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義母は義息子の愛を乞う2 ☆

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「全部分かっているよ、リディア。安心してすべて俺に委ねて」

 蕩けるほどのキスが訪れた。

 互いの舌を探り合い、吸って舐めてしゃぶって。甘いキスを味わい尽くし、それでもなお互いの魂すら舐めようとするキス。

「んゥ……っ、ん……、オーガスト……っ」

 キスで濡れた唇で愛する人の名を呼べるのが、こんなにも嬉しい。
 恍惚としたリディアの視界でオーガストは上体を起こし、リディアの両膝にキスを落としてから再び激しく腰を動かした。

「あ……っ、リディア、一度あなたの中に出させて」
「あぁっ、……あっ、きて……っ、オーガストっ……あなたの子を産ませてっ」

 再びオーガストに激しく突き上げられ、リディアの腰が浮き上がるほどだ。
 痙攣しっぱなしの子宮はオーガストの子種を欲しがり、媚肉は盛んに収斂してオーガストを舐めしゃぶる。
 ジュボジュボグポグポと激しい音がし、寝台が軋む音と同調してリディアの豊かな胸も弾んだ。絶えず流れる蜜は白く泡立ち、敷布は既にぐっしょりと濡れていた。

「リディア……っ、とても気持ちいい、……ぁ、また達ってみせてくれ」

 親指がピンッとリディアの膨れた肉真珠を弾き、その途端リディアは真っ白な炎に包まれた。

「――ひ、ぁきゃアぁああっ」

 ビュッと潮を噴き、リディアが悶えのたうち回る。
 口端から銀糸を引き必死に手足で敷布を掻く彼女は、柔らかな膣肉で夫を締め上げた。

「――ん、……っあ、リディアっ」

 オーガストが胴震いし、数度腰を打ち付けてからリディアを渾身の力で抱き締める。

「……あ、……ァ。……温かいわ、オーガスト。……オクにあなたを感じる」

 最奥の壁に遠慮無く白濁を浴びせられ、リディアは恍惚とした表情で夫を抱き締める。本当はもう体を動かす事すら億劫なのだが、夫を抱き締めたい。その一心で両のかいなに力を込めた。

「リディア、俺の初めての人。俺のすべてをあなたに捧げる」

 耳元で愛しい人の声を感じ、リディアは安堵して意識を手放した。






「……カルヴィンが言っていた、あなたの罪って何だったの?」

 その後さらに二度交わり、目を覚ましたリディアは夫から口移しで水を飲んだ。
 気だるい体は疲れすらも心地いいと思わせる。

 今日はもう交わりが終わろうとしているのかと思い、ずっと疑問に思っていた事を口にした。

「あぁ、あれか」

 事もなげに頷き、オーガストは苦々しく笑う。

「実はリディアが飲んでいた避妊薬の事は、最初から分かっていた」
「え……」

 後ろめたい避妊薬の事を言われ、胸がドキッと跳ねた。

「カルヴィンが避妊薬を探していると聞きつけた俺は、あいつが薬を頼る貴族に先回りをして圧を掛けた。結果あなたが飲んでいたのは、必要以上に閨で興奮する薬に変わった」
「そ……、そう、……だったの?」

 避妊薬を飲んでいなかったと安堵するも、自身の痴態を思い出しとても恥ずかしくなる。

「オーガストはカーディフ伯爵を知っていたの?」

 確か彼は父の友人のはずだ。
 父亡きあと伯爵との親交は途絶えたようだが、彼は今もどこかで商売をしているのだろう。

「まぁ、少し交流があってね。ほら、伯爵も商売に手を出していたから、王家とも関わりがあったんだ。良い品物を手に入れたら、紹介がてらに王宮に持ってくる。王家がそれを認めれば、王室御用達になったり箔がついて高く売れる」

「そうね……。お父様もその筋を考えていたようだけれど……。お父様は子爵領をまず豊かにして、それから庶民の生活を底から豊かにするよう商品を流通させたいと仰っていたわ」

「それは立派な心がけだ。幾ら王が善政を敷いても、民の隅々まで行き届くとは限らない。領地には領地の問題があり、そこを治めるのはあくまで領主である貴族だからな」

 ふとリディアは亡き父が存命だった頃の生活を思い出し、僅かに微笑む。
 けれど意識をすぐ引き戻し、会話を続けた。

「それでカーディフ伯爵にその……薬を頼んだのね?」
「ああ。たっぷり感じただろう?」

 チュッとキスをされ、リディアは「もう」と赤くなる。

「カルヴィンが言っていた罪がそんな事で良かったわ。あなたもさっき不安になる事を言ってたから、つい心配してしまったの」

 行為の最中にオーガストが言っていた『とんでもない罪』がどんな事かと思ったが、ものの例えだったのだろう。

「あなたが『そんな事』と言ってくれて良かった。曲がりなりにも王妃に薬を飲ませていた事になるから。それは国王であっても許されない……と、カルヴィンは考えていただろうね」

「オーガストになら、たとえ本当の毒を飲まされても構わないわ。あなたが私を必要としなくなるまで、私はあなたを愛し続けるもの」

 目を細めてリディアはオーガストにキスをし、そんな彼女を大きな手が撫でる。

「そんな事、冗談でも言うんじゃない。俺はあなたとずっと幸せに生きていくんだ」
「ふふ……。そうなったら素敵ね。幸せだわ」

 リディアはオーガストの胸板に頬をすり寄せ、やわらかく抱きついた。

「リディア。最近少し不安定なようだが、大丈夫か? まだあの事が怖い?」

 オーガストに目を覗き込まれ、リディアは曖昧に微笑む。

「ごめんなさい。……何だか気持ちが落ち着かなくて……。まるで月のものが訪れる前みたい」

 彼女の言葉を聞き、オーガストははたと目を瞬かせた。

「『それ』じゃないか?」
「え?」
「もしかしたら、あなたは懐妊したんじゃないのか?」

 オーガストの赤い目が揺れ、可能性と希望に煌めいている。

「……やだ。そうかもしれないわ……」

 思い当たる事があったのか、リディアは唇に指を当てて呟いた。毎月の中頃すぎには月のものが訪れていたのだが、先月はなかった上に今月上旬に差し掛かっている。

「……っ、リディアっ」

 力のままに妻を抱き締め、オーガストがちゅっちゅっとキスをする。

「私が……世継ぎを産めるだなんて……」

 まだ呆然としたリディアは、夫のキスを甘受ししばらく呆けていた。

 ブライアンの子を産めなかった自分が、十年近く経って次の王の世継ぎを孕んだのだ。どこか後ろめたく、けれど王妃として誇らしい。

 心の中にまだ住み続ける優しい先王を思い、リディアは一粒涙を流した。


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