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死の影5
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それにすっかり気を取られながら視線を動かすと、処置台の上にはハヤテが酸素マスクを着けられて横たわっている。そして処置をしている獣医さんに重なるようにして、藤紫が苦しそうな顔で立っていた。
「拓也はん……、堪忍な」
今にも消え入りそうな声で彼女は言い、具合が悪くなって吐いてしまいそうな腐臭に混じって、微かに藤紫の香りがした。
「拓也、槐たちに命じれ」
「え?」
側にいる槐も微笑んだまま、器用にも苦しそうな顔をしていた。
口元は笑っているのに目元は険しいから、すっごい顔になってる。
「何してんの、拓也。中に入りなさい」
爺ちゃんと母さんが処置室の中に入り、俺の脇を通り過ぎざま母さんが言う。
閉じられたドアの中、死神が発する腐臭は凄まじかった。
まるでここが死体置き場か地獄か、というような酷い臭いに俺は涙目になり、右手にギンを携えたまま左手を藤紫に伸ばした。
「おおきに」
待合室で待っていた時間はそんなに長くないものの、その時間の間に藤紫の綺麗に整えられていた髪はボサボサになり、綺麗な着物も色褪せていた。
処置室を包み込むような闇に紛れて分からなかったけど、処置台や色んな物をすり抜けてこっちに来る藤紫は、明らかにボロボロだった。
驚く俺の手を藤紫はあまり余裕のない顔で掴み、両手で俺の手を握りしめて「堪忍」と呟いた。
「……っ!」
途端、ズッと体の中の気力のようなものが少し減ったような気がし、何があったのかと目を瞬かせると、目の前の藤紫はやや回復したように小さく微笑んでいた。
「状況はあまり良くありません。薬を注射して酸素を嗅がせて何とか状態を保っていますが、処置次第では今晩入院して頂くしか……」
そう説明する獣医さんの前で爺ちゃんと母さんは真剣な顔をし、俺も先生の話をちゃんと聞きたいが、目の前に死神がいるので気が気じゃない。
「拓也、このままではあやつに大切な友を連れて行かれるぞ」
ギンの声がする。
この腐臭のなかで、ギンは辛くないんだろうか?
「いんや、拓也。あんたの実力じゃ無理だ。今は諦めろ。この子は残念だけど、あんたが倒れるよりはずっといい」
槐の言葉は冷たいものだった。
主である俺を心配してくれているのは分かっている。けど、槐はハヤテを見捨てようとしている。
「……嫌だ」
「拓也、先生が言ってるんだから入院させる」
俺の槐への呟きを爺ちゃんが拾って、困ったような怒ったような顔で言う。
……そうじゃなくて。
そのあいだ藤紫は俺の手をずっと握っていて、少しずつ回復を見せて元の美しい姿を取り戻そうとしている。
主ってそういう力もあったのか。
左手は藤紫に貸したまま、俺は槐や藤紫に群がろうとするケガレを刀で薙ぎ払っていた。
「……っ」
今度は数匹まとめてだから、疲れを感じる度合いが少し大きい。
けれど、砂糖に群がる蟻のように槐と藤紫を狙っていた小物のケガレは、悲鳴を上げる間もなく綺麗に消えていた。
「拓也、やってみるか? こいつを――死神を追い払ってみるか? 強いぞ」
ギンの声は刀――というか武人らしく、戦う事に対してワクワクしているようだった。
「ギン、拓也はまだ子供だ。焚きつけんな」
「いいじゃろう、槐。拓也も男じゃ。いつかは戦わねばならぬ。絹とて娘時代から勇敢に戦っていたではないか。過保護にしても拓也は強くならんぞ」
どうやら槐とギンは対立しているみたいだけど、この後二人が気まずくなる事はないんだろうか?
けど、今はそんな事を考えている場合じゃない。
ギュッとギンの柄を握る手に力を入れると、ギンが喜んだのが分かった。
「おう、やるつもりだな拓也。周りの人間にどう思われても良い。今は友を救う事だけを考えよ。友を救いたい。その気持ちだけに集中して、奴を切れ!」
あまり直視しないようにしていたが、俺は改めてハヤテの上に覆い被さるようにいる死神を睨んだ。
ボロボロの真っ黒な衣を着ていて、その輪郭は絶えず揺らめいて形という形が捉えられない。今まで視界の端に見えていたチラチラとしていた物は、その衣の端っこなんだと思う。
顔はあまりよく分からない。今で言うフードみたいなものを被っていて、そのフードも黒いもやのように絶えず揺らめいている。その隙間からチラリと骸骨の顔のようなものが見えた……気がした。
こんな臭い存在にハヤテはいつから付きまとわれていたんだろう。可哀想に。
と、気配を感じてそちらを向くと、クロがドアをすり抜けて来る所だった。
「あなた、主なんでしょう? やってみるといいわ。どちらにせよ、私は今その存在に強く介入できる力はないから。私ができるのは『死後』に関わる事だけだし」
心電図の規則的な音、呼吸補助器が立てるハヤテの呼吸音。
もう、迷っている時間はないんだ。
「爺ちゃん、母さん。ちょっとだけ……ごめん」
意を決してそう断り、不思議そうな顔をしている二人と獣医さん、助手さんが見ているなか、俺は恥ずかしさを一瞬だけ忘れて、両手でギンをしっかりと握る。
――そして、思いきり振り下ろした!
「あああっ――!」
大きな声を出して気合を入れ、その瞬間ギンの刀身がビカッ! と白銀の光を放った。
周りにいた小物のケガレがその光を浴びただけで一瞬にして消え、俺は「いける」と確信していた。死神は抵抗する素振りもなく俺に素直に切られ、その黒い衣がビリビリと引き裂かれて死神の形そのものがユラリと揺らいだ。
背後から藤紫が俺の腰を両手で掴み、そこから彼女の香りが強くなる。
処置室の中に普通の透明な空気が取り戻され、藤紫の香りが天国のような心地よさを満たした。
――勝った! いける!
――と思った時だった。
「……っ、わ、――うわっ」
小さくなっていたかと思った死神の『黒』がブワッと広がって辺りに一気に広がり、俺たちまでも巻き込もうとしてくる。
「あっ……」
背後で藤紫が苦しそうな声を出し、槐も微笑んだまま死神を睨んでいる。クロは処置室の隅でじっと俺たちを見ていた。
「……やはり及ばぬか」
俺の手の中でギンまでもがそう呟いたのを聞いて、俺は自分が失敗したのを悟った。
――嘘だ。
嘘だろ?
これ――、どうなるんだ。
目の前でさっきよりもずっと濃くなった『黒』は、横たわっているハヤテの上でモゾモゾと蠢き、ハヤテの体の中へ潜り込もうとしていた。
「――っ、やめろ! やめろ!」
「拓也!」
俺がその黒いものを必死になって手で払い除けようとすると、爺ちゃんが俺の腕を掴む。
「爺ちゃん! 離せ!」
「拓也、気持ちは分かるけど――」
と――、
ポーン、ポーン、と不気味な機械音がして、獣医さんの顔色が変わった。
「すみません、急に容体が変わったみたいです。処置を行いますのでまた待合室で待っていて頂けますか」
「待って下さい、俺、俺もう一回やってみますから……!」
「拓也、行くぞ」
手にしていたギンで死神や黒い塊を切ろうと思ったが、気が付けば俺の手にあの美しい刀はなかった。
慌てて周りを見回すと、疲弊した様子の三人が立っている。
「拓也、槐たちに『戻れ』と命じるんだ」
「え?」
ハヤテの生命が危険な事を示す警報音が鳴り響き、俺はその音に惑わされる。
目の前の黒い塊が、ハヤテの体の中から透明な何かをほじり出そうとしているのを、俺は泣き出しそうな顔で見るしかできなかった。
「待て! 待てよ!」
「拓也、行くよ。ハヤテを助けたいなら先生にお任せしないと」
爺ちゃんも、母さんも、俺の邪魔をして腕を掴んで処置室の外へ出そうとする。
「邪魔すんな! ハヤテが――、ハヤテ!」
二人に引きずられるようにして俺が処置室を出ようとした時、ハヤテの体の中から透明な姿のハヤテがズルリと抜け出た。
「あっ」
そして、ハヤテの肉体と透明なハヤテを結び付けている透明な糸を――、死神が闇の中から取り出した大きな鎌で、――断った。
「あぁっ――、あ――」
ピー……。
心拍数が停まってしまった音を最後に、そのまま俺は処置室の外へ引きずり出された。
ドアが閉まる直前、それまで事態を静観していたクロが俊敏に動き出し、あのパラソルの中から刀を抜く。そしてそのまま、透明なハヤテに一気に群がろうとしたケガレたちを蹴散らし始めた。
その凄まじい戦い方に俺とはレベルの違うものを感じながら――、俺は呆然として目の前のドアが閉まるのを見守るしかなかったのだった。
**
「拓也はん……、堪忍な」
今にも消え入りそうな声で彼女は言い、具合が悪くなって吐いてしまいそうな腐臭に混じって、微かに藤紫の香りがした。
「拓也、槐たちに命じれ」
「え?」
側にいる槐も微笑んだまま、器用にも苦しそうな顔をしていた。
口元は笑っているのに目元は険しいから、すっごい顔になってる。
「何してんの、拓也。中に入りなさい」
爺ちゃんと母さんが処置室の中に入り、俺の脇を通り過ぎざま母さんが言う。
閉じられたドアの中、死神が発する腐臭は凄まじかった。
まるでここが死体置き場か地獄か、というような酷い臭いに俺は涙目になり、右手にギンを携えたまま左手を藤紫に伸ばした。
「おおきに」
待合室で待っていた時間はそんなに長くないものの、その時間の間に藤紫の綺麗に整えられていた髪はボサボサになり、綺麗な着物も色褪せていた。
処置室を包み込むような闇に紛れて分からなかったけど、処置台や色んな物をすり抜けてこっちに来る藤紫は、明らかにボロボロだった。
驚く俺の手を藤紫はあまり余裕のない顔で掴み、両手で俺の手を握りしめて「堪忍」と呟いた。
「……っ!」
途端、ズッと体の中の気力のようなものが少し減ったような気がし、何があったのかと目を瞬かせると、目の前の藤紫はやや回復したように小さく微笑んでいた。
「状況はあまり良くありません。薬を注射して酸素を嗅がせて何とか状態を保っていますが、処置次第では今晩入院して頂くしか……」
そう説明する獣医さんの前で爺ちゃんと母さんは真剣な顔をし、俺も先生の話をちゃんと聞きたいが、目の前に死神がいるので気が気じゃない。
「拓也、このままではあやつに大切な友を連れて行かれるぞ」
ギンの声がする。
この腐臭のなかで、ギンは辛くないんだろうか?
「いんや、拓也。あんたの実力じゃ無理だ。今は諦めろ。この子は残念だけど、あんたが倒れるよりはずっといい」
槐の言葉は冷たいものだった。
主である俺を心配してくれているのは分かっている。けど、槐はハヤテを見捨てようとしている。
「……嫌だ」
「拓也、先生が言ってるんだから入院させる」
俺の槐への呟きを爺ちゃんが拾って、困ったような怒ったような顔で言う。
……そうじゃなくて。
そのあいだ藤紫は俺の手をずっと握っていて、少しずつ回復を見せて元の美しい姿を取り戻そうとしている。
主ってそういう力もあったのか。
左手は藤紫に貸したまま、俺は槐や藤紫に群がろうとするケガレを刀で薙ぎ払っていた。
「……っ」
今度は数匹まとめてだから、疲れを感じる度合いが少し大きい。
けれど、砂糖に群がる蟻のように槐と藤紫を狙っていた小物のケガレは、悲鳴を上げる間もなく綺麗に消えていた。
「拓也、やってみるか? こいつを――死神を追い払ってみるか? 強いぞ」
ギンの声は刀――というか武人らしく、戦う事に対してワクワクしているようだった。
「ギン、拓也はまだ子供だ。焚きつけんな」
「いいじゃろう、槐。拓也も男じゃ。いつかは戦わねばならぬ。絹とて娘時代から勇敢に戦っていたではないか。過保護にしても拓也は強くならんぞ」
どうやら槐とギンは対立しているみたいだけど、この後二人が気まずくなる事はないんだろうか?
けど、今はそんな事を考えている場合じゃない。
ギュッとギンの柄を握る手に力を入れると、ギンが喜んだのが分かった。
「おう、やるつもりだな拓也。周りの人間にどう思われても良い。今は友を救う事だけを考えよ。友を救いたい。その気持ちだけに集中して、奴を切れ!」
あまり直視しないようにしていたが、俺は改めてハヤテの上に覆い被さるようにいる死神を睨んだ。
ボロボロの真っ黒な衣を着ていて、その輪郭は絶えず揺らめいて形という形が捉えられない。今まで視界の端に見えていたチラチラとしていた物は、その衣の端っこなんだと思う。
顔はあまりよく分からない。今で言うフードみたいなものを被っていて、そのフードも黒いもやのように絶えず揺らめいている。その隙間からチラリと骸骨の顔のようなものが見えた……気がした。
こんな臭い存在にハヤテはいつから付きまとわれていたんだろう。可哀想に。
と、気配を感じてそちらを向くと、クロがドアをすり抜けて来る所だった。
「あなた、主なんでしょう? やってみるといいわ。どちらにせよ、私は今その存在に強く介入できる力はないから。私ができるのは『死後』に関わる事だけだし」
心電図の規則的な音、呼吸補助器が立てるハヤテの呼吸音。
もう、迷っている時間はないんだ。
「爺ちゃん、母さん。ちょっとだけ……ごめん」
意を決してそう断り、不思議そうな顔をしている二人と獣医さん、助手さんが見ているなか、俺は恥ずかしさを一瞬だけ忘れて、両手でギンをしっかりと握る。
――そして、思いきり振り下ろした!
「あああっ――!」
大きな声を出して気合を入れ、その瞬間ギンの刀身がビカッ! と白銀の光を放った。
周りにいた小物のケガレがその光を浴びただけで一瞬にして消え、俺は「いける」と確信していた。死神は抵抗する素振りもなく俺に素直に切られ、その黒い衣がビリビリと引き裂かれて死神の形そのものがユラリと揺らいだ。
背後から藤紫が俺の腰を両手で掴み、そこから彼女の香りが強くなる。
処置室の中に普通の透明な空気が取り戻され、藤紫の香りが天国のような心地よさを満たした。
――勝った! いける!
――と思った時だった。
「……っ、わ、――うわっ」
小さくなっていたかと思った死神の『黒』がブワッと広がって辺りに一気に広がり、俺たちまでも巻き込もうとしてくる。
「あっ……」
背後で藤紫が苦しそうな声を出し、槐も微笑んだまま死神を睨んでいる。クロは処置室の隅でじっと俺たちを見ていた。
「……やはり及ばぬか」
俺の手の中でギンまでもがそう呟いたのを聞いて、俺は自分が失敗したのを悟った。
――嘘だ。
嘘だろ?
これ――、どうなるんだ。
目の前でさっきよりもずっと濃くなった『黒』は、横たわっているハヤテの上でモゾモゾと蠢き、ハヤテの体の中へ潜り込もうとしていた。
「――っ、やめろ! やめろ!」
「拓也!」
俺がその黒いものを必死になって手で払い除けようとすると、爺ちゃんが俺の腕を掴む。
「爺ちゃん! 離せ!」
「拓也、気持ちは分かるけど――」
と――、
ポーン、ポーン、と不気味な機械音がして、獣医さんの顔色が変わった。
「すみません、急に容体が変わったみたいです。処置を行いますのでまた待合室で待っていて頂けますか」
「待って下さい、俺、俺もう一回やってみますから……!」
「拓也、行くぞ」
手にしていたギンで死神や黒い塊を切ろうと思ったが、気が付けば俺の手にあの美しい刀はなかった。
慌てて周りを見回すと、疲弊した様子の三人が立っている。
「拓也、槐たちに『戻れ』と命じるんだ」
「え?」
ハヤテの生命が危険な事を示す警報音が鳴り響き、俺はその音に惑わされる。
目の前の黒い塊が、ハヤテの体の中から透明な何かをほじり出そうとしているのを、俺は泣き出しそうな顔で見るしかできなかった。
「待て! 待てよ!」
「拓也、行くよ。ハヤテを助けたいなら先生にお任せしないと」
爺ちゃんも、母さんも、俺の邪魔をして腕を掴んで処置室の外へ出そうとする。
「邪魔すんな! ハヤテが――、ハヤテ!」
二人に引きずられるようにして俺が処置室を出ようとした時、ハヤテの体の中から透明な姿のハヤテがズルリと抜け出た。
「あっ」
そして、ハヤテの肉体と透明なハヤテを結び付けている透明な糸を――、死神が闇の中から取り出した大きな鎌で、――断った。
「あぁっ――、あ――」
ピー……。
心拍数が停まってしまった音を最後に、そのまま俺は処置室の外へ引きずり出された。
ドアが閉まる直前、それまで事態を静観していたクロが俊敏に動き出し、あのパラソルの中から刀を抜く。そしてそのまま、透明なハヤテに一気に群がろうとしたケガレたちを蹴散らし始めた。
その凄まじい戦い方に俺とはレベルの違うものを感じながら――、俺は呆然として目の前のドアが閉まるのを見守るしかなかったのだった。
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