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曾祖母
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それからしばらく、死者の列の人たちがガヤガヤと横を通るなか、俺はひい婆ちゃんと家族の話をした。みんな悲しそうだけれど元気だよっていう話をすると、きっと分かっていたんだろうけれど、ひい婆ちゃんは「教えてくれてありがとう」と笑ってくれた。
「それにしても、拓也がみんなと一緒に私に会いに来てくれるなんてねぇ」
俺たちの横で見守ってくれていた九十九神のみんなを見ると、それぞれ「らしい」表情を浮かべている。ただ、槐だけがずっとひい婆ちゃんにくっついている。その姿はずっと会えなかった母親を見つけた、子供そのもののようだった。
「だってわたくしの新しい主ができたんですもの。絹にまだ会えるうちに、会わせてあげないとと思って」
「気を遣ってくれてありがとうねぇ、ワインレッド。みんな、拓也はどうだい?」
「うふふ、拓也はん若いけど素質あるえ。わてらのことも優しい手でお手入れしてくれるのや」
手入れの事を話されると、何だか恥ずかしい気持ちになるのはなんでだろう。
「おや、拓也。もう手入れをするようなことになったのかい?」
ひい婆ちゃんは驚いたように俺を見て、目を瞠らせる。
「うん……。ひい婆ちゃんがいなくなってから、ハヤテのことは知ってるだろうけど、姉ちゃんが怪我したり、汽車が事故起こしそうになったり……」
「それは……。私が影響していたのかもしれないねぇ。祓い屋という存在がいなくなると、見えない世界の均衡がちょっと崩れて、うちの地域で不幸が起こりやすくなるのかもしれない」
「それは……。しょうがないよ」
「そうかい? 拓也は私を恨んでないのかい? お前を後継者に選んだ訳じゃないけど、私がいなくなったら身内の誰かが目覚めるんじゃないかと思ってたんだ。私が死ぬまでは誰が後を継ぐか分からないから、現実の生活に関わらないことだし特に口にしなかったけど……。そうか、拓也が後を継いでくれたんだね」
ひい婆ちゃんはしみじみと言い、優しい目の中にほんの少し申し訳なさそうな色も見える。
「最初はびっくりしたけど、……特に槐は厳しくて。でもここ数日色々あって、皆にも少しずつ認めてもらえてきたみたいだ」
そう言ってチラッと槐を見ると、彼女はジロッと大きな目で俺を睨みつける。
「絹、拓也はまだまだ子供だ。甘っちょろいことばっかり言う、はんかくせぇ奴だ」
「はいはい、分かってるよ槐。槐は私のことが大好きだったからねぇ。寂しくてつい拓也にも意地悪を言ってしまうんだろ」
ひい婆ちゃんが何もかも包み込むような笑顔で言うと、槐は目をそらす。
「……そんなことねぇ」
あれ、ひい婆ちゃんの前だと槐がすごく可愛く見える。魔法か?
「それにしても、私が死んだばかりなのに四人も協力してくれてるんだね。みんなありがとうね、まだ眠たいだろ」
「え……? 眠い……?」
四人とも、そんな素振りを見せなかった。
「一度主にした人間が死ぬとね、九十九神の力の源とも言える絆の力が失われるんだ。新しい持ち主と交流して新たな絆の力を蓄えるまで、本当はもっと眠らないとならない。けど、いま起きてくれているということは……きっと新しい主の拓也や、私の家族たちを心配してくれているんだね。……きっと最初に声をかけてくれたのは、槐なんだろ?」
そう言ってひい婆ちゃんが槐の頭をポンポンと優しく撫でると、彼女は顔を真っ赤にさせて呟く。
「……いつまでも拓也が心の中で赤ん坊みたいに泣いてるからだ。絹が大事に思ってたひ孫がずっとそんなんだったら、きっと絹も浮かばれねぇと思った。……それだけだ」
「槐……」
そう……だったんだ。一番最初に槐が姿を現してくれたのは、そんな理由が……。
あの怒ったような無表情の奥に、そんな深い気持ちがあったのか……。
「ありがとうね、槐。あんたが誰よりも優しい子だっていうのは、私が一番分かってるよ」
ひい婆ちゃんがまた槐を撫で、槐は猫のように目を閉じてその手を受けていた。
槐は何も言っていなかった。
いつも手厳しくて、ずっと年上の姉……というよりは師匠みたいな感じだ。その中に俺の成長を望む気持ちがあるのは感じていたけれど、そんな中にもっと深い……親みたいな気持ちがあったとは知らなかった。
「槐、……俺そんなに……泣いてたのか?」
初めて槐に声をかけられた時、俺はただ喪失感を感じていただけで「悲しい」という感情は自覚していなかった。
「あん時の拓也は、主でない普通の人間だったらとっくに穢れに囲まれてた状態だった。広い場所に置いてけぼりにされた子供みたいに、大きな声でわんわん泣いてた。槐、泣いてる子供は嫌なんだ。そんだけだ」
「……ありがと」
照れくさいけど小さく礼を言うと、槐もひとつ頷いた。
……なんか、照れくさいな。
「拓也、この子たちと上手くやっていけそうかい?」
「うん。個性豊かでからかわれたりもするけど、毎日楽しいよ。まだ会ったことのない子もいるのかと思うと楽しみだし」
「ふふ、嬉しいわぁ」
「ねぇ、わたくしも楽しみですわ」
「わしもこれから若い男を主にして、もう一花咲かせるか」
「槐はまだまだ厳しくいくからな」
まだ見ぬ九十九神たちに思いを馳せて笑うと、それぞれがそれぞれの反応をしてくれた。
「拓也、祓い屋は辛いかい?」
ずっと心の底に引っ掛かっていたことを鋭く指摘され、俺は思わず黙った。視線を落とした俺を見てひい婆ちゃんは「やっぱり」と呟き、優しく俺の肩に手を置いた。
「あのね、拓也。祓い屋になることはゆるくないことだ。私も救えない命や人の心を見てきて、たっくさん悩んだものだよ。でもね、生き物には天命というものがある。それは祓い屋がどれだけ頑張っても敵わないものなんだ」
「……同じことをひい爺ちゃんや爺ちゃん、槐にも言われたよ。驕りだって」
「そうさねぇ。あはは、本当に拓也は母さんからお役目を継いだ時の私そっくりだ」
ひい婆ちゃんは少女みたいに軽やかに笑い、目には懐かしそうな色がある。
「拓也、気にするなとは言わない。でも、成長していきなさい。失敗をすると恥ずかしいし後悔もするけれど、それは決して拓也のマイナスにはならない。拓也をもっと大きく成長させるものだ。失敗を恐れないで、どんどん前に進みなさい。拓也にはその若さも時間もある」
優しいひい婆ちゃんの目には凜とした強い意志がある。その目と声とに励まされると、今まで心の底でグズグズしていたものが、勇気づけられた気がした。
「ひい婆ちゃんは……、もう未練とかはないの?」
横を通る死者の列は絶えず動いていて、どこがひい婆ちゃんが歩いていた場所なのか分からなくなってしまっていた。
「そうさねぇ。大概やりたいことはやらせてもらったし、最後は大好きな庭の手入れをできていたしね。まだまだ旅行したい場所とかはあったけど、今はこんなにも綺麗な場所を沢山見られているからね」
ニコニコと嬉しそうな顔でひい婆ちゃんは周囲に広がる茫漠とした空間を見るけど、そこにはどこまでも『黒』があるようにしか見えない。
「綺麗な場所……なの? 俺には真っ暗な世界にしか見えないけど」
ぽつんと感想を述べると、ひい婆ちゃんは「あぁ」と何か納得したような声を出してカラカラと笑った。
「拓也はまだ死んでないから見えないんだね。どれ、お婆ちゃんが最後にいいもの見せてあげようか」
そう言ってひい婆ちゃんはポンと俺の肩に手を置き、その瞬間俺の周りの世界がブワッと変化した。
「わぁぁぁっ!?」
「それにしても、拓也がみんなと一緒に私に会いに来てくれるなんてねぇ」
俺たちの横で見守ってくれていた九十九神のみんなを見ると、それぞれ「らしい」表情を浮かべている。ただ、槐だけがずっとひい婆ちゃんにくっついている。その姿はずっと会えなかった母親を見つけた、子供そのもののようだった。
「だってわたくしの新しい主ができたんですもの。絹にまだ会えるうちに、会わせてあげないとと思って」
「気を遣ってくれてありがとうねぇ、ワインレッド。みんな、拓也はどうだい?」
「うふふ、拓也はん若いけど素質あるえ。わてらのことも優しい手でお手入れしてくれるのや」
手入れの事を話されると、何だか恥ずかしい気持ちになるのはなんでだろう。
「おや、拓也。もう手入れをするようなことになったのかい?」
ひい婆ちゃんは驚いたように俺を見て、目を瞠らせる。
「うん……。ひい婆ちゃんがいなくなってから、ハヤテのことは知ってるだろうけど、姉ちゃんが怪我したり、汽車が事故起こしそうになったり……」
「それは……。私が影響していたのかもしれないねぇ。祓い屋という存在がいなくなると、見えない世界の均衡がちょっと崩れて、うちの地域で不幸が起こりやすくなるのかもしれない」
「それは……。しょうがないよ」
「そうかい? 拓也は私を恨んでないのかい? お前を後継者に選んだ訳じゃないけど、私がいなくなったら身内の誰かが目覚めるんじゃないかと思ってたんだ。私が死ぬまでは誰が後を継ぐか分からないから、現実の生活に関わらないことだし特に口にしなかったけど……。そうか、拓也が後を継いでくれたんだね」
ひい婆ちゃんはしみじみと言い、優しい目の中にほんの少し申し訳なさそうな色も見える。
「最初はびっくりしたけど、……特に槐は厳しくて。でもここ数日色々あって、皆にも少しずつ認めてもらえてきたみたいだ」
そう言ってチラッと槐を見ると、彼女はジロッと大きな目で俺を睨みつける。
「絹、拓也はまだまだ子供だ。甘っちょろいことばっかり言う、はんかくせぇ奴だ」
「はいはい、分かってるよ槐。槐は私のことが大好きだったからねぇ。寂しくてつい拓也にも意地悪を言ってしまうんだろ」
ひい婆ちゃんが何もかも包み込むような笑顔で言うと、槐は目をそらす。
「……そんなことねぇ」
あれ、ひい婆ちゃんの前だと槐がすごく可愛く見える。魔法か?
「それにしても、私が死んだばかりなのに四人も協力してくれてるんだね。みんなありがとうね、まだ眠たいだろ」
「え……? 眠い……?」
四人とも、そんな素振りを見せなかった。
「一度主にした人間が死ぬとね、九十九神の力の源とも言える絆の力が失われるんだ。新しい持ち主と交流して新たな絆の力を蓄えるまで、本当はもっと眠らないとならない。けど、いま起きてくれているということは……きっと新しい主の拓也や、私の家族たちを心配してくれているんだね。……きっと最初に声をかけてくれたのは、槐なんだろ?」
そう言ってひい婆ちゃんが槐の頭をポンポンと優しく撫でると、彼女は顔を真っ赤にさせて呟く。
「……いつまでも拓也が心の中で赤ん坊みたいに泣いてるからだ。絹が大事に思ってたひ孫がずっとそんなんだったら、きっと絹も浮かばれねぇと思った。……それだけだ」
「槐……」
そう……だったんだ。一番最初に槐が姿を現してくれたのは、そんな理由が……。
あの怒ったような無表情の奥に、そんな深い気持ちがあったのか……。
「ありがとうね、槐。あんたが誰よりも優しい子だっていうのは、私が一番分かってるよ」
ひい婆ちゃんがまた槐を撫で、槐は猫のように目を閉じてその手を受けていた。
槐は何も言っていなかった。
いつも手厳しくて、ずっと年上の姉……というよりは師匠みたいな感じだ。その中に俺の成長を望む気持ちがあるのは感じていたけれど、そんな中にもっと深い……親みたいな気持ちがあったとは知らなかった。
「槐、……俺そんなに……泣いてたのか?」
初めて槐に声をかけられた時、俺はただ喪失感を感じていただけで「悲しい」という感情は自覚していなかった。
「あん時の拓也は、主でない普通の人間だったらとっくに穢れに囲まれてた状態だった。広い場所に置いてけぼりにされた子供みたいに、大きな声でわんわん泣いてた。槐、泣いてる子供は嫌なんだ。そんだけだ」
「……ありがと」
照れくさいけど小さく礼を言うと、槐もひとつ頷いた。
……なんか、照れくさいな。
「拓也、この子たちと上手くやっていけそうかい?」
「うん。個性豊かでからかわれたりもするけど、毎日楽しいよ。まだ会ったことのない子もいるのかと思うと楽しみだし」
「ふふ、嬉しいわぁ」
「ねぇ、わたくしも楽しみですわ」
「わしもこれから若い男を主にして、もう一花咲かせるか」
「槐はまだまだ厳しくいくからな」
まだ見ぬ九十九神たちに思いを馳せて笑うと、それぞれがそれぞれの反応をしてくれた。
「拓也、祓い屋は辛いかい?」
ずっと心の底に引っ掛かっていたことを鋭く指摘され、俺は思わず黙った。視線を落とした俺を見てひい婆ちゃんは「やっぱり」と呟き、優しく俺の肩に手を置いた。
「あのね、拓也。祓い屋になることはゆるくないことだ。私も救えない命や人の心を見てきて、たっくさん悩んだものだよ。でもね、生き物には天命というものがある。それは祓い屋がどれだけ頑張っても敵わないものなんだ」
「……同じことをひい爺ちゃんや爺ちゃん、槐にも言われたよ。驕りだって」
「そうさねぇ。あはは、本当に拓也は母さんからお役目を継いだ時の私そっくりだ」
ひい婆ちゃんは少女みたいに軽やかに笑い、目には懐かしそうな色がある。
「拓也、気にするなとは言わない。でも、成長していきなさい。失敗をすると恥ずかしいし後悔もするけれど、それは決して拓也のマイナスにはならない。拓也をもっと大きく成長させるものだ。失敗を恐れないで、どんどん前に進みなさい。拓也にはその若さも時間もある」
優しいひい婆ちゃんの目には凜とした強い意志がある。その目と声とに励まされると、今まで心の底でグズグズしていたものが、勇気づけられた気がした。
「ひい婆ちゃんは……、もう未練とかはないの?」
横を通る死者の列は絶えず動いていて、どこがひい婆ちゃんが歩いていた場所なのか分からなくなってしまっていた。
「そうさねぇ。大概やりたいことはやらせてもらったし、最後は大好きな庭の手入れをできていたしね。まだまだ旅行したい場所とかはあったけど、今はこんなにも綺麗な場所を沢山見られているからね」
ニコニコと嬉しそうな顔でひい婆ちゃんは周囲に広がる茫漠とした空間を見るけど、そこにはどこまでも『黒』があるようにしか見えない。
「綺麗な場所……なの? 俺には真っ暗な世界にしか見えないけど」
ぽつんと感想を述べると、ひい婆ちゃんは「あぁ」と何か納得したような声を出してカラカラと笑った。
「拓也はまだ死んでないから見えないんだね。どれ、お婆ちゃんが最後にいいもの見せてあげようか」
そう言ってひい婆ちゃんはポンと俺の肩に手を置き、その瞬間俺の周りの世界がブワッと変化した。
「わぁぁぁっ!?」
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