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番外編 2 タワマン事件簿

対策を考えないと ☆

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 いやらしい音に羞恥をかき立てられ、私は膣奥をピクピク痙攣させてあっという間に絶頂した。

 思いきりいきんで体を震わせたからか、慎也は私が達したのを知ったようだ。

「優美……っ、もう少し、――待って……っ」

 彼はそのあと私の首筋や鎖骨にキスをし、きつく吸ってキスマークをつけてくる。

「んっ、あぁっ、あ……っ」

「――ぁ、……ぁっ、――――出る……っ」

 慎也は最後に激しく腰を叩きつけたあと、食いしばった歯の間から荒々しい息を漏らし、私のお腹の上に精液を飛ばした。

「……っはぁっ、……ぁっ、はぁっ、はぁっ……」

 達ってしまった私は、脱力して荒い呼吸を繰り返す。

 慎也はとろんとした目で私を見つめ、汗で顔に張り付いた髪を優しくどけてくれた。
 そして汗の浮かんだ額にキスをし、唇にも優しく口づける。

「……結局、達かせちまった」

 彼は溜め息混じりに呟き、私の隣に寝転ぶ。

「優美ちゃん、お腹拭いてあげるね」

 正樹が言い、ウエットティッシュで慎也の精液を拭ったあと、ティッシュでさらに私のお腹を拭く。
 私が何か言う前に、正樹はキッズベッドの様子を見て「寝てるよ」と微笑んだ。

 安心した私は、ふー……、と息をついて目を閉じる。
 疲れてウトウトしながら、気になっていた事を口にした。

「……俊希が側にいると、罪悪感が凄いな」

「確かに、今は小さいから何とかなってるけど、二歳、三歳になったら俺たちのやってる事を気にするよな。その前に対策を考えないと」

 慎也が同意してくれ、横臥すると私の髪を撫でる。
 モソモソと全員に夏用の布団を掛けた正樹が、伸びをしながら言った。

「いま妊活してるけど、うまく言ったら第三子もほしいってなるかもしれないじゃん。それに伴って俊希の年齢も上がるでしょ? 子供に配慮するのを一番にしつつも、僕らのプライバシーもしっかり守っていきたいよね。子供ができたのをきっかけに、レスになったなんて悲しいでしょ」

「……ん、確かに……」

 エッチ大好き! という訳じゃない。

 けど二人の事は愛しているし、愛情を伝えるための大切なコミュニケーションでもあると思っている。
 だから、二人とのエッチ、イチャイチャはとても好きだ。

 妊娠から出産期間、ずっとご無沙汰だったのを経て今があり、やっぱり好きだなぁと感じるからこそ、そう思う。

 けれど子供の事を考えると、いつまでも自由にはやっていられないよな……。

「場所を変えるにしても、離れてるとちょっと心配になるし……」

「ぐっすり眠ってる時なら、一回戦するぐらい大丈夫じゃないか? 改めてヤりたいって思う時は、シッターさんに任せて大人はホテルにでも行くとか」

 慎也の提案に、私は首を傾げる。

「そこまでは……。うーん」

 わざわざお金を払ってホテルに行ってまで、エッチしたいかと言われたらちょっと違う。
 たまに三人で食事とか、ゆっくり楽しみたいなという気持ちはあるけれど。

「優美ちゃんが慎也としたい時は、僕は別室で子供を見てるよ。今は何かあった時にすぐ対応できるよう、側にベッドを置いてるけど、そのうち子供部屋に移して少しずつお兄ちゃんになる練習をしてくでしょ? いきなり一人ってのも可哀想だし、どっちかが添い寝して……ってやったら、うまくいくんじゃないかな」

 正樹に言われ、私はゆっくり伸びをしつつ応える。

「そうだねー……。子供部屋も、そのうち子供が増えるなら部屋数を増やしてあげたいし」

 子供の頃、弟と同じ部屋で過ごしていて、成長と共に別の部屋になった。
 けれど子供であっても自立心は強くて、「一人の空間がほしい」と思ったものだ。

 だからこんな大きな家に暮らせているのなら、将来的には子供たちにちゃんと一部屋ずつあげたいなと思っている。

「兄弟であってもプライバシーは大事だよな。小さい内は家族で触れ合う時間が大事だけど、成長と共に配慮していきたい」

 慎也が言い、私は「うん」と頷く。

「僕が思うに、一番大切にしたいのは、優美ちゃんが色んな事を気にしすぎてレスにならないように……、かな。母になって気持ちが変わるのは分かる。セックスしなくても愛し合って、お互い大切にしている夫婦はいる。それも分かってる。……けど僕は子供は勿論大切にしたいけど、優美ちゃんを一人の女性として愛しているから、可能な限り愛し合いたいんだ。レスになったら寂しい。……けど、『したくない』って言うなら我慢するけど」

 正樹の言う事も、もっともだと思った。

「私は二人の事が大好き。さすがに妊娠出産前後は慎重になりたいけど、それ以外の時は、一人の女性に戻る時間もたまにはほしいなと思う。それこそ慎也がさっき言ったように、大人だけで出かける時に、シッターさんにお願いするのはアリだと思う」

「じゃあ、選択肢の一つとして」

 微笑んだ慎也に、私は頷いた。
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