25 / 71
目撃した真実2 ☆
しおりを挟む
「もっと……もっとぉ! ん、あァ、いいのォ……っ、きてぇ、カルヴィン!」
覗き穴があるすぐ目の前には寝台があり、女に覆い被さっているのはカルヴィンだった。
昼間リディアに迫ってきた彼が、いま誰かを組み敷き腰を振っている。
カルヴィンに恋心があったという訳ではないが、人はこうも口と裏腹な事ができるのかと呆気にとられた。
「――っぁ、パール様……っ、もう出ますっ」
「――んゥっ、あっ、掛けて! わたくしのお腹に掛けて!」
相手はパールだった。
王太后と思えない淫らな言葉を口走り、やがて寝台が激しく軋んだあと二人の動きが止まった。
リディアの体は恐ろしく震え、だというのに心臓は煩く鳴り回って体が熱くなっている。
背後から抱き締めていたオーガストは、通路の中でリディアのネグリジェの裾を捲り上げる。
「…………!」
目線でオーガストを責め、リディアは必死にネグリジェを押さえる。
けれども下着を纏っていない体はすぐに晒され、太腿や下腹をオーガストが撫でてきた。
「……やっぱり抱かれるっていいわ……。わたくしに触れなかった前陛下が信じられない。わたくしの体は最高でしょう? カルヴィン」
「はい。パール様の美貌も肉体も、お若い頃から変わっておりません」
「ふふ……。上手ね」
やがてカルヴィンとパールが会話を始め、互いの体を愛撫しだす。
同時にオーガストもリディアの花弁に指を滑らせていた。
「……お願い、やめて。オーガスト」
密着している距離で哀願するも、オーガストは指の動きをやめてくれない。
ピチャピチャと濡れた花弁を弾いた指は、その内ヌルリと暖かな膣肉を擦りだす。
「二人の閨を覗いて濡らした王妃様が、何を言っているんだ? あいつらの悪巧みを全部聞くまでここにいるぞ。それまで暇だから、あなたの体を触らせてほしい」
「……オーガスト……」
暗い通路にチュクチュクと水音がし始め、リディアは懸命に息を殺す。
その間も二人の会話は進んでいた。
「それはそうと、あの目障りな偽国王を蹴落とす算段はついているのでしょうね?」
「ええ。ブライアン陛下に私が毒を盛ったという罪を、あの方に負わせる時がやっと訪れました。オーガスト陛下がご即位されるまで待ったのも、ひとえに『王』を排除する目的のためです。『王子』に罪を被せても、あまり効果がありませんからね。……リディア様が王妃陛下となられたのは予想外でしたが」
信じられない真実に、リディアの思考が停止した。
「あの女の事なんてどうでもいいのよ。どうせわたくしが王座に就くのだから。そうなればあなたは王配……。ふふ、わたくしたち、良いパートナーになれるわ。寝所での相性も最高だしね?」
「仰る通りです、パール様。……あぁ、すみません。ありがとうございます」
パールはカルヴィンを押し倒し、跪いてカルヴィンの萎えたモノをまた元気にすべく口淫を始めた。
「ブライアン陛下が毎日飲まれていたお茶に混入した毒は、一回では微々たるものでも蓄積すればやがて重篤な病に陥らせるものでした。お陰で誰にも気取られる事なく、あの方を亡き者にできた。自分の夫に毒を飲ませていたとも知らないリディア様には、申し訳ない事をしましたけれどね」
「ン……。ブライアン陛下はあなたの私財に疑問を持っていたのですって? 人のお金に口を出すような人は、たとえ国王でもいけない事だわ」
パールは耳に乱れた金髪を掛け、熱心に奉仕を続けている。ドレスで着飾った時は隠れていたものの、その腹部や臀部の肉はたるみ始めていた。
醜悪な言葉、人間に目を逸らしたい。それなのに真っ直ぐ前を向かされたまま首筋に強いキスをされ、指はクチャクチャと花弁を暴き肥大した真珠を弾いてくる。
「っく……ふ、……ン」
自ら口元を両手で押さえ、リディアは懸命に声を抑えた。
同時に自分がブライアンに毒を飲ませていたという事実を知り、目から滂沱の涙を流す。
強いショックを受け悲しいのに、体はオーガストの指に暴かれていて気持ちがバラバラになる。けれど目の前でカルヴィンはなおも残酷な言葉を続けた。
「亡きランチェスター子爵に目を付けたのも、もしかしたら気づかれたのかもしれません。子爵が取り寄せた品を私の名の下で商売をさせ、売り広め、その利益を頂くという計画だったが……。子爵に東方の陶磁器をとブライアン陛下がお声を掛けられたのも、私への牽制だったのかもしれない……」
亡き父の名前まで出て、リディアは心臓が止まりそうだった。
けれど執拗に弱い場所を擦り立てられ、体がガクガクと震えて達してしまう。
「っぁ――――!」
ビシャッと冷たい石の床に飛沫を浴びせ、一瞬頭の中が真っ白になった。
あまりの緊張とスリルとで、リディアの体はこれ以上なく敏感になっていた。その場にくずおれかけたリディアを、オーガストがしっかりと支える。
「あなたはちゃんと黒幕の言葉を最後まで聞く義務がある」
けれど耳元で囁かれ、渇が入った気持ちだった。
(そうよ。私はお父様を失い、陛下も失った。その黒幕がカルヴィンであるのなら、彼が何を考えていたのか、どうしてあのような結果になったのかちゃんと知らなければ。生きている私にしかできない事だわ)
両足を叱咤し、リディアは覗き穴の中を見て、耳を澄ませる。
全裸のカルヴィンはクッションにもたれかかり、主人のようにパールの頭を撫でていた。
「あぁ……、お上手です。パール様」
「ふふ。こんな事あの女はできないでしょう? 人生の酸いも甘いも知った女だからこそ、男を悦ばせる事ができるのです」
『あの女』とは十中八九リディアの事だ。
「そうですね、パール様。あの方の取り柄はひとえに若さと美しさにあります。子爵夫人の母親が再婚をして伯爵家令嬢になった。だが我ら公爵家には家柄的には遠く及びません。作法や教養を身につけても、パール様を娶られた時に比べ、周囲はあまりいい顔をしませんでしたからね」
「――――」
ズグリ、とリディアの胸が痛む。
覗き穴があるすぐ目の前には寝台があり、女に覆い被さっているのはカルヴィンだった。
昼間リディアに迫ってきた彼が、いま誰かを組み敷き腰を振っている。
カルヴィンに恋心があったという訳ではないが、人はこうも口と裏腹な事ができるのかと呆気にとられた。
「――っぁ、パール様……っ、もう出ますっ」
「――んゥっ、あっ、掛けて! わたくしのお腹に掛けて!」
相手はパールだった。
王太后と思えない淫らな言葉を口走り、やがて寝台が激しく軋んだあと二人の動きが止まった。
リディアの体は恐ろしく震え、だというのに心臓は煩く鳴り回って体が熱くなっている。
背後から抱き締めていたオーガストは、通路の中でリディアのネグリジェの裾を捲り上げる。
「…………!」
目線でオーガストを責め、リディアは必死にネグリジェを押さえる。
けれども下着を纏っていない体はすぐに晒され、太腿や下腹をオーガストが撫でてきた。
「……やっぱり抱かれるっていいわ……。わたくしに触れなかった前陛下が信じられない。わたくしの体は最高でしょう? カルヴィン」
「はい。パール様の美貌も肉体も、お若い頃から変わっておりません」
「ふふ……。上手ね」
やがてカルヴィンとパールが会話を始め、互いの体を愛撫しだす。
同時にオーガストもリディアの花弁に指を滑らせていた。
「……お願い、やめて。オーガスト」
密着している距離で哀願するも、オーガストは指の動きをやめてくれない。
ピチャピチャと濡れた花弁を弾いた指は、その内ヌルリと暖かな膣肉を擦りだす。
「二人の閨を覗いて濡らした王妃様が、何を言っているんだ? あいつらの悪巧みを全部聞くまでここにいるぞ。それまで暇だから、あなたの体を触らせてほしい」
「……オーガスト……」
暗い通路にチュクチュクと水音がし始め、リディアは懸命に息を殺す。
その間も二人の会話は進んでいた。
「それはそうと、あの目障りな偽国王を蹴落とす算段はついているのでしょうね?」
「ええ。ブライアン陛下に私が毒を盛ったという罪を、あの方に負わせる時がやっと訪れました。オーガスト陛下がご即位されるまで待ったのも、ひとえに『王』を排除する目的のためです。『王子』に罪を被せても、あまり効果がありませんからね。……リディア様が王妃陛下となられたのは予想外でしたが」
信じられない真実に、リディアの思考が停止した。
「あの女の事なんてどうでもいいのよ。どうせわたくしが王座に就くのだから。そうなればあなたは王配……。ふふ、わたくしたち、良いパートナーになれるわ。寝所での相性も最高だしね?」
「仰る通りです、パール様。……あぁ、すみません。ありがとうございます」
パールはカルヴィンを押し倒し、跪いてカルヴィンの萎えたモノをまた元気にすべく口淫を始めた。
「ブライアン陛下が毎日飲まれていたお茶に混入した毒は、一回では微々たるものでも蓄積すればやがて重篤な病に陥らせるものでした。お陰で誰にも気取られる事なく、あの方を亡き者にできた。自分の夫に毒を飲ませていたとも知らないリディア様には、申し訳ない事をしましたけれどね」
「ン……。ブライアン陛下はあなたの私財に疑問を持っていたのですって? 人のお金に口を出すような人は、たとえ国王でもいけない事だわ」
パールは耳に乱れた金髪を掛け、熱心に奉仕を続けている。ドレスで着飾った時は隠れていたものの、その腹部や臀部の肉はたるみ始めていた。
醜悪な言葉、人間に目を逸らしたい。それなのに真っ直ぐ前を向かされたまま首筋に強いキスをされ、指はクチャクチャと花弁を暴き肥大した真珠を弾いてくる。
「っく……ふ、……ン」
自ら口元を両手で押さえ、リディアは懸命に声を抑えた。
同時に自分がブライアンに毒を飲ませていたという事実を知り、目から滂沱の涙を流す。
強いショックを受け悲しいのに、体はオーガストの指に暴かれていて気持ちがバラバラになる。けれど目の前でカルヴィンはなおも残酷な言葉を続けた。
「亡きランチェスター子爵に目を付けたのも、もしかしたら気づかれたのかもしれません。子爵が取り寄せた品を私の名の下で商売をさせ、売り広め、その利益を頂くという計画だったが……。子爵に東方の陶磁器をとブライアン陛下がお声を掛けられたのも、私への牽制だったのかもしれない……」
亡き父の名前まで出て、リディアは心臓が止まりそうだった。
けれど執拗に弱い場所を擦り立てられ、体がガクガクと震えて達してしまう。
「っぁ――――!」
ビシャッと冷たい石の床に飛沫を浴びせ、一瞬頭の中が真っ白になった。
あまりの緊張とスリルとで、リディアの体はこれ以上なく敏感になっていた。その場にくずおれかけたリディアを、オーガストがしっかりと支える。
「あなたはちゃんと黒幕の言葉を最後まで聞く義務がある」
けれど耳元で囁かれ、渇が入った気持ちだった。
(そうよ。私はお父様を失い、陛下も失った。その黒幕がカルヴィンであるのなら、彼が何を考えていたのか、どうしてあのような結果になったのかちゃんと知らなければ。生きている私にしかできない事だわ)
両足を叱咤し、リディアは覗き穴の中を見て、耳を澄ませる。
全裸のカルヴィンはクッションにもたれかかり、主人のようにパールの頭を撫でていた。
「あぁ……、お上手です。パール様」
「ふふ。こんな事あの女はできないでしょう? 人生の酸いも甘いも知った女だからこそ、男を悦ばせる事ができるのです」
『あの女』とは十中八九リディアの事だ。
「そうですね、パール様。あの方の取り柄はひとえに若さと美しさにあります。子爵夫人の母親が再婚をして伯爵家令嬢になった。だが我ら公爵家には家柄的には遠く及びません。作法や教養を身につけても、パール様を娶られた時に比べ、周囲はあまりいい顔をしませんでしたからね」
「――――」
ズグリ、とリディアの胸が痛む。
10
お気に入りに追加
2,083
あなたにおすすめの小説
【R-18】記憶喪失な新妻は国王陛下の寵愛を乞う【挿絵付】
臣桜
恋愛
ウィドリントン王国の姫モニカは、隣国ヴィンセントの王子であり幼馴染みのクライヴに輿入れする途中、謎の刺客により襲われてしまった。一命は取り留めたものの、モニカはクライヴを愛した記憶のみ忘れてしまった。モニカと侍女はヴィンセントに無事受け入れられたが、クライヴの父の余命が心配なため急いで結婚式を挙げる事となる。記憶がないままモニカの新婚生活が始まり、彼女の不安を取り除こうとクライヴも優しく接する。だがある事がきっかけでモニカは頭痛を訴えるようになり、封じられていた記憶は襲撃者の正体を握っていた。
※全体的にふんわりしたお話です。
※ムーンライトノベルズさまにも投稿しています。
※表紙はニジジャーニーで生成しました
※挿絵は自作ですが、後日削除します
【R18】侯爵令嬢の私は弟から溺愛されて困っています
ねんごろ
恋愛
侯爵令嬢の私、アイシア・レッドフィールドは毎日のように弟から溺愛されています。
しかもその溺愛の様が常軌を逸していて……
お姉ちゃんは困ってしまいます。
【R-18】SとMのおとし合い
臣桜
恋愛
明治時代、東京の侯爵家の九条西家へ嫁いだ京都からの花嫁、大御門雅。
彼女を待っていたのは甘い新婚生活ではなく、恥辱の日々だった。
執事を前にした処女検査、使用人の前で夫に犯され、夫の前で使用人に犯され、そのような辱めを受けて尚、雅が宗一郎を思う理由は……。また、宗一郎が雅を憎む理由は……。
サドな宗一郎とマゾな雅の物語。
※ ムーンライトノベルズさまにも重複投稿しています
※ 表紙はニジジャーニーで生成しました
【R-18】やさしい手の記憶
臣桜
恋愛
フース王国の王子フリッツは雨の酷い晩に落馬して怪我をし、そこをアメリアという偽名を名乗る女性に命を救われた。しかしアメリアはフリッツが自分の姿を見る事を許さず、フリッツはアメリアの小屋で過ごす間ずっと目隠しをされていた。
アメリアへの想いを残したまま怪我が治って城へ戻ったフリッツの前に現れたのは、クロエという新しい世話係。隣国ロシェの名を持つクロエの秘密と、謎の女性アメリアとの共通点は――。
※表紙はニジジャーニーで生成しました
※ムーンライトノベルズさまにも投稿しています
【R18】9番目の捨て駒姫
mokumoku
恋愛
「私、大国の王に求婚されたのよ」ある時廊下で会った第4王女の姉が私にそう言った。
それなのに、今私は父である王の命令でその大国の王の前に立っている。
「姉が直前に逃亡いたしましたので…代わりに私がこちらに来た次第でございます…」
私は学がないからよくわからないけれど姉の身代わりである私はきっと大国の王の怒りに触れて殺されるだろう。
元々私はそう言うときの為にいる捨て駒なの仕方がないわ。私は殺戮王と呼ばれる程残忍なこの大国の王に腕を捻り上げられながらそうぼんやりと考えた。
と人生を諦めていた王女が溺愛されて幸せになる話。元サヤハッピーエンドです♡
(元サヤ=新しいヒーローが出てこないという意味合いで使用しています)
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
【R-18】死神侯爵と黄泉帰りの花嫁~記憶喪失令嬢の精神調教~【挿絵付】
臣桜
恋愛
コレットは死にゆこうとしていた。だが気が付けば彼女は温かな寝床におり、ジスランという男性の介護を受けていた。次第に元気を取り戻したコレットだが、彼女は自分が何者であるかまったく覚えていない。それでもジスランに恩返しをしたいと願うコレットは、彼の愛人となる事を受け入れた。熱っぽい目で見つめられ、毎度熱い精を注がれる。だがジスランはキスだけは決してしてくれなかった。いつかこの関係にも終わりが来るのかと思っていた時、コレットを知る人物が城を訪れ始める。徐々に明かされる自身の過去と対峙した時、コレットの身に襲いかかったのは――。
※ドロドロなダークシリアスです。直接的な描写はそれほどありませんが、血生臭かったりがっつり近親相姦などがあります。タグに気を付けてお読みください。
※ムーンライトノベルズ様にも投稿しています。
※表紙はニジジャーニーで生成しました。挿絵は自分で描きましたが、表紙とそぐわないのでいずれ削除する予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる