして、この人を愛していたのかしら?」 ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。 それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!? 「あの人に興味はありません。勝手になさい!」

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

イケボな宰相と逃げる女騎士

ほのじー
恋愛
イケボな宰相×腰がくだけないよう踏ん張る女騎士 【Hotランキング2位ありがとうございます!!】 生真面目なジュリアは王妃の女騎士となり、二年が経った。22歳となり行き遅れとなった彼女はもう結婚も諦め一生王妃に仕えると心で誓っていた。 真面目で仕事中感情を乱さない彼女にも苦手な人物がいる。それは誰もが恐れる“氷の宰相”サイラスだ。なぜなら彼の中性的な声が腰にくるからで・・・ サイラス:「ジュリア殿、この書類間違ってませんかね」 ジュリア:「っ・・・もう一度確認しておきます!失礼します!!」 ーバタンー ジュリア:「はぅぅ・・」(耳元で話しかけないでー!!) ※本編はR15程度です。番外編にてR18表現が入ってきます

処理中です...