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ハワイ 編
ハワイでの結婚披露宴
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結婚してから私の左手の薬指には、慎也との結婚指輪が嵌まっていたけど、勿論今は一旦外させてもらっている。
指輪を交換し合い、私たちは微笑み合う。
そして誓いのキスとなり、私は少し頭を下げた。
私のヴェールを正樹が上げ、素顔を見て甘く笑ってから顔を傾け、キスをしてきた。
気持ちいいなぁ。
外で、暑くて日差しがあって、爽やかな潮風が噴くなか、空と海に愛を誓い合う。
キスを終えたあと、自然と私と正樹は幸せそうに笑い合った。
結婚誓約書にサインをして、そのあとはブライズメイドたちが配った小さな籠を皆が持つ。
「おめでとう!」
未望ちゃんが一番最初に声を上げ、パッとフラワーシャワーを撒いた。
「おめでとう!」
皆が口々に言い、風に吹かれてハラハラと花びらが舞う。
「ありがと!」
正樹は嬉しそうに返事をして、バージンロードを歩ききったあと、私は抱き上げてその場でクルクル回った。
「あっはははは!」
色々抱えた彼と、こんな、日の当たる場所で明るい結婚式を挙げられたのが、とても嬉しい。
全員に理解されて祝福されなくていい。
限られた人でいいから、こうやって心からの「おめでとう」を言われて、彼が幸せに笑えているのが一番だと思った。
場所を変え、私たちはビーチまで出て思い思いに写真を撮った。
結婚式を挙げる前に、屋外での前撮りは済ませておいた。
そのあと、カメラマンさんに皆でワチャワチャしてるところを自由に撮ってもらった。
勿論、正樹、慎也とのツーショット、三人での写真は多めにお願いした。
文香やシャーロットさん、未望ちゃんに芳也くんとも、他の家族たちやアボットさんたちとも、全員で思い出の写真を撮った。
その間にレストランの準備は済んでいて、海を望めるテラスレストランで小さな披露宴が始まった。
と言っても食事会が中心なんだけど。
パンやサラダ、スープから始まるコース料理を食べながら、皆で自由におしゃべりしてもらうスタイルだ。
メイン料理のお肉を食べ終わった頃合いで、三段のウエディングケーキが出された。
綺麗にデコレーションされていて、あちこちに白いプルメリアの花があしらわれているのが可愛い。
正樹と一緒にケーキにナイフを入れ、ファーストバイトをする。
正樹がわざと口の周りに生クリームをつけてくるので、「やめて」と大笑いしてしまった。
レストランにいる他のお客さんも結婚式だと分かると、ケーキカットの時とかに声を掛け拍手をしてくれた。
海外ならではの、他人の幸せを気軽に楽しむ感じが、とてもありがたいなと思った。
レストランでの食事が終わると、それぞれ自由時間になった。
慎也は気を利かせて家族たちとあちこち行くようだ。
私は水着になって正樹とビーチを楽しむ事にした。
「優美ちゃん、日焼け止め塗って上げる」
「え? もう部屋で塗ったけど……。見てなかった?」
洗面所で水着に着替えた時、せっせと塗ってたんだけど……。
「じゃあ、背中とか塗り残しがあると思うから塗って上げる」
「どうしても塗りたいんだね、分かった」
私はケラケラ笑い、ビーチチェアにうつ伏せになる。
「こういうの、憧れるよねぇ……」
言いながら、正樹は私のビキニの背面の紐を引っ張った。
「わっ……! ちょ、それ、なくない!?」
ギョッとして焦るけれど、これで上半身を起こしたらアウトだ。
「お決まりじゃん」
ハワイには二着ビキニを持って来た。
日本で文香と一緒に買い物をしたんだけれど、フリルとかシースルー、ハイウエストとか色んなデザインがあるなか、文香に思いきり背中を押された。
『あんたはモデル並みに体型がいいんだから、思い切ってシンプルにエロいのでいけ!』
……そんな訳で、フリフリとかで誤魔化さない、シンプルな三角黒ビキニになった。
ちなみにもう一着は、パレオつきで赤地にトロピカルな花柄のついている奴だ。
「〝男のロマン〟か」
慎也と正樹の大好きな単語を口にすると、彼は嬉しそうに「そうだよ!」と言った。
日焼け止めのキャップを取る音がし、「つけるよ」と声を掛けてから正樹は私の背中に手を滑らせる。
「ん……」
冷たい液体と、正樹の手の感触にちょっと変な気持ちになる。
指輪を交換し合い、私たちは微笑み合う。
そして誓いのキスとなり、私は少し頭を下げた。
私のヴェールを正樹が上げ、素顔を見て甘く笑ってから顔を傾け、キスをしてきた。
気持ちいいなぁ。
外で、暑くて日差しがあって、爽やかな潮風が噴くなか、空と海に愛を誓い合う。
キスを終えたあと、自然と私と正樹は幸せそうに笑い合った。
結婚誓約書にサインをして、そのあとはブライズメイドたちが配った小さな籠を皆が持つ。
「おめでとう!」
未望ちゃんが一番最初に声を上げ、パッとフラワーシャワーを撒いた。
「おめでとう!」
皆が口々に言い、風に吹かれてハラハラと花びらが舞う。
「ありがと!」
正樹は嬉しそうに返事をして、バージンロードを歩ききったあと、私は抱き上げてその場でクルクル回った。
「あっはははは!」
色々抱えた彼と、こんな、日の当たる場所で明るい結婚式を挙げられたのが、とても嬉しい。
全員に理解されて祝福されなくていい。
限られた人でいいから、こうやって心からの「おめでとう」を言われて、彼が幸せに笑えているのが一番だと思った。
場所を変え、私たちはビーチまで出て思い思いに写真を撮った。
結婚式を挙げる前に、屋外での前撮りは済ませておいた。
そのあと、カメラマンさんに皆でワチャワチャしてるところを自由に撮ってもらった。
勿論、正樹、慎也とのツーショット、三人での写真は多めにお願いした。
文香やシャーロットさん、未望ちゃんに芳也くんとも、他の家族たちやアボットさんたちとも、全員で思い出の写真を撮った。
その間にレストランの準備は済んでいて、海を望めるテラスレストランで小さな披露宴が始まった。
と言っても食事会が中心なんだけど。
パンやサラダ、スープから始まるコース料理を食べながら、皆で自由におしゃべりしてもらうスタイルだ。
メイン料理のお肉を食べ終わった頃合いで、三段のウエディングケーキが出された。
綺麗にデコレーションされていて、あちこちに白いプルメリアの花があしらわれているのが可愛い。
正樹と一緒にケーキにナイフを入れ、ファーストバイトをする。
正樹がわざと口の周りに生クリームをつけてくるので、「やめて」と大笑いしてしまった。
レストランにいる他のお客さんも結婚式だと分かると、ケーキカットの時とかに声を掛け拍手をしてくれた。
海外ならではの、他人の幸せを気軽に楽しむ感じが、とてもありがたいなと思った。
レストランでの食事が終わると、それぞれ自由時間になった。
慎也は気を利かせて家族たちとあちこち行くようだ。
私は水着になって正樹とビーチを楽しむ事にした。
「優美ちゃん、日焼け止め塗って上げる」
「え? もう部屋で塗ったけど……。見てなかった?」
洗面所で水着に着替えた時、せっせと塗ってたんだけど……。
「じゃあ、背中とか塗り残しがあると思うから塗って上げる」
「どうしても塗りたいんだね、分かった」
私はケラケラ笑い、ビーチチェアにうつ伏せになる。
「こういうの、憧れるよねぇ……」
言いながら、正樹は私のビキニの背面の紐を引っ張った。
「わっ……! ちょ、それ、なくない!?」
ギョッとして焦るけれど、これで上半身を起こしたらアウトだ。
「お決まりじゃん」
ハワイには二着ビキニを持って来た。
日本で文香と一緒に買い物をしたんだけれど、フリルとかシースルー、ハイウエストとか色んなデザインがあるなか、文香に思いきり背中を押された。
『あんたはモデル並みに体型がいいんだから、思い切ってシンプルにエロいのでいけ!』
……そんな訳で、フリフリとかで誤魔化さない、シンプルな三角黒ビキニになった。
ちなみにもう一着は、パレオつきで赤地にトロピカルな花柄のついている奴だ。
「〝男のロマン〟か」
慎也と正樹の大好きな単語を口にすると、彼は嬉しそうに「そうだよ!」と言った。
日焼け止めのキャップを取る音がし、「つけるよ」と声を掛けてから正樹は私の背中に手を滑らせる。
「ん……」
冷たい液体と、正樹の手の感触にちょっと変な気持ちになる。
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